もうやめよう!自転車の右側歩道走行―川崎の死亡事故現場から

スポンサーリンク

こんにちは。マーチン・ルーサー・ヤシロです。

「自転車公民権運動」はじめました。

I have a dream.

私は、自転車の危険運転のリストに「右側歩道の走行」を付け加えたい。

Martin Luther King Jr.(1929-1968)

日本の話ですので。念のため。

この記事で言いたいこと

自転車のみなさん、私たちとともに

道路右側の歩道走行ボイコットしましょう。

なぜって危険すぎるからです。

違反走行である右側の車道・路側帯の逆走はもちろんのこと、右側の歩道を走るのも(今は合法ですが)もうやめませんか?

元ネタ

アラバマ州モンゴメリーでのバス・ボイコット(1955)になぞらえた提案でした。Wikipedia

ぜひとも趣旨にご賛同いただき、共に行動に向かっていただきたく、切にお願い申し上げるところでございます。

やめて!「右」の自転車(歩道も)

以下、

  • 歩道上でも道路右側の通行はやめて、自転車も左側通行に徹しませんか?

ということを、トータル6000字超の分量で延々くり返します。

これまでのあらすじ

既に昨年の時点で、私は右側の歩道を自転車で走ることをやめました。こちらの記事で宣言しました。

自転車の右側通行は全面禁止にしようよ(歩道も)―旭川の死亡事故に思う(2014/09/20)

旭川市で起こった自転車同士の正面衝突による死亡事故を「ネット検証」しました。詳しくはリンク先を参照していただくとして、根本の事故原因は「自転車が歩道上で対向できること」と「ひとり事故調」は結論づけています。

勝手に感じる続編のニーズ

5月末から上の記事へのアクセス数がじわり増えてきています。自転車への罰則が強化された改正道路交通法の施行(6月1日)のためでしょうね。

自転車に注目の集まっているこの時期に、右側走行に伴う危険をあらためて強調しておきたくなりました。

(小声で)

小さな声で暴露しますと、体力年齢が実年齢より30老けている嫁と一緒のときにはその後も右側歩道を走ることがあり、トータルでの実施率は100%になっておりません。ただ単独走行では右側歩道のボイコット継続中です。乗れる限り終生そのつもりです。

念のため補足:改正は「罰」の部分

念のため1点だけ。

改正法施行のニュースに対して一部に「~~はダメになるのか」みたいな声がありますが、事実誤認です。改正されたのは「罰」の部分であり、ニュースで報じられている「自転車の危険運転」の数々は、今回の改正前からずっと違法です。

復習:自転車「右側」はあり?なし?

「右側」にフォーカスして、自転車の走行ルールをおさらいしておきましょう。

道路上の区域ごとに簡単に述べると、次のとおりです。

    <右側の自転車走行は>

  • 車道:ダメ(最初から)
  • 路側帯:ダメ(少し前から)
  • 歩道:オッケー(今は)

車道:ダメ(最初から)

道路交通法の制定(1960)当初から、「車は左」が日本国内のルールです。

路側帯:ダメ(少し前から)

道路右側の路側帯は、かつて自転車の通行が認められていましたが、2013年12月の改正以降、違反となりました。

注 「路側帯」とは

路側帯とは、大ざっぱに言うと「歩道のない道路の端に引かれている線の外側」です。

厳密には過去記事:それは「路側帯」なのか?(2014/09/20)を。

歩道:オッケー(今は)

自転車の歩道走行自体に対して要件はありますが、どちら側の歩道を走るかの指定はありません。所定の要件を満たしていれば、右側の走行も可能です。

合法なのに、危険すぎ

くり返しますが、同一の歩道上を自転車が双方向に通行できる今のルールは、危険すぎます。

「右側の歩道」もやめよう

たとえ合法の歩道上であろうと、道路の右側を自転車で走るという行為は、非常に危険です。

なぜならその走行ラインの向こうから、自転車が対向してやって来るからです。

ルール上認められていようと、危険なものは危険です。改正を待っていられませんから、先にやめてしまいましょう。

それが私の主張です。

「走る危険ドラッグ」:右側自転車

道路の右側を走る自転車は、さながら「走る危険ドラッグ」です。

通常の走行以上に、自らはむろんのこと、他人をも危険に巻き込むからです。歩道上でも同様です。

危険走行、非常に危険。

事故事例で説明

危険危険とがなりたてるだけでは、さして伝わらないだろうとも思います。

そこで、「歩道上の右側通行」がどんだけヤバすぎる狂気の沙汰なのか、実際に起こった死亡事故を「ネット検証」することによって論証を試みます。

検証:川崎の死亡事故現場・ビフォーアフター

検証するのは、2013年2月に川崎市幸区で起こった死亡事故です。

ニュース記事がWebに残っていました。

自転車から投げ出された5歳女児、トラックにはねられ死亡 川崎|msn産経ニュース(2013/02/04付)

事故の概要

記事本文を区切って引用します。実名の報道でしたが、ここでは伏せておきます。

4日午前7時25分ごろ、川崎市幸区塚越の市道で、自転車に乗っていた同区**の会社員、****さん(36)がバランスを崩して転倒

後部の幼児用座席に座っていた長女の**ちゃん(5)が車道に投げ出されて男性運転手(47)のトラックにはねられた。

被害状況

**ちゃんは頭を強く打ち、搬送先の病院で死亡が確認された。

**さんは軽傷を負ったが、前部の幼児用座席に座っていた次女(1)にけがはなかった。

3人乗りの自転車で転倒したことがわかります。しかし、この事故におけるポイントは、そこではありません。

発生状況の重要ポイント

重要なのはここです。 ※強調・下線は引用者

神奈川県警幸署によると、**さんは道路右側の歩道を走行中、前方から別の自転車が来たためブレーキをかけたところ、バランスを崩して車道側に転倒

右側の歩道を走っていたことが根源的不幸です。その先は、すべてそこから想定できる出来事ですから。

では、36歳会社員の女性(軽傷)が、後ろに5歳の長女(死亡)、前に1歳の次女(無事)を乗せて自転車で走っていた道路右側の歩道とは、いったいどんな場所だったのでしょうか?

現場を見てみましょう。

事故発生現場(2013)=ビフォー

この事故が発生した現場を後日訪れ、ブログ記事にしている方がいらっしゃいました。

現場の写真から1枚拝借します。

20150601_5372c5c688e3abf6314eab620c837e72

川崎市幸区塚越の3人乗り自転車の事故現場を視に行った(追記あり)|思考の7割と収入の3割を旅に注ぐ旅人の日々(2013/02/28付)より

うーわ、なんだこれ。

アカン!

20150602_124777_pcl

アカン警察捜査日誌#16(2010/03/08付)より

アカン警察に通報したかったのですが、残念ながら既にクローズしていました。

進めます。

右側走行、ヤバすぎ

朝の出勤時間帯に、自転車の前後に幼児2人(+保育・通勤セット)を乗せてここを走るって、いったいどんな曲芸ですか?

で、前から自転車がやって来たんでしょう? 来ますってそりゃ。

いや、マジ無理ですって。

ヤバい。怖すぎ。

「恐怖写真」だらけ

リンク先のブログ記事には、夕方1時間ばかり現場にいて撮影したという、自転車の走行状況の写真が多く掲載されています。

2015-06-02_1334

どれも【グロ注意】かよというレベルの、すさまじい恐怖写真の連続でした。

検討すべきは「なぜ、難易度をさらに上げるのか?」

しかし、「3人乗り」の部分で会社員ママの「曲芸」を責める気にはなれません。

前掲のブログ記事:川崎市幸区塚越の3人乗り自転車の事故現場を視に行った(追記あり)の筆者の方もこう述べています。

この事故でもっと重視すべきは歩道上で自転車同士が対面通行していたこと

同意します。何より重視すべき問題は、そこなんです。

そりゃ、間が悪けりゃこうなりますってば。

投げ出された**ちゃんがトラックの下に入り込んだ直後、渋滞で停止していたトラックが発進し、後輪に巻き込まれた。

(前出 msn産経ニュース)

その結果、死ななくていい子が死にました。不幸すぎる結末です。幸区なのに。

  • なんで右側の歩道を走ろうと思うのか?
  • 大事な大事なはずの2つの命を乗せていながら、なにゆえにそんな「ベリーハードモード」に臨むのか?

病理はそこにあるんです。

「左」の不徹底ぶり

別の角度から端的に述べると、自転車の運転者については

  • 」の優先順位が著しく下がっている

という現状があります。ここに深刻な病巣があります。

「病巣」が育ったメカニズムを語り始めると長くなりますので、はしょって次へ進みます。参考となるWeb記事を1つ挙げることで、論述に代えておきます。

専用レーンを走る自転車の最大の敵、実は自転車だった!(文/松浦晋也)|日経トレンディネット(2015/05/11付)

なぜ右を? を求めて現場へ

2人の子を乗せた女性の自転車はなぜ、右側の歩道を走っていたのでしょうか? そもそもなぜ、そこを通ろうと思ったのでしょうか?

答えを探るべく、既に事故から2年以上経っていますが、私も現場周辺を訪ねてみることにしました。

といっても、貧乏人の強い味方、Googleマップのストリートビュー機能を使っての「ネット検証」であります。

事故現場写真(2015)=アフター

先ほどの写真とほぼ同じ地点からのストリートビューがこちらです。

2015-06-02_0257

撮影年月が「2015年3月」と、けっこう最近のものでした。

感じる、道路当局の「本気」

細かく見ると、現場の道路の様子がけっこう変わっていることに気がつきます。

具体的には、

  • 歩道の段差が低くなり
  • 歩道を狭めていた電柱(足下に花が手向けられていた)が撤去され
  • 路上には、自転車の通行帯と走行方向を示すペイント(白い自転車マークと矢印、青い帯状の矢印)が描かれています。

死亡事故を重く見た(恐らく川崎市の)道路当局が、そこそこ本気を出したことが感じ取れます。

またもやの、恐怖映像

これがテレビの劇的なリフォーム番組ならば、「なんということでしょう」でハッピーエンドです。

しかし、そうは問屋が卸しませんでした。

その先に進むと、グーグルの撮影カメラが、すさまじい恐怖映像をとらえていました。

2015-06-01_2146

おわかりいただけるでしょうか。

拡大します。

2015-06-01_2141

電動アシスト付き自転車(たぶん、ヤマハのPAS kiss mini)が絶賛斜め横断中です。

なんということでしょう。

それも、よりによって3人乗りではありませんか。

思わず、

コラーっ!

と、画面に向かって月亭方正さんばりに声を上げてしまいました。

20150602_7489df83ed94519d0038a449ec634cb3

news.livedoor.com(2009/04/09付)より

あまりにあんまりな危険運転

ふだんからこのような運転を続けていると、そうでない運転者よりも、道路で命を落とす危険がぐっと高まります。法が規定していない動き方だからです。

まるで、そこそこの改良をした道路当局の本気と安全への願いを、すぐそばで亡くなった女の子の霊もろともに土足で踏みにじるかのような、あまりにもあんまりな危険運転です。

あなたがサッカー選手であれば、予測不能な動きを見せて相手のマークを突破する、そんなスキルも必要でしょうが、道路上でそんなスキルを発揮する必要性などみじんもありません。

どうか、なでしこジャパン的スキルの発揮は、ピッチだけにしてほしいと願うところです。

危険運転の理由を推測する

しかしカメラがとらえた「恐怖映像」の本人が、なぜこのような危険な運転をするかを推測することは、難しくありません。

きっと、左へカーブしていく本線ではなく、画像の右奥へ伸びる脇道の方へ進みたいからです。

そのとき自然と、自転車の進路は画像のようになります。それが最短だからです。

これも「歩道なら右側もあり」の弊害

ここにも「歩道なら右側もオッケー」の弊害が見られます。

すなわち、自動車やオートバイなら絶対であるはずの左側通行が、こと自転車になると、

  • 「左」の優先順位が著しく低くなっていること
  • 言い換えると、運転者にとって都合のいい「端っこ」と「最短」が優先されること

そんな現状があります。

ふだん自転車にしか乗らない人のみならず、ドライバーでもある人物ですら、ひとたび自転車に乗ればこのような危険な運転を平気でやってしまっています(ソースは親族)。

くり返しますが、その主原因は「歩道なら右側もオッケー」だと私は考えています。

だからこその、冒頭で訴えたとおり「右側ボイコット」なのです。

「左側脳」の自転車走行ルート

先ほどの恐怖画像に、自転車でも徹底的に左側通行を貫く、「自転車も左」脳によるルートを書き込んでみました。

青色で引いたラインが、「左」脳による進み方です。

2015-06-01_paint_2141

ええ。めんどくさいです。しかし、ずっと安全です。

道路上でもまるで「個の力」を発揮するかのごとく、スペースへ斜めに走り込むようなやり方をするより、ずっとずっと安全です。

「自転車ひだり脳」が浸透するまで、根気強く訴え続けていくつもりです。伸びしろです。

裏に潜む、リソースの貧しさ

事故の本質ではありませんが、「3人乗り」部分もからめます。事故を起こした36歳女性の行動を再現させつつ、推理してみましょう。

保育園に行く途中だったという。

(msn産経ニュース)

となると、親子の乗った自転車が向かっていたのは、進行方向の右斜め前方にある「どりーむ東小倉保育園」でしょうか。断言はできませんが、行き先だった確率は十分に高いと考えられます。

運営する社会福祉法人 長尾福祉会 のWebサイトによると、「どりーむ東小倉保育園」は事故発生の前年、2012年に開設された認可保育所です。少なくとも、事故当時1歳だった次女の預け先はここであった確率が高そうです。

(2015/06/08 追記)コメントで「更に遠いところの保育園」と情報をいただきました。事実関係の確認ができましたら追って記します。

あとは、推測を入れず事実を2つ述べます。

1.上述の保育園は、親子の住所町名から近い順に数えて6~7番目にあります。

2.川崎市では、保育所への送り迎えは原則として保護者がすることになっています。

保育所等の送迎は原則、保護者の方にお願いをしています。未成年のきょうだい等が送迎することは認めていません。また、車での送迎は原則できません。

川崎市 > 平成27年度 保育所・幼稚園等 利用案内(PDF) 「6 入所(利用)後の各種手続きについて」より

これはひどいことになっています。

  • 近くない
  • 送迎ない。自分でやれ
  • 自動車もダメ

って、いったいどんな無理ゲーなんですか。

市の文書を蝕む「クルマ脳」の恐怖も

ついでの話として、「での送迎」が原則NGということなら、自転車での送迎もアウトですけどね。文言を厳密に読めば。

そういうことではなくて、きっと「車=自動車」のつもりなんでしょう。上ではそう解釈しておきました。

これもまた、「自転車公民権運動」で取り組まなければならない病巣のひとつです。

検証結果まとめ

以上、死亡事故の「ネット検証」によって、右側歩道を自転車で走ることの危険性のみならず、「都市部での子育て」という事業そのものが、ウルトラヘビーなハードモードであることまでが見えてきました。

「子供を預けて勤めに出る」というだけで、どえらい苦労を背負わなければいけません。炎吹き上がる、火の車です。

そこと比べれば、都市部の子育て世代にとって、自転車での右側歩道走行の危うさ、予測不能な危険運転のヤバさ加減など、どうってことないのかもしれません。

しかしある日、もろもろの事情によって自転車に子供を乗せて出勤前に保育園へ預けていた親御さんは、長女を無事に送り届けることに失敗しました。不幸にも、それは取り返しのつかない失敗でした。

再現させたらアカンでしょ。ごく素朴な感想です。

重ねての「右側ボイコット」提案

リソースは無限ではありません。ありとあらゆる不足に割くのは不可能です。保育環境の整備も、行政その他は精一杯やってることかと思います。

リソースは限られているのですから、せめて、安全の側に優先して振り向けてほしいです。

自転車の「右側ボイコット」は、安全への着実な第一歩となるアクションです。

ぜひとも趣旨にご賛同のうえ、行動につなげていただきますよう、重ねてお願い申し上げる次第でございます。

ご静聴ありがとうございました。

コメント

  1. 川崎市民です より:

    保育園情報を検索している内に、こちらへ辿り着きました。主題とされているところに異議を挟むものではありませんが、上述されている川崎市の自転車事故に関して、娘さんが通われていたのは記載された保育園ではありません。更に遠くの保育園です。「断言はできません」としつつ、「確率は十分に高い」として、誤った保育園の名称と運営法人の名称を記事にされるのはいかがなものでしょう?。これから保活をしようという地元のママパパに不安を与える一方、記事で訴えようとされている主題にこの保育園の特定は必要ないように思えましたので、削除又は訂正してはいかがかと思いました。老婆心失礼しました。

  2. ヤシロタケツグ より:

    コメントありがとうございます。
    ご指摘いただいた旨を本文に追記しました。

    「十分に高い」としたのは、近傍のさらに遠い保育所であった場合、このルート(の右側歩道)を選択した理由が想像できなかったためです。
    適正なルートはどこかを検証するために、行き先を知ることは必要と考えます。
    また、本件の焦点が保育園個別の運営の問題でないことも、理解してもらえるだろうと考えています。その程度には、読者諸氏の読解力を信頼しております。

  3. ノグチ より:

    自転車の道路右側歩道通行禁止、今更ですが賛同致します。
    しかし、右側歩道通行自転車の多いこと。
    しかもこちらが歩道中央に避けないといけないとは理不尽を感じます。

タイトルとURLをコピーしました