数える:常用漢字表に、音訓読みが4文字以上の漢字はいくつあるか?

こんにちは。数え屋が数えてみました。

数えてみたのは、文化庁の常用漢字表(PDF)のなかで、「読みがなが4文字(音)以上になる漢字」です。

    • <注>
  • 同表での「音訓」にあるものが基準です。
  • 漢字単体での文字数(音数)です。送り仮名部分はカウントしません。
  • 当記事では、読みがな1文字=1音とします。

【2021/08/28追記】データ訂正しました。

コメント欄よりご指摘をいただき、「快い」を追加しました。

以下、カウント結果を含めデータ訂正済みです。

【2020/08/19追記】データ訂正しました。

コメント欄よりご指摘をいただき、「滞る」「奉る」を追加しました。

コメントを受けて表を再確認したところ、「弄ぶ」「頂(いただき)」「陵(みささぎ)」の字も抜けていました。よって合計5文字の追加となります。

以下、カウント結果を含めデータ訂正済みです。まだ数え落としを残していたら再訂正もあるかもしれません。

結論:41字

先に結論です。

「読むと4文字以上になる(読み方がある)常用漢字」は、合計41文字。

その内訳は、

  • 5音:4文字
  • 4音:37文字

でした。

詳細

常用漢字表での読みがなは、5音が最長でした。「送り仮名あり」で1字、「送り仮名なし」で3字、合計4つが「5音で読める常用漢字」でした。

「次点」の4音も一緒にまとめてみました。「送り仮名あり」が13字+「なし」23字=36字でした。

シェアは1.9パーセント

当該の表には、

「本表」には,字種 2136 字を掲げ,字体,音訓,語例等を併せ示した。

とあります。常用漢字表に記載されているのは2136字だそうです。

よって、「読むと4文字以上になる(読み方がある)常用漢字」の比率は、約1.9%(41/2136)ということになります。

思っていたよりも多かったです。ネプリーグの問題にできそう。

【リスト】常用漢字表での「長い読みがな」一覧

以下、「読むと4音以上になる常用漢字」のリストです。

見る前に、いくつリストアップできるかやってみるのも、面白いかもしれません。

第1位:5音(全4文字)

合計4文字あります。

「送り仮名あり」(1)

  • 承る(うけたまわ-る)

「送り仮名なし」(3)

  • 志(こころざし)
  • 詔(みことのり)
  • 政(まつりごと)

次点:4音(全37文字)

次点として、音訓の読みが4音の漢字もまとめておきます。

「送り仮名あり」で14文字、「なし」で23文字、合計37文字ありました。けっこう多いです。

「送り仮名あり」(14)

  • 快い(こころよ-い)
  • 陥れる(おとしい-れる)
  • 恭しい(うやうや-しい)
  • 潔い(いさぎよ-い)
  • 唆す(そそのか-す)
  • 辱める(はずかし-める)
  • 遡る(さかのぼ-る)
  • 滞る(とどこお-る)
  • 著しい(いちじる-しい)
  • 覆す(くつがえ-す)、覆る(くつがえ-る)
  • 憤る(いきどお-る)
  • 奉る(たてまつ-る)
  • 翻る(ひるがえ-る)、翻す(ひるがえ-す)
  • 弄ぶ(もてあそ-ぶ)

「送り仮名なし」(23)

たくさんあるので、2パターンで一覧を示します。

(1)クイズ「これ4文字で読めますか?」

まず、文字だけ並べてみます。すべて4文字で読めるか、お楽しみください。

暁 紅 礎 鶏 湖 雷 趣

弟 冠 妹 寿 杯 各 塊

公 候 私 侍 魂 懐 丼

頂 陵

(2)一覧

読みがなの「正解発表」を兼ねて一覧にもしておきます。7×3 +2の順不同です。並びは(1)と揃えています。

  • 暁(あかつき)
  • 紅(くれない)
  • 礎(いしずえ)
  • 鶏(にわとり)
  • 湖(みずうみ)
  • 雷(かみなり)
  • 趣(おもむき)
  • 弟(おとうと)
  • 冠(かんむり)
  • 妹(いもうと)
  • 寿(ことぶき)
  • 杯(さかずき)
  • 各(おのおの)
  • 塊(かたまり)
  • 公(おおやけ)
  • 候(そうろう)
  • 私(わたくし)
  • 侍(さむらい)
  • 魂(たましい)
  • 懐(ふところ)
  • 丼(どんぶり)
  • 頂(いただき)
  • 陵(みささぎ)

感想など

「慮る」は選外

作業前には、5字に「慮る」(おもんぱか-る)が入ってくると予想していたのですが、出てきませんでした。常用漢字表にはない読み方なのですね。ちょっと意外でした。

リスト化の動機

今回このようなリストを作成したのは、漢字の読み方について、いくつか論じたいことが出てきたためです。その基礎調査的位置づけです。

そのなかで「学力の低い人にとって、漢字一字に4文字以上の読みがなが付くのはスペシャルなこと」という仮説を立ててみました。

ですがこの作業によって検証してみた結果、どうもそう言えそうにないです。仮説は棄却です。

こちらからはひとまず以上です。

コメント

  1. 西 智博 より:

     はじめまして

     「読むと4文字以上になる(読み方がある)常用漢字」の比率は、約1.6%(35/2136)という分析、興味深く拝読しました。

     ところで、音訓の読みが4音の漢字について、「送り仮名あり」で10文字とありますが、滞(とどこおーる)や奉る(たてまつーる)などは、なぜ入らないのでしょうか。常用漢字表には載っているようですが・・・

  2. ヤシロタケツグ より:

    コメントありがとうございます。

    ご指摘恐れ入ります。単純な数え落としです。
    再確認し、訂正しました。

  3. より:

    快い(こころよ-い)はいかがですか。

  4. ヤシロタケツグ より:

    ご指摘ありがとうございます。
    追加し、集計結果を訂正しました。

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