【メモ】玉子屋の弁当製造・配送システム

テレビ視聴メモです。

テレビで見た表題の件がなんか面白かったので書き留めておきます。

番組情報

日本ツウ学院 新春スペシャル(テレビ朝日系 2014/01/01 23:40-24:40)

(地デジ番組表より)

◇番組内容
大人気予備校教師、林修先生が担任となり、外国人生徒を前に、日本人も知らない日本のスゴイことをレクチャー!
◇出演者
林修
松尾由美子(テレビ朝日アナウンサー)ほか

面白かったのはこのコーナーです。

◇米国の名門大学が注目する大田区のお弁当屋さん

2014-01-06_lunch_img01l

※画像は、玉子屋>商品について より

番組内容+関連情報メモ

番組の内容と収集した関連情報を、授業のノートを取る感覚でメモします。

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出所が示されていたので、財団のWebサイトを確認してみました。

持ち帰り弁当店や惣菜店、テイクアウト主体のファストフードなどの「料理品小売業」(略)の市場規模は、6 兆 4,648 億円

平成24年外食産業規模推計値について(PDF)より

これを読むとややミスリーディングな感があります。

「弁当」周辺も含めた市場ということのようですし、額にしても、この2012年の集計値を番組でも根拠としているのなら「7兆円」は盛りすぎです。
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「スタンフォード大学に招かれ、経営システムの講義で独自のビジネスモデルが大絶賛」

菅原勇一郎社長

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<菅原社長について>

こちらの情報が参考になりました。
【菅原 勇一郎】スタンフォード大学の教授陣が注目する弁当屋を作り上げたスゴい人!|日刊スゴい人(2011年12月7日付)

<スタンフォードに招かれ… について>

探してみると、ケーススタディの概略のみstanford.edu サイトで公開されていました。

Tamago-Ya of Japan: Delivering Lunch Boxes to Your Work(Whang et al., 2007)のアブストラクトを読むと、配達員を発注予測に参画させていることが注目ポイントのようです。
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玉子屋(東京都大田区)

お弁当の売れ残り等、食糧の廃棄率が0.1%
=1日約6万個作るお弁当のうち、売れ残るのは60個。
 →それも社員のまかないに

cf. 食堂やレストラン等の食糧廃棄率は約3%(農林水産省 食品ロス統計より)

/*

平成21年の食品の食べ残し量の割合(飲料類を除く。)は、食堂・レストランでは3.2%、披露宴では13.7%、宴会では10.7%、宿泊施設では14.8%であった。

食品ロス統計調査>確報>2009年度(e-stat.go.jp)>概要2「4 外食産業における食べ残し状況」より
*/

玉子屋の特徴

  • 注文を受けてから配達する仕出しのお弁当屋さん
    ※注文は月~金で1日10個以上(原則)の方を受付
  • メニューは毎日1種類のみ
  • 430円
  • 午前9時~10時に注文(電話またはFAX)
  • 12時までに届く
  • 配達地域は都内15区と神奈川エリア(川崎市および横浜市の一部)
  • 配達エリアを全20班に分かれて配達

※詳細は、玉子屋>ご利用案内 ほか

「廃棄率0.1%」を生み出す秘密

注文数の予測

取材:2013年12月5日(木) 5:30 pm @玉子屋本社

佐々木一樹さん
台東区・中央区の配達を担当する班の班長
佐々木班:全12名・配達数は約3000個/日

ポイント!
  • 現場の配達員がそれぞれの判断で明日注文されるお弁当の数を予測
  • 班長は配達員たちの予測を元にさらにお弁当の数を予測
「金曜日だけど月初だし」の意味

金曜日などの週末は…
気分が高揚する → 外食が増えお弁当の発注が減る

月の初めは…
会議が多く会社にいる人が多い → お弁当の発注が増える

予測にあたり参考にする要素
  • 曜日
  • 日付 {週|月}の{初め|末}
  • 天気
  • 気温
  • メニュー など

配達員達の情報をベースに班長がお弁当の注文数を予測し報告

  • 佐藤班の予測:3422個
  • 全体の予測数:5万6000個
12/6(金)
  • 1:00 am 工場に食材到着
  • 2:00 am 50名で下準備

作り始めた数:5万3000個

和田一利さん(経営戦略室 室長)
「少なめに作って無駄を出さないようにしている」

現場の予測とは別に、発注予測を立てる

1回目(午前2時):5万3000 =最低限発注があるはずの数

2回目(午前4時):追加 2000
天気予報(晴れ・最高気温12.5℃)より、外食が伸びると判断し、追加発注数を抑制

スタッフ230人で製造

7:30 am 配達車への積み込み
 配達車 約180台 300~400個/台
7:45 am 佐々木班・担当エリアへ出発

9:00 am 注文受付開始
 スタッフ90名で受付

コールセンターの一角で和田一利さん(経営戦略室 室長)が発注数を集計

「4-9 449」の意味

=配達エリア番号-配達員番号 受注数

最終予測は集計表に基づき行われる

3回目(午前9時30分):最終発注数の決定 5万6200

工場で最終発注分を製造
 1時間ほどで1200個

    <佐々木班>

  • 準備した数 3362個
  • 実際の注文数 3371個(9個不足)

不足分の受け渡しは「バケツリレー方式」

  1. 遠いエリアから順に不足分を連絡
  2. 隣のエリアから不足分を運ぶ
  3. これを順にくり返して各エリアの不足分を補充
  4. 工場から近いエリアには追加製造分を直接届ける

11:50 am 佐々木班配達完了

2013年12月6日(金)の実績
  • 作られたお弁当 5万6205個
  • 配達したお弁当 5万6205個
  • 余り 0
  • 廃棄率 0%
予測精度を上げるために配達員がしていること
  • お弁当箱の回収時にお客様の意見を聞く
  • 回収した弁当箱の食べ残し状況をチェック

生徒役の外国人の感想

  • 働く(ブラジル)
  • チームワークがすごい(ドイツ)

感想

面白かったのは、班の名称が、配達エリアの名前ではなく班長の名前だったことです。これも秘密があるのかもしれません。

あと、放送されていませんでしたが、事務プロセスがどうなっているかが気になりました。

たとえば、取材VTR中、室長が「4-9」とエリア番号を言うと誰かが「449」と答えていましたが、この配送エリア単位の数を誰がどう集計しているのかだとか。

製造数の決定とロジスティクスのシステムは素晴らしかったですが、一方で事務作業はもっと無駄を減らせる気がしました。実績数の手書き記入はいいとして、予測数との過不足の算出集計に電卓ってどうよ的な。

こちらからは以上です。

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