「炎天下の中」と言ってしまう人が、頭が悪く見える理由

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こんにちは。毎日暑いですね。

梅雨も大半の地域で明けて本格的な夏到来の昨今、皆様いかがお過ごしでしょうか。

「炎天下の中」で活動される方は特に、熱中症などにくれぐれもご注意くださいませ。

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今回はこの「炎天下の中」という日本語表現に関してです。

この記事の主張

「炎天下の中」と言ってしまう人は、頭が悪く見えます。理由は次の3点です。

  1. 「炎天下の中」という表現は重言(重ね言葉)です。冗長です。「炎天下」だけで十分です。
  2. 「炎天下の中」と言ってしまう人は、言葉を大事にしない人です。
  3. 言葉を大事にしないまま使うと、頭が悪く見えます。

以下に詳しく説明します。

炎天下の意味

「炎天下」という言葉は、「炎天」と「下」の2つに分解できます。

炎天とは

「炎天」とは、「燃えるように暑い真夏の空。また、その天気」(明鏡国語辞典)という意味です。

下とは

「下」とは、ここでは「~の中」という意味です。辞書的に言えば、「影響の及ぶ範囲」です。「管轄下」「支配下」というときの「下」です。

「炎天下の中」は重言。冗長

意味の重複する言葉を重ねて使うこと、またはそのような言語表現を「重言」といいます。

炎天下の「下」に「~の中」という意味が含まれていますので、「炎天下の中」という表現は重言です。冗長です。

「炎天下」だけで言いたいことは言い表せています。「の中」は必要ありません。無駄です。

しかしすべての重言を排除すべきではない

しかし私は、すべての重言を「無駄だ。やめろ」と主張したいのではありません。

重言の入った冗長な表現というのは、書き手の個性を伝えるという意味で、大事な情報のひとつだからです。無駄は豊かさの表れでもあります。

今回の主題ではありませんが、言葉の誤用の含まれた誤った表現にも同じことが言えるでしょう。書き手の個性を伝える大事な情報のひとつですし、間違いは豊かさの表れでもあります。

ですので、その文章の目的を阻害しない限り、重言は排除しない方がよいし、コントロール可能ならば意識的に入れてもいいと考えてもいます。

言葉を大事にするということ

何か(単語・語句レベルでの)言葉を使おうとするならば、

  • それがどんな意味か
  • どこでどう使うか
  • そもそも自分が使っていいか

を吟味するプロセスを経て発しなければならないと私は考えています。逆から言うなら、そういった吟味のプロセスを経ていなければ、その言葉を発してはいけません。それが言葉を大事にする態度だと思うからです。

「炎天下の中」などと言ってしまう人は、この吟味するプロセスがまったく抜け落ちているか、きわめて浅いレベルでしか行われていないと評価せざるを得ません。先ほど説明したような「炎天下」の意味を理解して使っているようには思えないからです。

でなければ、「炎天下の中」のようなもの言いをして平気でいられるはずがないでしょう。

このような残念な言葉遣いは、元をたどれば、押しなべて使い手がその言葉を吟味しないで使ってしまっていることに端を発するように私には思えます。

言葉を大事にしないまま使うと、頭が悪く見えます。おうおうにして、その人が使うべきでない言葉を使ってしまっていることになるからです。そんな人の発する言説は、そこで自身が使う言葉を自身でコントロールできていないものに見えます。それって頭が悪く見えます。

なぜ「炎天下の中」を目の敵にするのか

大部分の重言を容認する考えを持っているにもかかわらず、なぜ自分が「炎天下の中」を目の敵にするのかを思うに、「炎天下」が難易度がやや高く、かつよくできた漢語表現であることが大きいように思われます。

もう少しかみ砕いて言い直すと、「炎天下」が

  1. 日本語の語彙として、中等レベルであること
  2. 無駄を排した、非常に効率の高い表現であること

の2つが要因にあるのではないか、ということです。

中等レベルの日本語

「炎」という漢字は、現行の常用漢字表(2136字)に含まれていますが、小学校で習う漢字(全1006字)には含まれていません。(参考:別表 学年別漢字配当表|文部科学省サイト)

そして学習指導要領によると、常用漢字に関しての中学校での指導内容は「大体を読むこと」です。(参考:中学校学習指導要領 第2章第1節 国語|文部科学省サイト)

ですから漢字熟語としての「炎天下」は、公的には中学校入学以後に覚える語彙だということです。「対象年齢:12歳以上」なわけです。ちなみに「天」「下」は、ともに小学1年で習う漢字です。

むろん、就学前~小学生の子供が「炎天下」を使ってはいけないというわけではありません。しかし、もしも私が「炎天下」を使う子供(12歳未満)に遭遇したなら、あくまで文脈次第ながらも、第一印象はきっと

「なんだこのこまっしゃくれたガキは」

となるでしょう。それが偽らざるところです。その点で現行の学年別漢字配当表と学習指導要領は、自身の肌感覚にも合っています。

「炎天下」は無駄がなく、効率の高い言葉

たとえば「燃えるように暑い真夏の天気のもとで」みたいに、「炎天下」を使わなくても同じ趣旨を伝えることはできます。

しかし「炎天下」が指す状況を伝えるのに、「炎天下」以上に効率のよい日本語表現を私は知りません。

まとめ:「炎天下の中」は、方向性が支離滅裂

ここまで整理してやっと、私が「炎天下の中」がダメな理由がわかりました。

「炎天下」という中等レベルの、かつ非常に効率の高い日本語をわざわざ選んでいるにもかかわらず、無駄に冗長な表現をしてしまっているからです。めちゃくちゃです。そんな首尾の一貫していない支離滅裂ぶりが、著しく気持ち悪いからです。

ご静聴ありがとうございました。

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コメント

  1. 抹茶 より:

    大賛成です。我が意を得たりです。
    NHKは、すごく好んで「炎天下の中」を使うので、いつも奇異に思っていました。
    特に夏の甲子園などの暑い時のニュースでは、判で押したよう使います。
    今も、NHKニュースで使っていたので、検索して見つけたこのページで愚痴を言うことにしました。
    NHKの使い方は、まるで「前例を踏襲」しているかの如き聞こえ様です。
    とても言葉の意味を吟味しているとは思えません。

    敢えて言えば、
    炎天下、球児達は熱戦を・・・
    よりも
    炎天下の中、球児達は熱戦を・・・
    の方が、リズム的にゴロが良い?のでしょうか?というより、単に慣れているだけかと。

    受信料で、公共の電波使って、勝手に日本語曲げてほしくないと感じ、同じ考えを持つ方がおられることに、とてもホッとしました。
    私のブログでも引用いたします。

    • ヤシロタケツグ より:

      抹茶さま

      ご覧いただき、またコメントいただき、ありがとうございます。
      「炎天下の中」って、なんか言葉に使われている感じがするのですよね。
      一言でまとめると、そうなります。

      【以下、宣伝】
      例に出されていた高校野球の夏の大会ですけど、あれは正気の沙汰でないと思っています。

      夏をあきらめて―夏の全国高校野球大会のあり方を再考する
      にまとめてますので、よろしければそちらもご覧いただけると幸いです。

  2. sen より:

    ”無駄に冗長な”は冗長な表現です

  3. 死ねよ池沼 より:

    てめえも日本語間違えてるくせに偉そうに語ってんじゃねえよ
    死んで償え、カス

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