【検証】森喜朗さんと国歌「独唱」

こんにちは。君が代は裏声で歌うタイプです。

ヒマなデザイン芸人が、森喜朗さんは国歌「独唱」を知っていたか? を確かめてみました。

結論

森喜朗さんは「独唱」を知ってたはずですよ。

というのも、1999年(平成11年)11月に森さんが議員連盟会長として出席した祝賀式典で、国歌の「独唱」と「斉唱」を続けてやってましたから。

藍川由美さんが国歌「君が代」を独唱、続いて全員で斉唱。

という式次第でした。オンラインでその様子も視聴できます。

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※画像は、天皇陛下御即位十年をお祝いする国民祭典|houshuku.org より

だから思うんだけど、森さんが「JOCの皆さん」へ向けて「どうしてみんな揃って、国歌を歌わないんでしょうか」って言ったその真意は

  • なんで「独唱」で終わるんだよ。「斉唱」もやれよ!

ってことなんじゃないの?

それでも当ブログでの結論は「よくわからない」としておき、半信半疑を楽しむ余地を残しておくことにします。

森喜朗「君が代」発言の楽しみ方

というわけで、本件は

  • 森元の爺さん、「独唱」忘れるほどモーロクしたか?

とも、

  • 「独唱」を承知で、今回半ば意図的に「斉唱」の持論へ話題を向けたのでは?
  • 「独唱」のあと「斉唱」もやれよと、JOCへダメ出ししたのでは?

とも、いずれの見立ても可能です。

他にも愉快な説があったら教えてください。めいめいが好きなように楽しめればハッピーだと思います。

森喜朗さん、また話題に

先に進みすぎました。話を戻します。

美しく燃える森(2011)
GYPSY VAGABONZ
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あの森喜朗さんがまた絶妙なゾーンで話題を提供していました。

記事での森さんの肩書きは「2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会会長」でした。

高学歴トリック入りの記事

「腐っても朝日」とはよく言ったもので(←誰も言ってない)、この記事には高学歴なトリックが仕掛けられていました。最低限の検証材料が用意されていたためです。

ページ内には当該の発言を収めた動画がありましたし、記事本文を読み進めると、文末に

場内ではみんなで声を合わせて歌う「斉唱」ではなく「国歌独唱」とアナウンスされ、ステージ上のモニターにも「国歌独唱」と表示されていた。

との「オチ」も待っていました。

半ば見出しの片言だけを目に入れ、ものを考えずにSNSその他で反応しあうバカの存在を前提とした、朝日新聞の小憎らしい演出でした。

森喜朗さんの「斉唱」発言(2016/07/03@代々木第一体育館)

検証用の素材として、動画に収録されていた発言を書き起こしてテキスト化しておきます。

なるべく忠実に記したつもりです。

写真:角野貴之撮影


(森喜朗会長)

「先ほど、国歌の斉唱を、自衛隊の演奏と自衛隊のお姉さんがやってくれました。JOCの皆さんにお願いをしたい。どうしてみんな揃って、国歌を歌わないんでしょうか。」

「サッカーで、なでしこが優勝したときに、澤さんはじめのイレブンが、涙をいっぱい流しながら、君が代を歌っていた。昨年のワールドカップラグビーでは、五郎丸君たちがみんな、涙を流して君が代を歌ってた。その姿が、日本の国民に、テレビの映像で映って、みんな感動したんです。」

「どうぞこの選手の皆さん、そして選手の皆さんにお願いしたいのは、口をもぐもぐしてるだけではなくて、声を大きく開けて、表彰台に立ったら、国歌を歌ってください。」

「皆さんが大きな声で国歌を歌うことを、日本の国民がみんなテレビを通じて見ています。国歌を歌えないような選手は日本の代表ではない。私はそう申し上げたい。」

盛大な「仕掛け」

あいにく当日の式次第など、伏線から発言および「オチ」へと至る文脈に関する情報は、他にソースが見つからず入手できておりません。

それでもテキストに起こしてみると、あらためてよくわかりました。森さんの発言そのものにも、「餌」と「釣り針」がおおっぴらに仕掛けられています。それが意図的な仕業かどうかは、知らんけど。


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でもって、こんなものをネットの漁場に仕掛けられた日には、「釣果」は約束されたようなものなのです。

さかのぼり・森喜朗さんと国歌「独唱」

君が代行進曲
宮間利之とニュー・ハード
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森喜朗さんは「独唱」を知っていたか? を確かめてみました。

「森喜朗 独唱」で検索し、得るものがあった情報を記録しておきます。

過去に次のような「独唱」との接点があったため、森さん実は「独唱」わかってたのでは?説に私自身は傾いております。

時系列の逆順に3つ並べます。

2007年:『百人斬り裁判から南京へ』出版を祝う会

1つめです。

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元内閣総理大臣 森喜朗先生。
発起人代表のご挨拶を頂きました。

出典:平成19年6月の活動報告|INADA Tomomi Official Homepage

「独唱」との接点は、左側画像のキャプションです。

早稲田大学グリークラブ出身で同じ新人議員の高鳥修一先生。 国民儀礼国歌独唱をして頂きました。

2006年:創立60周年記念大会・祝賀会

2つめです。やや弱いけど。

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また、六時から開会された記念祝賀会には(略)約六〇〇名が出席し、(略)森 喜朗元内閣総理大臣及び全私学代表の白井克彦早稲田大学総長の来賓祝辞が述べられ、(略)出席者たちは私学振興の新たな決意を確認した。

出典:教育学術オンライン 平成18年12月 第2255号(12月6日)|日本私立大学協会

「独唱」のくだりはこちら。

次に、国歌斉唱が行われ、小林一男国立音楽大学教授が独唱し、出席者たちも唱和した。

「独唱+唱和」形式での「斉唱」でした。

ただしこちらは祝賀会に先立って開かれた「記念式典」での話です。森さんが出席していたかは定かでありません。

1999年:天皇陛下御即位十年をお祝いする国民祭典

3つめです。けっこう有力だと思います。

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1999年11月12日に開かれた「天皇陛下御即位十年をお祝いする国民祭典」に、森さんは奉祝議員連盟の会長として出席しています。

祭典では、万歳三唱の主唱を務めていました。

出典:天皇陛下御即位十年をお祝いする国民祭典|houshuku.org より 以下この項同じ

首相に就任する前年のことで、当時森さんは自民党の幹事長でした。

で、国歌のくだりはこういう段取り。

藍川由美さんが国歌「君が代」を独唱、続いて全員で斉唱。

要は、独唱と斉唱の合計2回《君が代》をやったってことです。

リンク先のページに動画があったので確認しました。当日の会場でどうアナウンスしていたかわかりませんが、進行はテキストのとおりでした。

はじめに藍川由美さんの「独唱」があり

(再掲)

続けて、出席者による「斉唱」でした。

そして動画チェックしていて、びっくり!

SPEED(合法)!

《君が代》斉唱のシーンにあの4人組が登場してびっくらこいたので、どうしても合法的にメンバー紹介したくなりました。

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合法SPEEDの、左から

アロマ、S(エス)、シイタケ、パブロン

の各メンバーです。

選挙期間中という時局を考慮して、違法薬物にも詳しい嫁に彼女たちの新しい名前を考えてもらいました。「合法SPEED」のグループ名も嫁の命名です。ありがとう嫁。

まとめ

以上の検討をふまえると、当該の発言で森さんが言いたかったことは、

斉唱もやれよ!

だったのだと私は思います。

本件の背後には次の2つの問題があります。

森喜朗発言、解釈の余地大きすぎ問題

長年の政治家生活で、言いたいことをストレートに表現すると死ぬ病を患っているのではないでしょうか。

いろいろ明言を避け、発言をいくつかの意味に受け取れるようにしておく作法が、森さんを含め政治家一般に共通する傾向としてあるように思います。

メディアの森叩き、基本おもんない問題

一方で森喜朗さんは、メディアに対しあまりいい感情を持っていないようです。

著書『私の履歴書 森喜朗回顧録』(2013)で、次のように述懐していました。

私は[首相]就任以来、メディアにはたたかれっぱなしだった。(略)就任直後には、神道政治連盟の会合に出席した際の「神の国」発言で一方的に攻撃された。(p.231)

続くくだりに、ひとつひとつ「それはこういう話だ」と弁明がありました。でもって、

首相在任中、私の言葉尻をとらえ発言の真意をことさら曲解し、番記者が口裏を合わせて騒ぎ立てるメディアのやり口には強い憤りを禁じ得なかった。(pp.232-233)

私の履歴書 森喜朗回顧録

としていました。うん、たしかに。

正直言って森さん叩きのやり口は、メディアも一般人も大半が「おもんな」です。森さんの器量と受け身に皆甘えすぎていて、もうちょっと何とかならないものかと思います。

歩み寄りのアプローチ

ですから

  • 騒がれる側としては、解釈の余地が少なく騒ぎにくい言動
  • 騒ぎ立てる側は、クリエイティブなやり口の開発

を双方ともに努めれば、まだまだ歩み寄れるだけの余地はあります。

面白くなる方向に貢献しますからお金ください。本当に言葉どおりです。

君が代(1980)
野坂昭如
¥250

おわり

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