用件はタイトルのとおりです。
スチャダラパー《ヒマの過ごし方》にこんな歌詞があります。
辞書でヒマってひいてみた
これもまあ ヒマのなせる業
リリックはこう続きます。
ヒマ=自由な時間 仕事や義務に拘束されない時間
これってどの辞書の語釈だろうと思って、手元の辞書アプリで「ひま」って引いてみました。
大辞林がほぼそれでした。
①仕事や義務に拘束されない時間。自由な時間。
「ひま」の語釈は辞書によってけっこう違いました。比較用に他の2例を並べておきます。
広辞苑第七版
④仕事のない間。てすき。閑暇。
新明解国語辞典第八版
今しなければならない仕事などが無くて、自分の好きな事が出来るのんびりした△時間(状態)。
へぇ『大辞林』を引いたのか。しかしそう結論づけるのは早計です。
手元の大辞林アプリは第四版、2019年刊行版がベースです。一方《ヒマの過ごし方》のリリースは1993年です。
大辞林スタッフにスチャダラパー好きがいて、改訂時にそのままいただいている可能性は捨てきれません。
『大辞林』の刊行履歴は、奥付を基準にすると次のとおりです。
- 初版 1988年
- 第二版 1995年
- 第三版 2006年
- 第四版 2019年
したがって《ヒマの―》リリース当時に世に出ていた『大辞林』は初版です。
ということで、『大辞林』初版を収蔵する図書館へ行ってヒマを引いてきました。
これもまあ、ヒマのなせる業。
そのままでした。
『大辞林』初版の「ひま」に「自由な時間」「仕事や義務に拘束されない時間」と書いてあったことは確認できました。
しかし当時、「ひま」をそう書いた唯一の辞書だったかは未確認です。
よって可能性の話として、下記の2つのケースをまだ完全に否定できていません。
- 『大辞林』の「ひま」を踏襲した他の辞書がある
- 先行する辞書の「ひま」を『大辞林』がまねた
その含みを持たせて記事タイトルを(が9割)としました。残る検証は辞書好きの諸賢に委ねます。
2026年元日放送の「辞書で呑む」にBoseさん出るんですね。
《ヒマの過ごし方》の話、出てくるかしら。

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