数える:東京五輪エンブレム「3*3」の組み合わせ

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こんにちは。デザイン芸人の「デザインや」です。

残さず数えることが好きです。

「3*3」を数える

今回は世間の喧騒をしばし忘れて

「3*3」

この世界に浸って数え上げることにします。

数えるのはもちろん、東京オリンピック・パラリンピックの公式エンブレムに関してです。
※以下「五輪エンブレム」と表記します。

20150819-4212dd6381e4

この五輪エンブレムを、3*3の正方形に区切ります。

<イメージ>
┌-┬-┬-┐
|・|・|・|
|-+-+-|
|・|・|・|
|-+-+-|
|・|・|・|
└-┴-┴-┘

区切られた格子内の図形1個ずつを「デザイン要素」とみなし、ばらばらに置き直すとします。

さて、全部で何種類の置き方があるでしょうか?

その配置パターンを数えていきます。

謝辞

当記事におけるエンブレムの画像(描画データ)は、次のページから取得しました。ありがとうございます。

結論:五輪エンブレム「3*3」組み合わせの数

現状の各パーツをそのまま使うとすると、組み合わせの数は、次のとおりです。

(1)色のない世界

  • 向き固定:504通り(=9×8×7)
  • 向き任意:4,032通り

(2)色付きの世界

  • 向き固定:10,080通り(=(1)×20)
  • 向き任意:161,280通り(=(1)×2×20)

(3)パラリンピックとの混合世界

「色なし」の場合

(1)と変化なし。

「色付き」の場合

9つのグリッド全体で、{オリンピック}{パラリンピック}どちらの要素を採用するかの組み合わせは、

2の9乗=512通り なので、

  • 向き固定:5,160,960通り(=(2)×512)
  • 向き任意:82,575,360通り(=(2)×512)

条件しだいでまだまだ増やせる

これらの組み合わせは、

  • 配色パターンの拡張・応用のさせ方
  • 構成要素のラインナップの自由度

しだいで、まだまだ増えます。

素敵です。

はじめに:定義

五輪エンブレムのロゴ部分は、3×3のグリッド(格子)に分けられます。

区切りの線を加えると、こんな感じです。

20150826-grid-4212dd6381e4

グリッド(場所)の番号

便宜上、左上から右へ順に番号を振っておきましょう。

<グリッド番号>

1・2・3
4・5・6
7・8・9

です。電話のプッシュボタンの並び方と同じです。

20150826_iphone-563064_640

「1」~「9」は、この「場所」「位置」の番号です。

この場所に、個々のパーツが置かれる。そんなイメージです。

パーツ(要素)の名前

格子1個単位での「形」に名前を付けておきます。
※まだ「色」は考慮しません

図形のパターンは大別して3種類あります。

  • 正方形(square)
  • 円(circle)
  • 弧(arc)

英単語の頭2文字を取って、正方形は「sq」、円は「ci」と書くことにします。

2015-08-sb 2015-08-ci

左:正方形「sq」 右:円「ci」

弧は全部で4パターンあります。

弧の4パターンを分ける基準は次のとおりです(どちらも同じことを言ってます)。

  • 円弧で区切られた扇形がどの点に向いて凸か
  • 仮想の「円」の一部とすると、2次元平面の第何象限にあるか

この基準で、1~4の番号を振ります。

具体的には、右上の頂点から反時計回りに1,2,3,4です。

五輪エンブレムの要素で言えば、

2015-08-a2

は、「a2」

2015-08-a4

は、「a4」です。

配置パターンを数えたい

<配置パターンの例>

要するに、こういった図形の各要素をばらばらに置き直すパターンが、全部で何種類あるかを数えたいわけです。

数える1:五輪エンブレム要素の配置【無色版】

まずは、いつもそれを通して世界を見ている「色めがね」をいったん取り去って、色のない世界を考えます。

2015-08-18_2025

作成元:www.desmos.com/calculator/avpt8fugxw

ここで問題文を書き換えると、

  • 「9つのグリッドに3種類のパーツを配置するパターンを数える」問題

となります。

たとえば五輪エンブレム(色なし版)は、次の模式図のように、

┌-┬-┬-┐
|a2|・|ci|
|-+-+-|
|・|・|・|
|-+-+-|
|・|・|a4|
└-┴-┴-┘

グリッド番号「1」「3」「9」にパーツが置かれている状態です。

(1)向き固定

パーツは3種類:「円ci」「弧a2」「弧a4」

ci、a2、a4の3つが置かれるグリッド位置(順不同)は

9*8*7= 504通り

(2)向き任意

弧の向きの区別がなくなるので、3つのパーツは2種類となる:

「円ci」と「弧ar」*2

ciの位置×(ar2枚の位置×それぞれの向き)は、

9C1 × { 8C2 × (4×4)}

= 9×{(8×7/2)×16)=9×28×16

4,032通り

※別解

「(1)向き固定」のパターンと比較すると、「a2」「a4」の区別がなくなる。

両者が入れ替わったパターンも同一となり、区別がなくなるから、配置の組み合わせは(1)の半分

504/2=252

その中で、「ar」2枚の向きのパターンが4×4通りとなるので

252×4×4=4,032通り

数える2:五輪エンブレム要素の配置【色つき版】

今度は色を付けます。

2015-08-18_1829

作成元:www.desmos.com/calculator/avpt8fugxw

中央縦1列に、黒い正方形(Square Black)「sb」が3枚加わった格好です。

問題文を書き換えると、

  • 「9つのグリッドに6枚のパーツを配置するパターンを数える」問題

となります。

┌-┬-┬-┐
|a2|sb|ci|
|-+-+-|
|・|sb|・|
|-+-+-|
|・|sb|a4|
└-┴-┴-┘

たとえば五輪エンブレム(色つき版)のパーツ配置は、上の模式図のようになります。

これを言葉で表現すると、

    グリッド番号

  • 「1」に弧2(金)
  • 「3」に円(赤)
  • 「9」に弧4(銀)
  • 「2」「5」「8」に正方形(黒に近い濃灰)

のパーツが置かれている、という状態です。

これらの要素で、何通りの配置ができるかを数えます。

(1)向き固定

3つのパーツでの「色なしパターン」の組み合わせは「504通り」でした。

色がつくと、残りが「白地」だったところに、組み合わせとして《正方形「sb」を3つ配置するパターン》が加わります

残る6つのグリッドに、正方形「sb」を3つ配置するパターンは、6C3=20通りですから、

∴ 504 × 20 = 10,080通り

です。

(2)向き任意

色が付いているので、「弧」も色でパーツが区別されます。

向きとしては、

  • 円ci(赤)は1通り(=回転しても変化なし)
  • 弧a2(金)は4通り
  • 弧a4(銀)も4通り

なので、この3つのパターンは

504(3枚配置:←9*8*7)×4(a2の向き)×4(a4の向き)

=8,064通り、

で(1)と同じく、残る6つのグリッドのうち、3つに正方形「sb」を配置するパターンは、6C3=20通りですから、

8,064 × 20 = 161,280通り

となります。

パラリンピックエンブレムの場合

2015-08-para

比べると、「地の色」と「正方形」の色が反転して違っているだけです。

よって、「色なし」「色あり」とも五輪エンブレムとまったく同じです。

数える3:オリンピック・パラリンピックの混合パターン

くり返しますと、五輪・パラリンの両エンブレムの違いは、「地の色」と「正方形」の色彩が、白(#FFFFFF)黒(#373737)反転しているだけです。

色なしの場合

色彩を取り除くと五輪エンブレムと区別がありませんので、「数える1」で求めた

  • 向き固定:504通り
  • 向き任意:4,032通り

から変化なしです。

色付きの場合

どっちが表裏でもいいのですが、

ミックスパターンは「2の9乗」通り

グリッド1枚分のカードの表裏に「オリンピック要素」「パラリンピック要素」が描いてあるカードを想定してみます。

たとえば「正方形」パーツについて

  2015-08-sw

表:黒正方形「sb」 このカードの 裏:白正方形「sw」
という具合です。

表裏をビット列表現してみる

ここで、表裏をビット列で表すことにして、

「五輪エンブレム」を

000
000
000

と表した場合、

「パラリンピックエンブレム」は、(地の色と正方形とを)反転させた

111
111
111

となります。

たとえば、下の表裏の状態をビット列で表現するならば

000
000
001

です。

こういう具合に、順に「表裏」を展開させてゆくと、「エンブレム」パターンだけでも、9つのグリッド全体で{オリンピック}{パラリンピック}どちらの要素を採用するかの組み合わせは、

9桁のビット列=2の9乗=512通り

存在します。

要素個々のグリッド配置パターンごとに、表裏の組み合わせが加わるので、組み合わせの数は(2)の結果を512倍して、

  • 向き固定:5,160,960通り(= 10,080 × 512)
  • 向き任意:82,575,360通り(= 161,280 × 512)

となります。

まとめ:素敵な「数理的バリアフリー」

既存のデザイン要素の「手持ちのカード」だけでも、最大で8000万通り以上の配置パターンを作れることがわかりました。

この五輪エンブレムの世界では、概念上「オリンピック」「パラリンピック」の要素が相互に交換可能であり、両者がまったく対等となっています。

数理上とはいえ、完全バリアフリーです。

そこが素敵です。

おわり

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