シン・ゴジラ「震災語り」勢すらスルーの、都庁防災センター「46」の話

こんにちは。タイトルのとおり「46」のお話です。

この記事では、映画「シン・ゴジラ」の東京都庁のシーンに出てくる「46」の救済を試みます。「都庁46」が蔑ろにされている現状があまりに気の毒で、黙っていられなくなりました。

この記事で言いたいこと

ネット世間には、「シン・ゴジラ」を先の東日本大震災の地震・津波・原発事故になぞらえて語る人が少なからずいます。お気持ちはわかりますが、苦手です。

詳しくはこちらで → 「震災=3.11」の人が苦手(2016/10/16)

ところが、そんな「震災語り」勢にすらまったくと言っていいほど語られていないのが、東京都庁の「46」です。大きな評判を呼んでいる映画の一隅を飾る数字であるにもかかわらず、震災語り勢にすらガン無視されている「都庁46」が、私は不憫で気の毒でなりません。都庁の出番自体が少ないにもかかわらず、そこで2度も出てくるというのに。

なのでこの記事で拾うことにしました。

きっと、震災のアレを引き継いでいるんだと思います。

都庁の「46」、震災のアレ継承説

私の記憶が確かならば、劇中、東京都庁の防災センターが登場するシーンは、全部で3回あります。

時系列順に概要とその時刻を述べますと、次のとおりです。ぜんぶ壁面のデジタル時計に表示されていました。

  • 小塚都知事、蒲田くん(通称)上陸の報告を受け「マニュアルが機能していない」云々言いつつセンター入り
    → 11/3(木)12:27
  • 小塚知事、自衛隊に治安出動の要請を決断
    → 11/3(木)12:46
  • 米軍の爆撃予定エリアが通知される。「ムチャクチャだ。ゴジラより大変じゃないか」のくだり
    → 11/7(月)17:46

それで思ったんですけど、2つの「46」って、ひょっとして東日本(2011)と阪神淡路(1995)両震災の発生「分」に合わせてるんじゃないのかな?

両者の地震発生時刻がそれぞれ、

  • 東日本 (2011) 3/11(金)14:46
  • 阪神淡路(1995) 1/17(火)05:46

だから。

と、そろそろオレ震災語り警報が限界レベルに達するので、ここまで。

ちなみに、シン・ゴジラ劇中での都庁防災センターは、

  • 一度目は、警察・消防→自衛隊
  • 二度目は、自衛隊→米軍

と、巨大不明生物と対峙する組織主体をエスカレートさせてゆくポイントで登場していました。それが防災センター、組織体名称で言えば「東京都災害対策本部」の作劇上の役割でした。

だいたいそういう話です。あとはめいめいお好きにどうぞ。

出典情報

先ほど掲載したキャプチャ画像は、2番目にあたる「12:46」のカットでした。<東京都災害対策本部、巨大不明生物「蒲田くん」による大田区蒲田一帯の被災状況を確認する>の図であります。

YouTubeの予告動画で参照できます。0:25~0:26あたりですので、適宜確認してください。
『シン・ゴジラ』予告2|東宝MOVIEチャンネル(2016/07/18付)

画像は、シン・ゴジラの行動ルートに関する考察3(疑問と訂正と新たな場所特定)|音楽と城と時々アニメ(2016/08/19付) のものを転載しました。ありがとうございます。

アラカルト・東京都庁46

以下、「都庁46」に関する説の長い裏づけです。そこらがどうでもいい人には無用の情報です。

まず本パートの要約として、見出し項目を挙げておきます。

  1. 都の防災センターは本物
  2. 時刻はきっと合成
  3. ありうる別解

この順番で、同じく当たり前のようにネタバレ入りで語ります。以後もそのつもりで。

1.都の防災センターは本物

シン・ゴジラに登場する都の防災センターは、実際の東京都庁舎内にある本物の施設です。既に「トーキョー」対「ゴジラ」がここで具現化されていたわけですね。

比較してみましょう。先に「ゴジラ」の側から。前掲のキャプチャ画像を再掲します。

一方こちらは、今年(2016年)9月に行われた「東京都・葛飾区・墨田区合同総合防災訓練(本部審議訓練)」の模様。

20161021_01_01_u

部屋同じですね。見比べていると、ゴジラの側が「プロのアングル」に見えてくる不思議。

訓練では、首都直下地震を想定して災害対策本部会議を開き、都庁内に設置した対策本部と葛飾区、墨田区とをテレビ会議でつなぎ、都と区で情報共有を図るなど災害時の初動対応について確認しました。

出典:同上|東京都(2016/09/01付)

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「命令があれば市街地でも徹底的にやります」

冗談はさておき、もう一丁いっときます。

こちらは一昨年(2014年)9月の「平成26年度東京都災害対策本部審議訓練」から。

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これも同じですね。

東京都23区を震源とする首都直下地震が早朝に発生したことを想定し、都庁の防災センターにおいて災害対策本部会議を開催しました。
 知事は、警視庁、東京消防庁、陸上自衛隊、関係各局等から被害状況や対応状況などの報告を受け、対応を指示しました。

出典:同上|東京都(2014/09/06付)

20161021_140901_01_chiji_saigai_01

「第三者の厳しい目で精査します」

冗談はさておき、厳しい第三者(笑)の目で精査しての結論は「同じ施設」です。

補強材料として、Twitterにエキストラを自称する方の「証言」も2、3ありました。代表でこちらを。

安定のうかつ発信乙

こいつは思った以上に想定外だったようで、うかつでテキトーでいいかげんな「シン・ゴジラ」語りの代表格として(私に)もっぱら評判の高いシリーズ企画も、想定どおりにやらかしていたようです。

映画にも登場する都の防災センターは、東京都庁第一本庁舎に実際に存在する。セットは非常にリアルに作られている。

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妄想:ゴジラが来たら東京都はこう動く(前編)p.2(高瀬文人)|日経ビジネスONLINE 「シンゴジラ、私はこう読む」(2016/09/26付)

上で見たとおり、セットじゃありません。本物です。結果的にそこも妄想でした。残念。

本物だよとTwitterで指摘されていました。

防災の心得と同じく、油断は禁物ってことですかね。

「本物の施設を借りた、非常にリアルに作られているセット」みたいに言い張るなら、それでもいいです。

2.時刻は合成

次の各証言から、画面に写っている時刻情報はすべて意図があって合成ないし撮影されたものと推測できます。

まずこちら。下線は引用者によるものです。

「最初のゴジラ上陸から逃げていくシーンまで、全ての時間設定が決まっている。何時に上陸し、何時に会議が行われ、何時にニュースが発表され、何時にヘリコプターが出ていくのか。その全てが設定され、それに合わせて合成部が時計を作る。『戦後初の防衛出動命令が下されました』という場面では、『昼のニュースでも時刻のスーパーは出るよね?』という確認が庵野さんからあり、13時何分かの時間でスーパーを入れた。ジャーナリストとの密会をしているシーンでも、時計の時刻を合わせている」(佐藤[敦紀]さん)

出典:「シン・ゴジラ」編集の舞台裏 カメラはバラバラ、画調も合わず……庵野総監督「それでいい」(太田智美)|ITmediaニュース(2016/09/05付)

実際そのとおりだったようです。

3.ありうる別解

それでもまあ、ここで述べたような「都庁46」の説が、震災語りにアレルギーを持つおっさんの捏ね上げたまったくの妄執、単なる思い込みである可能性も捨てきれません。

というのも、東京発の2つの「46」には、こんな解もまた残されているからです。

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以上、乃木坂46ストア|amazon.co.jp より


以上、amazon.co.jpより

名づけて「シン・ゴジラの都庁、隠れ乃木坂&欅坂推し説」であります。

ゴジラとどう結びつくのか知らんけど、どっちも「巨大不明生物」ってことにしときます。

まとめ

以上、「都庁46」に関する諸説でした。

震災語り嫌いの私も、「震災46継承説」の方が「隠れ乃木坂&欅坂推し説」より可能性は高いと思っています。

震災語りをやめろとは言いません。よしんば言われても、震災語りの側に聞き入れる義務もありません。

ただ、私はその賭けにレイズしません。ドロップです。

という話です。加えて、震災語りやるんならもっと徹底的にやれよとも思います。陳腐でクソつまらない震災語りは、ある意味で震災以上の災厄です。

私は好きにした、君らも好きにしろ

という話です。どうぞよろしく。

おわり

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