ざっくり比較:修羅の国・福岡の犯罪統計 2012 vs 1912

こんにちは。

100年前の新聞記事を見つけたので、福岡県の犯罪統計データを比べてみました。

福岡県の犯罪統計(2012)

警察庁その他のサイトからまとめます。

2012(平成24)年の福岡県での犯罪認知件数は72,240件でした。

内訳

福岡県警のサイトにあるデータを見ると、その大半、ざっと数えて5万件以上が窃盗犯の事案です。自転車盗(14,216)、万引き(6,662)、車上ねらい(6,407)、オートバイ盗(6,399)などです。

凶悪犯(殺人、強盗、放火、強姦)については、312件でした。

警察庁の統計では、凶悪犯に略取誘拐・人身売買、強制わいせつを加えたものを「重要犯罪」としています。

福岡県での重要犯罪は、凶悪犯312件に略取誘拐等18件と強制わいせつ436件を加え、766件でした。

他県との比較

都道府県単位では刑法犯の犯罪認知件数は全国8位でした。件数で福岡を上回るのは、関東の1都3県、愛知、大阪、兵庫です。

東北地方6県の管区合計(58,284)、中国地方5県の管区合計(65,518)よりも多いです。

福岡県の人口は5,085,368人(2012/10/01現在)ですので、人口10万人あたりの犯罪率は1,420.5となります。全国平均(1,084.0)より31%高いです。

重要犯罪についての犯罪率は同じく人口10万人あたりで15.1。全国平均(11.3)より33%高いです。

データ出所

警察庁 > 平成24年の犯罪情勢(PDF)

福岡県警察 > 犯罪統計
福岡県刑法犯認知検挙状況平成24年中【確定値】(PDF)
> 福岡県重要犯罪・重要窃盗犯認知・検挙状況 > 平成24年中【確定値】(PDF)

福岡県 > 人口移動調査平成24年 福岡県の人口と世帯年報(PDF)

福岡県の犯罪統計(1912)

新聞記事文庫(lib.kobe-u.ac.jp)で見つけた大正元年(1912年)の記事からです。

2014-05-13_1610

鉱山衛生風紀改善計画 : 県下の炭坑生活者十五万人|福岡日日新聞(1912/12/20付)

この記事によれば、県下全体の犯罪数が平均17,362件、明治44年(1911)末の福岡県の人口は1,827,755人だといいいます。

ここから計算した、人口10万人あたりの犯罪率は949.9です。

100年比較

同じ範囲の犯罪をカウント対象にしているかが不明なため、2012年の犯罪率データ(1,420.5)と単純比較はできません。

ただ、同じ記事で、年中の変死274人、変傷19351人といった記述も見られますから、凶悪犯罪は減っていると言ってよさそうです。2012年の福岡県の殺人は47件でした。被害者数は不明ですが、多めに平均2人で見積もっても2桁です。

付記

記事では鉱山労働者の風紀衛生改善を図る県当局の動きを報じています。少し探ると面白かったので詳しくは別記事にする予定です。

まとめ

福岡県の刑法犯罪認知件数は、72,000件余りでした(2012年)。都道府県単位で全国8位ながら、東北6県や中国5県の合計よりも多いです。

それでも100年前と比べると、単純比較できるデータではないにせよ、改善されているようです。

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