ダサい?クール?「1964レジェンド熱望論」―五輪エンブレム中間総括(2)

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こんにちは。デザイン芸人「デザインや」です。

ひとつ前の記事:五輪エンブレム中間総括(1):突破口は「20世紀ダサい!」からのつづきです。

シリーズものですが、こちら単独でもお楽しみいただけるように書いたつもりです。

この記事ですること

レジェンドを仕分けます。

といっても、結論(仕分け結果)を出すことが目的ではなく、

  • 公式エンブレム
  • 公式テーマソング

を例に「ダサい!」から結論へ至るまでの進め方を説明することが、ここでの目的です。

論点

それぞれに1964年の東京大会で使用された「1964レジェンド」があります。

はたして2020年大会でそれらを「再登板」させることは、「ダサい!」か「クール」か?

それが論点です。

ダサい!で始まる5ステップ

進め方の説明といっても、概略にするとこれだけです。

  1. 「ダサい!」
  2. 賛否両論
  3. 対話を通じた議論の掘り下げと論点整理
  4. 全体最適となれる妥協点の探究
  5. 意思決定

当記事での説明はこれでいい気がしてきました。

二股膏薬(死語?)の私

検討していくと、オリンピックの顔と顔で一貫しない私がいました。

目下のところ、

  • 亀倉シンボルマークの再登板は「ダサい」
  • 《東京五輪音頭》の再登板は「クール」

という考えであるためです。

裏テーマ:DVD/ブックガイド

記事の後半で、よりよい到達点に向けて本件を考えてゆくための資料をリストアップします。

というわけで、論説に見せかけてのDVD・ブックガイド記事でもあります。

仕分ける:「1964レジェンド再登板」論

1964年の東京オリンピックで使われた「ビジュアル」「サウンド」、2つの「レジェンド」の待望論を例に考えます。

前回の記事で、「20世紀ダサい!」で始めよう。と提言しました。

それに則って、いずれも「ダサい!」から始めます。

ケース1:「TOKYO 2020」公式エンブレムの場合

エンブレムだと、たとえば「TOKYO 1964」のアレ、すなわち、亀倉雄策によるシンボルマークの再登板を望む声があります。

これですね。

20151003_032_01

mag.sendenkaigi.comより

著名人の例で述べますと、9月1日の撤回決定直後のタイミングでこんなツイートが届きました。

目を通して、ほへーっと妙な声が出てしまいました。

なにそれダサい!

とにかくダサい!

この論理が「クリエイティブやめます宣言」に等しいとわかっていないことが、ダサい。

デザイン芸人の反論:椎名、クリエイティブ辞めるってか?

あまりにダサかったので、こう書き残しておきました。

そういう話になるけど、椎名さんそれわかって言ってるのかしら? ということです。

もし椎名さんが私の述べる「待望論」どおりのことをやったとすれば、それは「椎名林檎」の自殺に等しい行為です。

♪だからそんな悲しい事言わないで
プラネタリウム》(BLANKEY JET CITY, 1997)

続く「賛否両論」への準備はできている(その1)

当然のことながら、国民の皆さまのなかには私への異議のある方、すなわち、あの力強い亀倉雄策デザインの再登板を求める「レジェンド待望論」に同調する向きもあることでしょう。

私はそれらに対し、「この意匠では独占使用のための商標権取得が困難であり、ライセンスビジネスが展開できない。そこがダサい」といったテクニカルな論点も込みで、あらゆる角度から、かかる「再登板」がなぜダサいかを丁寧に説明申し上げるだけの準備はできております。

それでも、対話が進められれば事前に検討しきれていなかった論点やら考え方やらがきっと出てくるでしょうから、論議を通じてそれらも取り込みつつ、両者の妥協点を探っていければよいと考えています。

そうした過程を経た結果、自分の結論が現在と180度変わっても何も問題ありません。

ケース2:「TOKYO 2020公式テーマソング」の場合

不案内で実際に制定されるか存じませんが、「TOKYO 2020公式テーマソング」が「今回も基本これでいく」ことになったとしましょう。

東京五輪音頭(1963)
三波春夫
作詞:宮田隆 作曲:古賀政男

ハァー
あの日ローマで ながめた月が
ソレ トトントネ
きょうは都の 空照らす
ア チョイトネ

ダサい! ……いや、ちょっと待った。

ノーノーノー。私の意見はこっちだな。

いいじゃん。1周回ってクールじゃん。

♪~
四年経ったら また会いましょと
かたい約束 夢じゃない
ヨイショコーリャ 夢じゃない

って、リオデジャネイロ大会「Rio 2016」の閉会式で流せば、ばっちりじゃん。

オリンピックの 顔と顔
ソレトトントトトント 顔と顔

盆踊りと組み合わせれば、真夏に開かれるという日程面からも、もはや無敵。

まさに最高最強の、TOKYO, Japanの文化コンテンツ発信じゃん。

これでいこう!

準備はできている?(2)

こうなると「ブーメラン」が返ってきます。

さっきの「亀倉雄策レジェンド」シンボルマークに対する態度と矛盾してないか?

さあそこです。

なんで自分がこうなのか。自分の考えがどこかで破綻しているのかいないのか。ただいま自問自答を続けています。

さらに考えていくための資料集

未読のものを含め、次の各観点でリストアップしてみました。

  • 東京オリンピック(1964)って、何だったの?
  • そもそも一般国民は、オリンピックとどう接したらいいの?
  • というか、オリンピックって何なの?
  • なぜデザイン芸人は、「亀倉雄策レジェンド」再登板がダサく、レジェンド《東京五輪音頭》再登板がクールと思ってるの?

東京オリンピック(1964)って、何だったの?

リアルタイムでの「東京1964」体験の有無にかかわらず、さしあたり次のうちから1つ2つおさえておけば、今後の話が建設的になるかと思います。

市川崑監督作品。公開時には物議も醸したといいます。鑑賞後に、メモ的な記事も書きました。

【メモ】東京オリンピックを観て(2014/04/30)


当時の動静や周辺の社会情勢を包括した「徹底取材十五年」というノンフィクションです。


いろんな人が書いた当時の文章が集められた1冊です。「思い出補正」の入っていないリアルさが面白かったです。

この本からネタを取って記事にもしました。

「TOKYO 1964」を疎んでいた人たちコレクション(2015/09/20)

ここ数日でアクセスが急増しており、既に累計ページビューが4桁に到達しています。ありがたいことです。

そもそも一般国民は、オリンピックとどう接したらいいの?

まず基本姿勢としては、乗っかった方が楽しいに決まっています。それが確信できたのがこちらの読書からです。

同書から引用して書いた過去記事です。

むしろ必要なのは「自我のダイエット」(2013/08/07)

少し切り口は異なりますが、共通点もありますので参考までに。

でもって「さて、そこから」です。次の2冊セットでヒントになります。

からの

という流れです。上の本ならびに著者をテーマに、以前記事にもしました。

「オヤジジャーナル」の発見を称えます。(2014/02/04)

というか、オリンピックって何なの?

近代オリンピックとは「髭男爵」です。

そのココロは、スポーツ版「貴族の漫才」です。

私の場合、「貴族の漫才」感を覚え始めたのは、JOCのサイトにあるオリンピック憲章(PDF)を冒頭から10数ページ読み進んでいった段階でした。「まるで髭男爵じゃねーか」と。

また、オリンピズム配下のコンテンツをひととおり見ていけば、髭男爵的な貴族の世界観がおおむね把握できます。

さらには、

※古書価格にびっくりです

これらを読めば、なぜ「貴族の漫才」かがはっきりわかることでしょう。

こちらは、『IOC』(書籍版 p. 98)からです。※下線は引用者

「アマチュア」とは、一九世紀のイギリスで生まれた、余暇を楽しむ概念である。当時のスポーツは、貴族や上流階級の余暇の楽しみだった

ところが、産業革命が起き、力をつけてきた労働者階級がスポーツ競技会に参入するようになってくると、それを排除しようとした上流層は「アマチュアであること」を競技会への参加資格とした。肉体を使って報酬を得る者はアマチュアではないと規定し、排除したのだった。

こういう思想を髭男爵の世界観に取り込めば、貴族の漫才の完成です。

ルネッサ~ンス!!

なぜデザイン芸人は、「亀倉雄策レジェンド」再登板がダサく、レジェンド《東京五輪音頭》再登板がクールと思ってるの?

難問です。まだ皆目わかりません。

この辺からアプローチして考えていきます。

ビジュアル面

亀倉雄策『曲線と直線の宇宙

おかげさまで、ここから抜粋してまとめた記事が、公開後にびっくりするほど多くの方に読んでいただいております。ありがたい限りです

亀倉雄策『曲線と直線の宇宙』を読んで腰が抜けた話【五輪エンブレム騒動】(2015/09/02)

記事作成中に参照した時点と比べると3倍ないし4倍に高騰している、アマゾンでの古書価格にもびっくりです。


記録映画「東京オリンピック」を監督した市川崑も、重要人物のひとりです。

デザインに対する市川の考えを知ることで、考察を深めていければいいなと思っています。

サウンド面

なぜ、私が2020年にもなお《東京五輪音頭》が断然クールと思ったか?

これを、ハイレベルに書き直すならば、

  • 「20世紀レジェンド」と「21世紀スタイル」との理想の融合とはどういうものか?

とでもなりましょうか。ここを考えるためには、以下に挙げる書籍で取り扱われているテーマがからんでくる気がしています。

一般国民の皆さまへご説明

少々補足させていただきます。

今後の議論に資するであろう各種文献をリストアップしていることが、「この辺の基礎的な論点もふまえずに議論に入ってくるな」とか「周回遅れの議論をするな」とか、そんな類の話だと誤解されないようお願いしたいところです。

別にどこかのエンブレムの募集要項のように、主題としている議論へ参加するのに何かしらの制約制限を設けているつもりはありません。(ただし一切無制限という意味でもありませんが。たとえば、いきなりレイバンのサングラスの話をされても困ります)

ではなくて、私自身がただただ、ここを議論するなら最先端かつ最高峰でありたいだけです。協力しあって、ともに頂点に到達できると、ただただ楽しいからです。

ですからその意味では、私が目指しているのもまた「より速く、より高く、より強く」というオリンピック・モットーの体現だと言えましょう。

ルネッサ~ンス!!

「最高峰の議論」の例―TOKYO 2020・大会基本コンセプトとは?

ひとつの例として、簡単ながら最先端かつ最高峰の議論をしてみましょう。

議題は「オリンピック競技大会の基本コンセプト」です。

私からすれば、大会コンセプトは

  • みんなでひと仕事して
  • 金もうけして
  • 楽しんで
  • ほんでうまいもんでも食おうやないか~~い

程度で十分だと思います。そもそもが「貴族の漫才」なんですから。

ルネッサ~ンス!!!

謝辞

次の各位にお礼申し上げます。

おわりに:私の「再登板」待望論

最後に、デザイン芸人がひそかに思い描いている「TOKYO2020公式エンブレム・夢の選定シナリオ」です。

それは、宮田亮平さんを座長として先日発足したエンブレム委員会が、前回のプロセスの反省をふまえたしかるべきやり方で選考を進めたうえで、「佐野エンブレム」を再選定することです。

ベルギーだけでなく全世界がひっくり返るに違いない、最高にクレージーでクールな再登板です。

以上です。ご静聴ありがとうございました。

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