「ほこ×たて」どころでないディズニーの「やらせ」&「動物虐待」―レミングの集団自殺

シェアする

こんにちは。

レミングの集団自殺は捏造らしいです。

2013-11-20_304px-Tunturisopuli_Lemmus_Lemmus
※レミング:画像はen.wikipedia.org より

はじめに

Eテレで放送していた「オックスフォード白熱教室」(2013年10月25日OA)の録画を見ていたら、聞き捨てならないことを言っていました。

番組情報

オックスフォード白熱教室 第4回「数学が教える“知の限界”」(Eテレ 2013年10月25日 23:00-23:55 OA)

レミングの集団自殺はやらせ

講義をしていたのはマーカス・デュ・ソートイ教授。ソートイさんは講義のなかで「崖から飛び降りて集団自殺を図るといわれる動物は?」と、3択クイズ形式で問いかけていました。聴衆は「レミング」に最も多く挙手しました。

なぜにレミングが数学の講義に出てきたかというと、カオス理論の話題に関係するからです。レミングの個体数が周期的に大きく変動することは知られていたために、理由の説明にこのような噂が広まったとのこと。

聞き捨てならなかったのはここからです。

ソートイさんは「この仮説はある自然ドキュメンタリー映画によって確かなものとして広まった」として、こう説明しました。吹き替えの台詞を採録します。

ところが数年前、このドキュメンタリー映画を撮影したカメラマンが白状したんだ。「これは“やらせ”だった」ってね。

あ、そうなんだ。

僕自身も、レミングの集団自殺の話は聞いたことがあります。「そんなこともあるのかな」程度の理解でした。身近にいない動物でもあり、真偽の判断材料も乏しい、というか真偽を判断する必要性が薄いためです。

しかも動物虐待

ソートイさんの話によれば、真相はこうらしいです。

実際にはカメラから見えないところに回転する車輪のようなものがセットされていた。そして撮影スタッフが、その上にレミングを乗せて車輪を回し、崖の上から次々と飛ばしてたんだ。レミングたちは無理やり飛ばされていたというわけだ。

このとおりなら、とんだ動物虐待です。

実際、捏造のようだ

検索して探してみると、「やらせ」というのはどうやら本当みたいです。

まず、この「ドキュメンタリー映画」とは、「White Wilderness」(1958|IMDb)です。製作はディズニーフィルム。「白い荒野」の邦題が付いています。

YouTube に、映画での「レミングの集団自殺」シーンが捏造であることに言及する動画がいくつかありました。(英語)

ただし僕の理解力では「なるほど捏造だ」とはなりませんでしたが。

先行研究たち

捏造であることは、既存のWebページに十分すぎるほど説明されていました。内容に関して自分が付け加えることはないです。

いくつかリンクを張っておきます。

1.gov ドメインから

まず、英語のものから、ソースとして多く言及されていた印象だったものがこちら。

Lemming Suicide Myth Disney Film Faked Bogus Behavior by Riley Woodford(www.adfg.alaska.gov)

タイトルを日本語訳すると「レミングの自殺という神話―ディズニー映画のイカサマやらせ捏造」といったところでしょうか。日付は入っていませんが「September 2003」のカテゴリーです。

冒頭から

Lemmings do not commit mass suicide. It’s a myth, but it’s remarkable how many people believe it.

というトーンです。レミングは集団自殺しない、作り話だ。というわけですね。

2.デマ検証サイトでも

デマの検証サイトにも記述がありました。

White Wilderness(www.snopes.com)

こちらでも、「やらせ」疑惑を”True” とし、こう説明をはじめています。

Lemming suicide is fiction.

同じく、フィクションであると。

3.Wikipedia でも

Wikipedia にも「White Wilderness」にからめて、集団自殺が真実でない旨の記述がありました。

英語版「Lemming」の項では「Misconception」あたり、日本語版の「レミング」では「レミングに関する伝説と誤解」あたりです。

4.どれよりも充実していた日本語コンテンツ

そして意外にも日本語コンテンツに、最も充実したものが存在しました。こちらです。

レミングの集団自殺神話|懐疑論者の祈り

2013-11-20_1424

全五章からなる論文形式でまとまっています。当然、上で述べたような英文ドキュメントも情報ソースとして把握されています。

査読として読んだわけではないので質のすべてを保証しきれませんが、この噂の起源を追跡しラップランドの伝承と結論づけるなど、量と検討範囲は圧倒的です。

こういう過剰さ、嫌いではありません。

日本語のままなのはちょっともったいない気もします。英語でも発表すればいいのに。

あらためて「ほこ×たて」について

ここで後世のために、タイトルで引き合いに出している「ほこ×たて」について簡単に説明しておきます。既にご存じの方にとっては無用な記述です。

「ほこ×たて」(2011-2013)とは、フジテレビのバラエティ番組の名前です。さまざまな「矛」と「盾」を対決させる趣向でした。

この番組をめぐって、「やらせ」「動物虐待」騒動が持ち上がります。

2013年10月20日放送の「実弾スナイパーVS逃げるラジコン」について、10月23日、その事実と違いすぎる編集に怒った出演者のひとりが、その「やらせ」と、過去の対決出演時にも猿回しの猿に釣り糸を結び付けていたなどの「動物虐待」を告発する文章をネットに掲載したのです。

そこで適示された事実の存在が大筋で確認され、11月1日に番組の打ち切りが発表されました。

関連過去記事

騒ぎのきっかけとなった放送をたまたま見ていたこともあり、僕も本件に関して2つブログ記事を書いています。

「ほこ×たて」どころでない案件

「White Wilderness」での「やらせ」「動物虐待」は、「ほこ×たて」でのケース並みか、それ以上にタチが悪いです。

いち対決の不適切な演出で「ほこ×たて」が打ち切りになるのなら、50年以上前の話ではありますが、この映画とディズニーはどう取り扱うのが適切なのでしょうか。

こちらからは以上です。

スポンサーリンク
Google AdSense
Google AdSense

シェアする

フォローする

スポンサーリンク
Google AdSense

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)