日本独自? マイクロソフト Surface Pro 3のCM曲が《Suit》に(2015年1月)

こんにちは。出典マニアがまとめておきます。

要約:Executive Summary

パート1.韓国からオーストラリアへ

  1. マイクロソフト「Surface Pro 3」のCM曲が変わりました。新しく使われている曲のタイトルは《Suit》(Boom! Bap! Pow!, 2013)です。
  2. 使われている部分の歌詞を(大幅に)意訳すると「とってもキュートで付けていたい それってイケてない?」ぐらいの意味です。
  3. 演奏するBoom! Bap! Pow!は、オーストラリアの5人組バンドです。

パート2.ちらつくAppleの影

  1. この曲《Suit》は、アメリカでダイエットコーク(Diet Coke)のCM曲になっていました。
  2. なので、同じ《Suit》をSurfaceに使うバージョンは、日本独自の限定版かもしれません。米国はじめ、他国のSurface関連のYouTubeチャンネルを見ても、今のところ同様のCM動画は見当たりませんでした。
  3. CM曲として使われるのは、コーラの「後追い」と判明して、ペプシコーラの経営者だったジョン・スカリーをスティーブ・ジョブズが口説いてアップルに迎え入れた故事を思い出しました。
  4. 今後このバージョンのCMを、マイクロソフト本社が米国本土でも放映したらいろいろ楽しくなりそうだなあと、空想が広がりました。

 

パート1.韓国からオーストラリアへ

前に

という記事を書いた行きがかり上?、1日1回は「サーフェス CM」とツイート検索することが目下の習慣になっております。

曲が変わった

2015年になって検索結果に変化がありました。CM曲が変わったみたいです。

ほどなくして、YouTubeのSurface Japanチャンネルにも動画がアップされました。

Surface TVCM — Remix 篇 30秒 / Surface Pro 3(2015/01/01付)

従来版と並行使用中のようだ

ただし、従来の「ねがちぇいるちゃらが」にも言及するツイートが引きつづき見られますので、全面的に切り替わったわけではなく、2015年1月初旬の現時点では新旧の両バージョンが並行してOAされているようです。

参照用に「ねがちぇいちゃらが」への動画リンクも付けておきます。

Surface TVCM–Heads 篇 30秒 / Surface Pro 3|Surface Japan(2014/11/30付)

曲名は《Suit》(2013)

使用楽曲に関する情報も既に出ていました。Boom! Bap! Pow!の《Suit》(2013)だそうです。

こちらの動画が紹介されていました。

Boom! Bap! Pow! – Suit(2013/01/28付)

何にでも事情に通じた人はいるものです。

歌詞

CMに使われている部分ではこう歌っています。英語です。

You’re so cute I wanna wear you like a suit,
I think you’d look pretty good on me

日本語で詞を付けてみるなら、意味としてはだいたい

あなたはとても可愛いから、スーツみたいに着てしまいたい。きっといい感じに見えると思う。

↓になるので、

♪とってもキュートで付けていたい
ねぇ、それってイケてない?

ぐらいのところでしょうか。

演奏は、オーストラリアの5人組バンド「Boom! Bap! Pow!」

演奏するのは「Boom! Bap! Pow!」です。

バンドのFacebookページがありました。

20150104_10885582_

※画像は同ページより

ざっと読むと、オーストラリア・パース出身の5人組バンドのようです。

パースで開かれたTedxのステージでライブ演奏する動画がYouTubeにありました。1曲目が《Suit》です。

"Suit" and "My World" live: Boom! Bap! Pow! at TEDxPerth|Tedx Talks(2013/01/22付)

付記:バンド名の日本語表記について

バンド名の「Boom! Bap! Pow!」は、そのまま英字表記するのが最も適切に思えます。

もしもあえてカナ表記するなら、なるべく聞こえたとおりに書く方針にして「ブン!バッ!パウ!」ぐらいでしょうか。音の響きとリズムを大事にしないといけない気がします。意味は違いますが、ことばとしては日本語の「ボン・キュッ・ボン」と同じ仲間です。

パート2.ちらつくAppleの影

CMをしているのがグローバル展開している企業の製品ですので、私が気になるのは、他の国ではどうなっているかです。そこを探ってみました。

いろいろ総合して結論を先に述べますと、どうしてもAppleの影がちらつきます。

アメリカでは、コークのCM曲だった

YouTubeをつらつら見ていると、Surface Pro 3の新しいCM曲《Suit》が、アメリカではDiet CokeのCM曲として使われていることがわかりました。

公式の動画もありました。

Diet Coke – Economy Class(2014/09/22付)

半分(約15秒)のショートバージョンもありました。

Diet Coke – Economy Class(2014/12/05付)

日本独自CMか?

となると、同じ《Suit》をSurfaceのCMに使っているのは、日本独自の「限定バージョン」なのかもしれません。

アメリカの広告業界人のセンスを把握していませんので自分の素朴な感覚でものを言います。既にメジャー企業のCMに使われている同じ曲を、これといった工夫もなく同じように使うのは、異業種とはいえ「後追い」であり、ダサいです。

他国では見当たらない(今のところ)

実際、YouTubeで米国はじめ他国のマイクロソフト関連チャンネルを、各国語版の「ねがちぇいるちゃらが」CMがあったところ中心に見て回りましたが、今のところ《Suit》をCM曲にしたバージョンは見当たりませんでした。

参考:サーフェスの各国語版CM featuring 2NE1

ちなみに、「ねがちぇいるちゃらが」=2NE1《I AM THE BEST》を使ったSurfaceのCMは、日本語を含め少なくとも5か国語、全9バージョンあります。こちらの記事で一覧にしました。

嫌韓も影響?

これはゲスの勘ぐりにすぎませんが、前の楽曲がK-POPだった事実からなおさら評判が悪くなったという、嫌韓日本のローカル事情も加味されたのかもしれません。

どっちもどっちの似たもの同士にしか見えない部外者にとっては、何がイヤなのか実感を伴わないと思われますので、仮にローカル事情が反映されているのなら、私なら「日本市場めんどくせ~」と思ってしまいそうです。スケールを変えれば「松戸 vs. 柏」「浦和 vs. 大宮」と相似形ですから。余談でした。

スティーブ・ジョブズ&ジョン・スカリー「三顧の礼」の故事

さて、タブレット兼用端末のCM曲が、先にコーラのCMに使われていたと知ると、私のような老人がどうしても思い出してしまう「故事」があります。

その故事とは、ペプシコーラの経営者だったジョン・スカリー(b.1939)を、彼のマーケティング手腕を買ったスティーブ・ジョブズ(1955-2011)が口説き落としてアップルコンピュータの社長(1983-1993)に迎え入れたというものです。

ジョン・スカリー ※画像はen.wikipedia.orgより

Wikipedia「ジョン・スカリー」にはこう書かれています。

アップルコンピュータの社長を探していた創業者のスティーブ・ジョブズは、当時ペプシコーラの事業担当社長をしていたスカリーに白羽の矢を立て、18ヶ月に渡って引き抜き工作を行った。

このときスカリーに向けて放ったと伝えられる、ジョブズの口説き文句がしびれるのです。

このまま一生砂糖水を売り続けたいのか、それとも私と一緒に世界を変えたいのか

(Do you want to sell sugared water for the rest of your life, or do you want to come with me and change the world?)

さながら『IT三国志』、「三顧の礼」の段です。

アップルの後追い?

今回マイクロソフトも、《Suit》を演奏するバンドに

このまま砂糖水を売り続けたいのか、それとも一緒に世界を変えるのか?

とオファーした……かどうかは定かでありません。

空想:もしもアメリカでも《Suit》だったら…

その可能性は必ずしも高くなさそうですが、もしもSurfaceのこのCMが、日本「独自」ではなく、「先行公開」バージョンだったとしたら…と空想が広がります。

すなわち、《Suit》を楽曲に使ったSurface Pro 3のCMが今後米国でも放送されると楽しいだろうなという空想です。というのも、

  • ペプシ ― アップル
  • コカ・コーラ ― マイクロソフト

と「役者」が揃うことで、各社入り乱れての闘争の構図がよりくっきりと描き出せるようになるからです。

まとめ

Surfaceの新しいCM曲について調べてみると、その曲《Suit》がアメリカではコーラのCMに使われていたと知って、いろいろ想像がふくらんで楽しめました。

詳細は以前の記事「マイクロソフト Surface Pro 3 CM曲「ねがちぇいるちゃらが」入門」に書きましたが、アメリカのSurface Pro 3のCMでは、比較広告の形でMacBook Airを盛大にdisっています。

そんなマイクロソフト陣営に対し、古くからのアップルびいきはジョン・スカリーをCEOに迎え入れた故事を引き合いに出し、「コーラのCM曲を使うなんて、そこでもアップルの後追いかよ」と反撃できます。

文脈は違いますけれど、スティーブ・ジョブズ自身も2005年にスタンフォード大学の卒業式で行ったスピーチで、

Since Windows just copied the Mac, …

と、「てめえらしょせん後追いじゃん」とばかりにマイクロソフト製品をdisっています。

参照:Steve Jobs’ 2005 Stanford Commencement Address|Stanford(2008/03/07付) ※04:36あたり

30年を優に超える両社の「戦争」はまだまだ続きそうで行く末も予断を許しません。無責任な立場からは、いいぞもっとやれという感じです。

楽曲リンク

《Suit》へのアフィリエイトリンクです。

Amazon.co.jp

iTunes Store

シングル

収録アルバム

おわりに

それはそれとして、とりあえず私としてはiTunesが早くAndroid対応しねーかなと切に願っているところであります。上のリンクもAndroidタブレットだと見えないので。

過去にWindows対応は果たせたけど、そっちはGoogle陣営が邪魔しているのかしらん。よく知らないけど。

こちらからは以上です。

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