やたら詳しいアメリカ人による「すきやばし次郎」情報

こんにちは、すきやばしヤシロです。

この記事はすきやばしヤシロによる英語の勉強記録を主眼としています。単一ソースを元にした記載でもあり、内容の真正性は保証の限りではありません。

なお固有名詞を除き、「すし」の漢字表記は当て字の「寿司」を使います。

スポンサーリンク
Google AdSense

1.はじめに

前置きとして、「やたら詳しいアメリカ人」にたどり着くまでを記します。

寿司インテリジェンス

こちらを読みました。

フォーリン・アフェアーズ・リポート』に載っていてもおかしくない、インテリジェンスあふれる良記事でした。

二郎は鮨の夢を見る

この記事で、アメリカ人が監督した『二郎は鮨の夢を見る』(2011)という映画があることを知りました。

元はこちら。

オバマもスシの夢を見た?

このタイトルとObamaで検索して見つけたのが、こちらです。

2014-05-03_0948

アメリカの公共放送NPR(National Public Radio)の1コーナーのようです。「Listen to the Story」のリンクから音声も聞けました。

ヘッドラインを日本語にすると、

  • オバマ「スシ外交」で二郎の”夢”の寿司を堪能

とでもなるでしょうか。In Name Of Diplomacyに「お前それ、外交の名を借りてあのすきやばし次郎の寿司食いたいだけちゃうんか」といった皮肉のニュアンスがあるかは、よくわかりません。

造語みたいですが、このページにはgastrodiplomacy(胃袋外交)というタグが付いていました。

「すきやばし次郎」にやたら詳しいアメリカ人登場

ここに、「Jiro Dreams Of Sushi」を監督したDavid Gelb(デヴィッド・ゲルブ)さんがゲスト出演され、いくつかコメントしていました。ちょうど、ラジオ版の「クローズアップ現代」 みたいな作りです。 

このゲルブさんが、映画を撮っただけあって、すきやばし次郎にやたら詳しいのです。

2.アメリカ人による「すきやばし次郎」情報

以下、Obama Gets A Taste Of Jiro’s ‘Dream’ Sushi In Name Of Diplomacyから知ったいろいろを切り貼りしてダイジェストします。

()内の英文は、リンク先のテキストから取ったものです。

「すきやばし次郎」店舗:ハード面

  • 東京の、地下鉄の駅とつながったオフィスビルの地下にある(it is on the basement of an office building in Tokyo connected to a subway station)※音声ファイルから
  • カウンターのみ10席(with just 10 seats at the counter)

ソフト面

  • 店内は静かで、BGMの類は一切なし。水の流れる音だけがする(The restaurant is very quiet)(There’s no music or anything.)(There’s just the sound of the fountain)
  • メニューは「おまかせ」1種類(offers only one item on its menu — the omakase course)
  • 会計は1人300~400ドルといったところ(, which can cost between $300 and $400 per person.)
  • 1人前20貫(It consists of 20 pieces of sushi)
    ※1ピース=1貫としました。「貫」の単位については別途考察したいテーマです。
  • まとめて出てくる(, prepared and served one at a time.)
    ※読み方にやや自信がないですが、そう解しました。

出される寿司

クラシックな江戸前(kind of the classic Tokyo style)

  • 前菜、巻き物の類は一切なし(There are no appetizers, no rolls of any kind,)
  • 使うのは、魚介、シャリ、調味料のみ(basically just fish and rice and seasoning)
  • 調味料は、だいたい醤油か煮切り(maybe a soy sauce or a nikiri, which is a kind of sweetened soy sauce.)

小野二郎の「仕事の流儀」

オバマの食べた寿司は、89歳の「寿司マスター」小野二郎の丹念な仕事(The sushi Obama had was carefully crafted by 89-year-old sushi master Jiro Ono.)

  • 毎日1時間かけて蛸をもむ。または、弟子にさせる(Every day, for instance, he massages the octopus he’s planning to serve for an hour.)(or has his apprentices massage it,)
    ※この仕込み作業も、英語ではマッサージなんですね。

評価

東京にある小さな寿司の殿堂(a revered and tiny temple of sushi in Tokyo)

ガチのジャパニーズ寿司食うならマジおすすめ(For someone who has a taste for true, pure Japanese sushi, I mean it’s a place you kind of have to go to.)

  • メニューが「おまかせ」だけなのは、店で出せるその日最高の寿司をいただくところだから(”The Jiro that I know would not change his sushi for anyone,” Gelb says, adding that “he just gives you what he feels is the best of the day.”)
  • たとえ国の大統領であっても「裏メニュー頼もう」とか愚の骨頂(don’t even think about ordering off the menu — even if you are the president of the United States.)
  • 小野にとって、寿司はジョブではなくアート(to Ono, making sushi is more than just a job; it’s an art form,)

3.感想―垣間見える、アメリカ人の地下観・仕事観

いくつか感想を書きます。

地下観

書きっぷり・語りっぷりに「地下なのにうまい」というニュアンスを感じ、basementを辞書で引いてみました。

米国ではボイラー室や物置きにし、cellarともいう(ジーニアス英和大辞典)

Slang: The last place or lowest level, as in competitive standings.(American Heritage
(スラング:競争ランキングでの最下位、または最低レベル)

ここから雑にまとめると、アメリカ人にとって地下は物置きという感覚なので、レストランが地下にあると聞くと「地下て」と思うようです。

仕事ではなくアート?

監督ゲルブさんが「すきやばし次郎」と小野二郎さんについて述べる言葉などから垣間見える、アメリカの「仕事」観が興味深いです。

まず

“His philosophy of work, where it’s about finding a routine and mastering that craft, it applies to any kind of art,”

という言葉です。そのあたりって仕事(work)でなくアートの領域になるんですね。

長年にわたりその努力を続けてきたこと、対外的にも多くの人から高い評価を得ていることは称賛に値しますが、自分の感覚では仕事で自己の為しうる最高を追求することはきわめて普通の態度なので、アート扱いすることを新鮮に感じました。

極論を述べると、そうでない仕事など、しない方がましです。

ガチだった「Jiro Dreams Of Sushi」

映画「Jiro Dreams Of Sushi」についてもひとつわかりました。「二郎は鮨の夢を見る」というこのタイトル、比喩かと思っていたら、ガチでした。

音声ファイルのなかで、映画から、小野二郎さんのこんな語りが紹介されていました。

こうやったらいいんだなあって夢でしょうね。(夜中に)飛び起きるときあるもん

2014-05-03_42-19208522-acda96ee0cafcfbc9d89a0501b5d941009c9d3cf-s40

Everett Kennedy Brown/EPA/Corbis ※画像はnpr.orgより

アメリカ人は仕事の夢を見るか? (Do Americans dream of electric jobs?)

小野二郎さんが語ったこの言葉の紹介のしかたがまた、興味深かったです。 こんな具合です。

Jiro in your movie was talking about his obsession with sushi.

スシの夢を見るのは「obsession」なんです。obsessionは、堅く訳すと「強迫」になるでしょうか。何かに取り憑かれている状態、しじゅう頭から離れない状態をいいます。

ゲルブさんにとっては映画のタイトルにするほど印象に残った話、ということなんでしょうけれども、でも、アメリカ人って仕事の夢見ないの?  自分がしている仕事の夢を見るのって、普通の話だと思うんだけど、違うの?

電気羊の夢と一緒に解明してみたいところです。