【ダイジェスト】百田尚樹と対決!(1)(林修先生の今やる!ハイスクール 2013年12月13日OA)

こんばんは。林修ナイトの時間です。

金曜(12/13)深夜に、林修さんが毎回生徒役になる番組「林修先生の今やる!ハイスクール」のスペシャルが放送されていました。講師は百田尚樹さんでした。

かいつまんでダイジェストにしておきます。

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基本情報

林修先生の今やる!ハイスクール 百田尚樹と対決!ベストセラーの作り方講座SP(テレビ朝日系 2013/12/13 /朝日放送 2013/12/13深夜 24:24-25:24 OA)

(地デジ番組表より)

林修先生が生徒に変身!!様々な分野に精通した講師が、林修先生に知らない世界をレクチャーします!

今回は講師に作家・百田尚樹が登場し『ベストセラー小説の作り方講座』をレクチャー
売れる小説を作るには1行目に秘密があった!?
更に禁断の出版業界の裏側を大暴露!

【◇出演者】

【MC】林修
【進行】宇佐美佑果(テレビ朝日アナウンサー)
【講師】百田尚樹
【学友】伊集院光

百田尚樹が教える「百田流・ベストセラー小説の作り方講座」

ナレーション)今年の顔と顔が大激突スペシャル

ナレーション)2013年本屋大賞を受賞、この1年出版業界をリードした、今最も本が売れるベストセラー作家、百田尚樹。2013年「今でしょ!」で新語・流行語大賞を受賞、東進ハイスクール現代文講師として時代の寵児となった林修。2人のプライドがぶつかり合う夢の対決が実現

ナレーション)林修は売れる小説を書く才能があるのか

ナレーション)出版社も止められない。毒舌百田尚樹が、裏側も大暴露

副担任 宇佐美アナウンサー

宇佐美「ということで林君、意気込みをお願いします」

「あの、どっかで小説家になりたいんですよね。ええ。ですから、今日いただいたヒントでついに夢がかなうかもしれない。期待しております」

講師:百田尚樹登場

百田「どうも、こんにちは、こんばんは。よろしくお願いいたします」

ナレーション)50歳を機に小説家デビュー。異色の経歴を持つ作家、百田尚樹

宇佐美「林君は百田さんの作品て読んだことありますか?」

「『海賊と呼ばれた男』をちょっとパラパラッと見た程度、ちょっとこれから読もうと思って次のコーナーに置いてあるんですけど、はい。すいません」

伊集院「マンガ版の『永遠の0』はものすごい一生懸命読んだんですけど、小説を読んでないんですよね」

百田「いやいやほんとねぇ、今日はね何かね、いきなりね読んでない読んでないて言われて、いきなり気力がくじかれました」

伊集院「これをきっかけに読もうっていう、そういうスタンスで来ておりますので」

百田「わたくしはずっともう20何年間、テレビのバラエティばっかり作ってた男なんで、ほんとはお二方に小説なんか偉そうにしゃべれる立場じゃないんですけど、今日はよろしくお願いいたします」

「探偵!ナイトスクープ」チーフ放送作家

アジェンダ

『永遠の0』著者 百田尚樹が教える「ベストセラーの作り方講座」

  1. 出版業界の裏側を知ろう
  2. 百田流!一行目の書き方
  3. 取材力をつけよう

1.出版業界の裏側を知ろう

百田「小説っていうのは出してから生き残るのがいちばん大変なんです」

百田尚樹が分析する出版業界の現状
売れない作家は出版もできない!

百田「小説はね、何をベストセラー書くか、いう前に、敵を知り己を知る。まず、敵というのは失礼ですけど、出版業界をとにかく知ろうと。どういうような仕組みでベストセラーが作られているのか、裏側を知ることが大事なんで」

出版業界の現実がわかる2択テスト

百田「林君に、2択で質問していきます」

ナレーション)出題する4問を詳しく理解することで、小説家がいかに厳しい仕事かがわかるという

※正解は太字下線の方

1)1日に発売される新刊の数は? 50冊 200冊

ナレーション)そう。年間7万冊を超える新刊の中から、生き残らなければならないのが現実

2)売れない本が平置きされる期間は? 1日 1ヶ月

百田「平台に置かれても1日で売れないと撤去です」

3)本の値段はどのように決める? 初版部数の数 作家の知名度

百田「作家の知名度関係ないです。初版をどれだけ刷るかによって本の値段が決まるんです」

「えげつない、もう完全に経済的な存在ですね」

4)定価1500円の本の印税は? 150円 300円

百田「そうですね。平均すると10%」

ナレーション)それではここから、1問ずつ詳しく解説。林君もショックを受ける、小説家として生き残る厳しさを学んでいきましょう

1)1日に発売される新刊の数は200冊

紀伊國屋書店新宿本店での映像

仕入れる本は1日1万冊以上 新刊200冊程度

百田「1日に発売される新刊の数、これは1日200冊です。ですから、年間いま7万点以上出ます。これはちなみに、20年前の3倍なんです」

百田「本が売れないんで、売れないんで出版社は、もうとにかく点数をいっぱい重ねるわけです」

「わかります。なんか流行ってない定食屋のメニューがどんどんどんどん増えていくみたいな感じですよね」

百田「なるほど、うまいたとえ。まさにそのとおり」

百田「つまり1日200冊本が出るということは、書店の棚っていうのは永久に広がっていきませんよね。つまり200冊本をまた返さなあきませんよね。つまり200冊1日に本が死ぬということです」

百田「ところが、200冊のほとんどが実は書店に並ばないんです。これが厳しい」

新刊が書店に並ぶにはハードルがある

百田「まず最初のハードルは、取次というハードルなんです。実は本というのは、非常に特殊な商売で、取次という業者が全国のいろんな書店に本を配本するわけです。でその取次会社は何で儲けているのかといいますと、本を書店に置いて、その書店がその本をがんばって売ったとしたら、そっからはじめて取次にマージンが入るわけです」

取次会社は配本した本が売れるとマージン発生

百田「ですから、本を出版社から書店に持っていって、で売れないからまた返して、この儲けはゼロなんです。そうすると、取次はまったく儲けにならないんで、最初出版社が取次さんに「すんません、この本を出してください」と来た場合、取次はその本を見て、これは売れへんなと思たら、拒否ってなるんです。受け取り拒否。その時点でその本は、もう読者の目に触れることはないんです」

「さっき先生は200冊ずつ死んでくっておっしゃいましたけど、生まれてない本の方が多いってことですね」

百田「そうですね。生まれた瞬間に死ぬというやつですね」

ナレーション)出版社で作られた本は、まず取次会社に運んでもらえるかという関門を突破すると、続いて待っているのは、書店での関門

百田「今度は書店にそれが並ぶ確率なんですが、書店員の仕事ちゅうのは、レジで本を売っているだけじゃなくて、ものすごい大変な仕事は倉庫と棚の入れ替えなんです本の。これがものすごい入れ替えで、書店員の職業病のひとつに腰痛があるぐらいなんです。本を運ぶ。毎日毎日書店の前にトラックが来て山のように新刊、ダンボール箱がどんどんどんどん来るわけです。これを1日に全部入れ替えなあかんのですけど、そんなことはとてもできないんで。そうするとたとえば東野圭吾さんとか、宮部みゆきさんとか、こういうベストセラー作家のやったら入った瞬間にすぐ店に並びます。1秒でも早く並べたら早く売れますんでね。ところが、この本どうかなぁ。あわてて入れることないなあとなったら「後回し」されることがあります。そのまま後回しされたまま、ずっとバックヤードに眠ったまま、1度も棚に並ばないという本もたくさんあります」

伊集院「そのまま返っていくという」

百田「そこでまた、第2の死亡ですよね」

伊集院「自分らの本が、ちゃんと本棚に並んでたら、その時点で感謝しましょうねわれわれ。すごいですね」

ナレーション)何気なく並んでいるように見える書店の本ですが、ここまで多くのハードルを越えてきているんです

伊集院くんの質問:書店はお金を払って本を仕入れるの?

伊集院「だいたいが本屋さんってどういうシステムなのかがちょっと、わからなくて。本屋さんに並んだ本は、今聞く話では仕入れで買ってるわけではないんですね」

百田「じゃないんです。本というのは非常にまた不思議な商品でして、委託販売といいまして、書店は全部出版社から委託されて、置いてくださいと。書店は自分の棚にその委託された商品、本を並べて、それで売れたらはじめてそっから儲けになるんです。で売れなかったらそのまま返すんです。ですから書店は、その形ではリスクゼロということになります」

仕入れにお金は必要ない 売れなければ返却可能

百田「つまりなんぼでも注文できるんです。注文して売れなかったらそのまま返しますから。この返ってくる数がどのぐらいかわかりますか? 何パーセントぐらいか」

「6割ぐらいですか?」

伊集院「そんな戻ってきます? 3割ぐらいで勘弁していただけませんかね」

百田「お二人の中間ぐらいで4割なんです」

書店は仕入れた新刊を4割返却

百田「ですからね、実は書店と出版社っていうのはある意味すごく仲悪いんですよ」

書店と出版社は仲が悪い!?

百田「なんでかて言いますと、書店は新聞とかで広告がドーン出た、あるいはテレビなんかでいまこの本が面白いってやった、そうするとね、あ売れるかもしれないと思てすぐ注文するわけです。100冊入れてくださいと。出版社は全国各地から注文が来るとたくさん刷ります一気にね。一気に刷ってバーッまく。そうすると、1か月ぐらいしてから、思ったほど売れませんでしたからもう全部返しますわってドーンって返ってくるときあるんです。これね、実はベストセラー倒産と言いまして、こういう倒産した出版社ってすごいあるんです」

「なんかいま頭の中で勝手なイメージが浮かんで、戻ってく本が、その本社に向かってくロケットの砲弾みたいに見えました」

ナレーション)ここで少し整理しましょう。書店は、仕入れにお金は必要ありません。となると、出版社だけがリスクを背負うように思えますが、両者のバランスを取っているのが返品率

百田「売れない本を仕入れて、また1か月2か月して本を返すと、結局それが返品率という数字に残るんですね。書店としては、返品率が高いとなってくると、出版社ににらまれるんです。あっこの書店はすぐ返しよると。そうなってきたら、いま伊集院さんの本が売れてるとなって、出版社に注文しても、あっこの本屋はすぐ返しよるから、10冊注文しても1冊だけ送っとけてなもんで、送ってくれないんですよ」

伊集院「そこにある本はよく大人になりましたね。生存競争のなか」

百田「もうなんとか、もうなんとかもう生き延びて。必死」

今やる!課外授業 返本の現場に潜入

紀伊國屋書店新宿本店のもよう

白井恵美子さん「売れない本は、どんどんはじに追いやられていきますね」

ナレーション)追いやられた本の行きつく先が

吉野裕司さんの案内「ここは残念ながらですね、仕入れたんですけど売れなかった、ものたちが、これからまた問屋さんを通って出版社へ返っていく、返品する場所です」

吉野さん「悲しい場所、見送る場所。まあでも、一度返しても、全然僕らが予測していなかったときに、著者がテレビに出たとか、そういうことで再ヒットすることってあるんですよね。そうするとあわてて、あー返品しなきゃよかったと思いながら、もう1回発注して。まそういうこともあるんで、それがひとつの楽しみでもありますけどね」

2)売れない本が平置きされる期間は1日

ナレーション)ポイントを整理すると、書店では棚に差す「棚差し」と、平台に置く「平置き」という2つの並べ方があります。もちろん、表紙がすべて見える平台には、話題の本や新刊が並びますが、この平台に長く置かれることがいかに難しいか、学んでいきましょう

百田「東京都内のね、たとえば銀座とか新宿とか、あの辺土地が高いです。家賃もすごい高いです。そうすると、売れない本なんか置いとけないんですよね、書店としては。ですから、これ売れるかな、1回勝負してみようと思って平台に置いた。でその日1日、朝から晩までとうとうその本が1冊も売れなかった、POSデータでわかりますからねデータ見て。ああ売れなかったか、撤去ってことで、もうすぐ撤去です」

百田「僕平均すると(平置き期間が)どのぐらいか聞いたんですよ、書店員の方に。うーん平均するとまあ、1週間ぐらいですかねぇ」

伊集院「短いなあ」

百田「そうでしょ。本書くのにどれだけ苦労したか。もう何か月も何か月も書いて、いろんな調べ物して、取材は行く、そうしてできあがるまでカバーデザインしてくれたり、いろんなこと苦労して、苦労に苦労を重ねてやっと、平台に並んで、1週間で消えるて。まるでセミですよほんとに」

百田「ほんでね、1週間ていうのは長そうに思いますけど、普通の世間の人ね、みんな忙しいからね、本屋行くなんて1週間に1回ぐらいなんですよ」

「1週間に1回行くかどうかですね」

「その人の目に触れるのは、1回こっきり、チャンス。そのチャンスを逃したら、多くの読者にその本は見てもらえないていうね、厳しい状況なんです」

伊集院「平積みにしてくれる人ってすごいですね」

百田「そうですね。ですからね、書店員の方、この人がね、僕ら作家にとっては、もう命なんですよ」

作家にとって書店員は命

つづく

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