林修さんの文章添削授業をテキストにしました(2)(プレバト!!2013年8月29日OA)

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こんばんは。林修ナイトの時間です。

8月29日放送の「プレバト!!」に林修さんが出演され、出演芸能人が50字以内で書いた自己PR文を添削されていました。(1)のつづきです。

【出演者】
【コミッショナー】
浜田雅功
【アシスタント】
枡田絵理奈(TBSアナウンサー)
【ナレーター】
銀河万丈

【出演】(50音順)
入山杏奈(AKB48)
おおたわ史絵
唐橋ユミ
品川祐(品川庄司)
杉村太蔵
高橋茂雄(サバンナ)
高畑淳子
中村昌也
美奈子
山村紅葉
和田アキ子
渡辺徹

芸能人自己PRランキング(つづき)

林先生の文章テクニック(5)
自己PR文では(客観的評価)を使って自分の評価をあげる

浜田「ちょっと、まだ残ってる人、手あげてください」

入山、おおたわ、唐橋、高畑、中村の5人

「本当にダメなのは、ダメって言っちゃいましたけど、あの」

「僕の中では、あのぅ下3つ(10位以下)で切れてる」

浜田「じゃあ、3位見てみましょうか。3位はこの方」

3位 おおたわ史絵 80点

職業は医師、
林先生の奥様と同じですね。
有難い事に
「女性が選ぶ信頼できる
女性コメンテーター」
1位です。
(50字)

「これ前半まったくいらない情報」

職業は医師、
林先生の奥様と同じですね。

おおたわ「そんなことない。すごい大事なのに」

「こんなもんまったくいらない。これがあったから順位下げてます」

おおたわ「え奥さんと不仲なんですか?」

「いやそうじゃないです」

「ただこれは高度なテクニックなんですよ。「女性が選ぶ」、自分でアピールしないで、他人を使って自分の評価を高めたっていう。これはもうテクニシャンですね」

「自分で私はすごいんですよと言うのではなく、別に自分で言っているわけじゃないんですけれども世間のこういうのを見たら、あ、1位なんですよとどっちが効きます?」

おおたわ「事実をね、述べただけなんで」

「でまたああいう言い方しますよね」

「だからこれ前半がもし、もっとよければ、ほんとに1位を十分狙えた」

林先生 添削文

医師のキャリアに
支えられた
確かな発言により、
「女性が選ぶ信頼できる
女性コメンテーター」
1位を獲得!
(49字)

「これWhy を入れて、なぜを入れてですね、ああいう発言力があるからという理由づけをしておいて、ここはもうそのまま残したと」

/*
僕は出典マニアなので、気になって出典を探してみました。

それらしいデータとしては、サンケイリビング新聞社「主婦が好きなコメンテーター」がありました。

この「信頼できるコメンテーター」部門で、おおたわさんは、1位尾木直樹さん、2位北野大さんに次ぐ第3位となっています。

「好きなコメンテーター」「話を聴いてみたいコメンテーター」では、いずれも第4位です。

リビング新聞のWEBサイト「Living.jp」でのWEBアンケート調査から。2012年09月13日~18日実施、全国の既婚女性288人回答。リビングくらしHOW研究所調べ

言ってみればまあ、人気投票の類ですね。

このデータが根拠なのであれば、おおたわさんは嘘は言ってませんが、盛りすぎの気もします。
*/

浜田「これもうだから1位残して、最下位も残して、10位11位を見ましょうよ」

ナレーション)芸能人なのに本当にダメな自己PRを書いた10位と11位は

浜田「10位、11位、この方々」

10位 入山杏奈 35点

11位 唐橋ユミ 30点

唐橋ユミの自己PR文

私は一見地味です。
その代わり
味があると言われます。
出会いが大好きですが
たまに会津訛りが
出てしまいます
(50字)

浜田「何を言うてんねんな」

品川「結婚相談所ですよ。なに勝手に婚活やってくれてるんですか」

「前半ですね、一見なんとかです、しかしという言い方は自分の言いたいことをアピールするのに、実はけっこう有効なんですが、50字でこれを使ってしまうと、字数がもったいないですね。ですからここはもう、マイナスの要素を入れないで、これができるこれができると、バーンと出しておいて」

ナレーション)実はこれ、林先生が予備校の授業でもよく教えるテクニック

林先生の文章テクニック(6)
前半に否定的な内容を書き
それを打ち消して
後半をより強調

ナレーション)そして同じような用法が、この文章にはもう1つ。「ですが」という接続詞を使うことで、その後の文を強調しようとしているが

「後半完全に壊れてますよね。出会いが大好きだけど訛りが出るっていう、どうしてそういう論理関係になるんですか」

「でもこれを見ると結局一押しは会津訛りなのかなっていうふうに、伝わりますけどそれでよろしいんですか?」

唐橋「ちょっと地味でしたね全体が」

「うーんまあ、自分で地味ですって」

「それと出会いが大好きだっていうことをまず入れるかどうかも、必要だったどうかも、ええ」

唐橋「なんかこう、インタビューのお仕事が大好きだよっていうような感じ」

品川「まったく伝わらないですね」

入山杏奈の自己PR文

私は現役の高校生です。
AKB48の活動と学業を
両立することは
大変ですが、
日々楽しみながら
頑張っています
(51字) ※「48」を1字としてのカウント?

「まあ、どこが悪いってことはないんですよ。ただまあ普通の高校生の決意表明とあんま変わらないですよね。私がんばりますっていう高校生、僕も普段よく見てるんで、やはりここは芸能界で活躍されている方、もう1つ上のものを期待していたんで、まあ、普通だなあと」

高橋「いちばんつらいやつや」

浜田「でも現役の女子高生いうのは、これはポイントですよね」

「そうですね。やっぱり現役の女子高生っていうところ、まそうね現役の高校生よりも女子高生って書いてほしかったですね。なんかこうオヤジはそそられますねその方が」

和田「先生何をそそられんの?」

「あの、けっこう言葉に敏感に反応する方なんで」

「際だったものがないっていう、ことですね」

入山「私、お笑い芸人さんとかいるので笑い取れないから1位獲ろうと思って来たんですけど、何が起きちゃったんですかね」

品川「ただね、俺たちも、笑い取ってないんだ」

高橋「その役割、担わなくてごめんね」

浜田「さあ、1位と最下位、同時にオープンしてみましょう。オープン!」

1位 高畑淳子 90点

最下位 中村昌也 25点

高畑淳子の自己PR文

経験豊かな人生に
支えられた演技力。
驚く程無防備に
身を晒す潔さが
主婦層の強い支持を
得ている元気女優
(48字)

「もうどこも直すとこないです。まず、世間の皆さんが高畑さんに抱いてらっしゃるその演技力と元気という要素がちゃんと入ってます。しかも、あの真ん中のですね「驚く程無防備に身を晒す潔さ」、こういうのがあるから支持を得られるんだという、ちゃんと理由、Why もはっきりしてます。もう50文字を余すところなく使い切りましたね」

ナレーション)50文字の中でアピールする要素は2つに絞り、さらにそれを強調する理由もしっかり入れた高畑淳子。ほかの芸能人が直された部分が、すべて完璧にできていた自己PR

「もうこうやって1位はもう、あっさり決まりました。もう簡単に。それと同じぐらい最下位もあっさり決まりました」

中村昌也の自己PR文

初めまして、
中村昌也と申します。
身長は192cmあり、
特技は
バスケットボールです
何卒、お願いします。
(50字)

浜田「お前アホやろ。なんなんこれ」

中村「いやもう絶対、まずあいさつが基本やと思うんで、名乗って。で僕3つぐらい書いたんですよ。身長の話と、バスケットの話と、役者の話。でいいとこだけ取ったんですけど、50文字やったんで役者入らなかったんです」

高橋「役者入れんかい」

浜田「お前それ入れなあかんやろ」

「これ、合コンのあいさつですよね。まあだいたい(身長)見ればわかりますし、あいさつ確かに大事ですけれども、こういうふうに限られた字数の中で、これをやっていたら、自分のアピールが(入らない)」

初めまして、

何卒、お願いします。

「皆さんお気づきでしょうけど、先ほど高畑さんの文章に比べれば密度異常に薄いですね、低いですね。中身が薄くて、ポイントが、肝心な今おっしゃってた役者の部分がない。これはちょっと評価しろと言われても」

中村「でも先生僕も書いてて、思ったんですけど、皆さんやっぱこう、ね、代表作とか、芸能活動で、いろんなこう結果残されてるじゃないですか。僕振り返ってみたら、あれまだなんも残してないなと思って。自分のこう名刺になるものがなかったんですあんまり」

浜田「今のお前のことで、わかってほしいこと書けばよかったんちゃうの。クローゼット開けるのが怖いです」

和田「そんなんありか。ずーっとどうしてええかわかれへんかった」

まとめ:林修さんの文章テクニック

再掲してリストにしておきます。

  1. 50文字の短い文章では同じ情報はいらない
  2. 上手な文章を作るには5W1Hをはっきりさせる
  3. 文章の最初にはインパクトをつける
  4. 50文字の短い文章では詰め込みすぎない
  5. 自己PR文では客観的評価を使って自分の評価をあげる
  6. 前半に否定的な内容を書きそれを打ち消して後半をより強調

感想

この企画は、現代文の記述式問題の解答テクニックを応用させたものです。

雑に言ってしまえば、番組で林さんが言っていたのは、すべて左脳で書く書き方です。

ロジカルに筋道をつけて文章を組み立てる。たしかに、左脳で読む入試の採点者が読み手であればそれでいいと思います。

一方で世の中には、そのような解答テクニックを超越した、心を動かす、右脳にびんびん感じるような文章もあります。たとえば、野口英世へ宛てた母シカの手紙がそうです。(参考:「野口英世 母の手紙」(朝日新聞デジタル・福島版)|常設展示(野口英世記念館))

そしてそのような文章の書き方は、右脳はほんとダメ(8/8 日経プラス10)と自己評価している林さんの担当外です。

各出演者の自己PR文のどこがよくないか、どう直せばいいかの説明には説得力を感じたわりに、いざ添削した文例を出しても出演者ならびにスタジオ全体にそれほど深くは共感されていなかったふうなのは、そのへんなのかなあと。

いずれにしても、恐らくは自分発信であろう企画が通るようになり、かつ起用してもらえているのは、林さんにとって慶賀すべきことだとは思います。

もうひとつの楽しみ方

最後にもうひとつ、この番組の別の楽しみ方を提示しておきます。

こちらのWeb記事

をあわせて読んでおくと、番組内の出演者らで交わされていたやり取りが、まさしく虚実皮膜の論そのままに、また違って聞こえます。

2倍楽しいです。

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