こんにちは。デザイン芸人「デザインや」です。
東京2020公式エンブレムに対する盗作疑惑と騒動。「なんでこうなった」を考えていたら、素人とはどんな存在かを会得できました。
※写真と本文は関係ありません
エロだけじゃない!素人大全集
これが素人です。
(1)「じゃない方」の集団を指す
絶対的な、永久不変の「素人」はどこにもいません。
素人とは、話題話題、場面場面ごとに、当該の「経験者」「職業人」「専門家」に対峙する形で「じゃない方」として立ち現れてくる存在です。
ゆえに「素人」集団の構成員はその都度異なります。
先に決まるのは常に、「経験者」「職業人」「専門家」=玄人の側です。玄人集団を規定してはじめて、そっち「じゃない方」が素人と呼ばれます。そんな構造になっています。
(2)責任を取らない
責任取る方「じゃない」から。
素人とは無責任であり、責任を取らないがゆえに素人なのです。
以上が、過去の類似事例「STAP細胞」ともからめてでっちあげた「素人」の研究成果サマリーです。
素人の風上にも置けないクソ素人からでした。
ほんとに、素人ってなんなの?
私の場合、「STAP細胞」の件以来もやもやと引っかかり続けていたことが、今般の「五輪エンブレム」ではっきりと言葉になりました。
ほんとに、素人ってなんなの?
こんな疑問を覚えるところが、つくづくクソ素人なのであります。自覚はあります。
辞書的定義
辞書で「素人」を引くと
ある物事に経験のない人。その事を職業としない人。専門でない人。
(広辞苑 第五版)
とあります。
ここから、
- 「素人」とは、「じゃない方」集団のことである。
と定義することができました。
つまり、
経験者/職業人/専門家「じゃない方」
ということです。
素人はアマチュア「じゃない」
また、素人は「アマチュア」でもありません。
アマチュア(amateur)というのは、「愛好者」という意味です。「じゃない方」で規定されていません。
似てはいますが、違う概念です。完全には一致しません。
「五輪エンブレム」はSTAPの再来?【Tweetコレクション】
佐野研二郎さんの記者会見(2015/08/05)があった後、STAP細胞のことを思い出された方も少なからずいらしたようです。
ツイートをいくつか集めてみました。
専門「じゃない方」=素人
見た感じ、専門「じゃない方」はこんな感じです。
エンブレム完全にベルギーの方のパクリでしょw 悪いけど自分はベルギーの方を応援するかなw そしてエンブレム作った人パクりじゃない! STAP細胞はありまーす!に凄い聞こえた笑
— ちゃん(´・ω・`)しょぼ☆ (@yuula37) 2015, 8月 5
「STAP細胞はあります!」を思い出した・・・ 東京五輪エンブレム酷似問題 → 作者「全くの事実無根、世界に類のないエンブレム」 : オレ的ゲーム速報@刃 http://t.co/JNzG40DNSJ @Jin115さんから
— ワタル之助 (@wataru_no_suke) 2015, 8月 5
まあこれは偏見ととってもらってかまわないんだが、例のエンブレム盗作騒動のあれはデザイナーの面つきがまず気に食わん。STAP細胞の初回報道の時に「ああこりゃダメだ」と面つきで思ったのと同じニオイがする。
— JOE Extra Brut (@JOE_bttbb_com) 2015, 8月 3
エンブレム酷似問題 佐野氏が盗用疑惑に反論「全くの事実無根」 ― スポニチ Sponichi Annex 五輪 http://t.co/CGkYZ2NHdE なんだかなー…小保方さんのこと思い出す
— 羅乙@相模審神者 (@namanenko) 2015, 8月 6
これだけで各位の素性はわかりませんが、論調からは素人さんによるものとしてよいかと思います。
どんなところを判断基準にしていそうかが、素人の生態を探るポイントとなりそうです。
専門家=素人「じゃない方」
一方、専門の人はこんな感じです。
(私のTLに流れてくるデザイン系の人の意見で、オリンピックエンブレムを盗作と言う人はいない。まったく別もの、と言う意見が多い。STAP細胞の時もTLの専門の人の意見は大抵一致していた。)
— 安東量子@量安尼 (@ando_ryoko) 2015, 8月 1
@kokubucamera 粒谷区アカでもRTしといた。それにしても、この問題に対するデザイナーの気持ちは、STAP細胞のときの科学者の気持ちに似てるかもね。あと、「粒谷区のロゴは渋谷区のパクリだ!」と言われたらどうすればいいですか?
— 竹内靖朗 (@takeuch) 2015, 8月 6
「素人無双」にたじろいでいるニュアンスを感じます。
意外・心外でも「五輪エンブレム」はシロ
「(結局クロだった)STAPと印象がそっくりだから、エンブレムの盗用疑惑もクロ!」
両者の構図が似ているからでしょうか、こういう論調が目立つ気がします。両者はたしかに「形状」は揃っているのですが、「配色」が反転しています。
図で表すとこうなります。
すなわち、図のとおりに対応させると
- STAP細胞論文の不正疑惑=クロ
- 東京五輪エンブレムの盗作疑惑=シロ
なのであります。
そしてその周囲(STAP:白)(エンブレム:黒)は、反転した色となっています。
この部分が「素人の声」にあたります。
「同じ」の境界問題
「子細に見ればまるで違うのに、違いのわからない素人に認識されていない」
このことは、五輪公式エンブレムとリエージュ劇場ロゴの話にも共通しています。
現場に残された指紋が、自分と「同じ」渦巻型ってだけで同一人物扱いされている。そんな感じとでも言いましょうか。
先述の「素人」と「アマチュア」もそうです。意味として重なっている領域もありますが、子細に見れば違います。
たとえばアマチュア天文家は、素人ではありません。
今夜くらべてみました:「五輪エンブレム」「STAP細胞」会見後ツイート
あらためて説明しておきます。
- 疑惑の発覚当時から会見前日まで海外にいたとされる佐野研二郎さんが開いた会見(2015/08/05)
- 内部調査の結果論文不正があったとされ、理化学研究所(当時)の小保方晴子さんが開いた会見(2014/04/09)
これら2つの会見後のツイートから、素人の特性がわかるものを収集してみました。
ケース1:@ja150087
ここではまず、素人の第一特性:
- その場その場での「じゃない方」の集団である
- 恒久不変の素人は存在しない
ことを確認します。
先にSTAP会見後の方から見て行きましょう。
2014年:STAP
@ld_blogos 実験ノートについては4冊か5冊かハッキリ覚えてないで、STAP細胞の作製回数は200回とハッキリ覚えているのは、どう見ても不自然。普通の人間なら実験ノートは4冊だが、STAP細胞の作製は何回あったか、数が多いので覚えていませんと言う。
— ジャガイモ (@ja150087) 2014, 4月 9
@smoltblue 「世界中の同僚が貴重な研究費と時間をつぎ込んで取り組む事に耐えられなかった」と仰る再現実験を、なぜ理研が「じっくり一年かけて」やる必要があるのでしょうか?それとこれまでSTAP細胞の実験に費やした税金をどう思うのでしょうか?
— ジャガイモ (@ja150087) 2014, 4月 9
STAP細胞を200回作製したとか1万回作製したとか、口では何とでも言える。実験はデータが総てだから、データがなければウソと判断される。@YahooNewsTopics【小保方氏 第三者の公表を否定】小保方氏が文書を公表。 http://t.co/Q4bemRbChi
— ジャガイモ (@ja150087) 2014, 4月 14
すでに的確な見解にたどり着けているように思います。
2015年:エンブレム
@nhk_news 「盗用は事実無根でーす」≒「STAP細胞はありまーす」 http://t.co/6848V3yPez五輪エンブレムのデザイナー「盗用は事実無根」
— ジャガイモ (@ja150087) 2015, 8月 5
こちらでは、専門家「じゃない方」の見解に立っています。
中間まとめ
以上の事実は、「素人」とは、その場その場で形成される「じゃない方」の集団であることの証左に思えます。
ケース2:@CelestialHolly
こちらでは、素人のもうひとつの特性:
- 素人は無責任
を確認します。
先に五輪エンブレムの方から。
2015年:エンブレム
先程、東京五輪をデザインした佐野研二郎氏の会見を観たが、佐村河内や小保方両氏の会見と同じ臭いがしたのは私だけだろうか…?
— KEN (@CelestialHolly) 2015, 8月 5
<小保方氏の会見と同じ臭いがした>
同じ臭いって、どんな臭いだったのでしょうか。
小保方さんの会見直後のツイートにあたってみましょう。
2014年:STAP
会見中、小保方さんが唯一目を輝かせたのは七尾記者のネットなど公の場で公開実験し証明すればいいのではないかという時だった。小保方さんもそのためならどこへでも足を運ぶと返答。その眼はSTAP細胞を発表した時のそれだった。私は化学者ではないがあの眼に嘘はない事はわかる。#小保方晴子
— KEN (@CelestialHolly) 2014, 4月 9
「あの眼に嘘はない事はわかる。」
小保方さんの会見の何が気に入らないって? 人類のために頑張ってきた一人の女性に対し、人の負をエサとする多数のマスコミが寄って集って公開処刑しようとしていることだよ。質問の論点もバラバラ。七尾記者のような質疑が他社にもできたらもっと建設的な会見になったのにな。#小保方晴子
— KEN (@CelestialHolly) 2014, 4月 9
「人類のために頑張ってきた」
小保方さんにも落ち度があったのは間違いないが、そこに執着するのではなく再現実験へのプロセスに導いていくのが報道の正しい方向ではないのか?証明できれば世紀の大発見であり人類史上に残る偉業なのだから。 #小保方晴子
— KEN (@CelestialHolly) 2014, 4月 9
「再現実験へのプロセスに導いていくのが報道の正しい方向」
からの
これでほぼ決着がついただろう。彼女はガリレオではなかった。 理研の小保方 晴子研究員、STAP細胞を再現できず(14/12/18): http://t.co/MO8aws5j3z @YouTube
— KEN (@CelestialHolly) 2014, 12月 18
「彼女はガリレオではなかった」
裏を返せば、会見後の当初は彼女をガリレオになぞらえていたわけですね。
中間まとめ
「小保方氏の会見と同じ臭いがした」ということは、「人類のために頑張ってきた」佐野研二郎さんについても「あの眼に嘘はない事はわかる。」ということですね。わかります。
もっとも私の場合、眼に嘘があるかないかは一生かけてもわかる気がしません。当時記事にしました。
「難しいことはよくわからない」のに、はるかに難しい判断を行っている矛盾―小保方晴子さんの会見に思う(4)(2014/04/13)
まとめ:これぞ素人
誤解のないように申し添えておきます。
私はここで「専門家は常に正しい側にいる」とか「素人でも責任を取れ」とか主張しているのではありません。どちらも違うと思います。
ではなくて、ここで強調しておきたいのは、
- これが素人なんだ
ということです。
- こう心得ましょう:
- 誰が素人かは状況で変わる
- 素人は責任を取らない
という話です。
補足用データ
STAP問題で小保方さんが渦中にいた当時の記録として、2014年4月に行われたYahoo!の意識調査結果を。
- 納得できなかった 127,301票(51.7%)
- 納得した 74,477票(30.3%)
- (以下略)
小保方リーダーの会見に納得?|Yahoo!ニュース 意識調査(2014/04/09 ~ 04/19実施)より
この時点ではまだSTAP支持者が数多くいたように記憶していましたが、「納得できなかった」が既に上回っていたのですね。
私の記憶もあてにならないものです。
※「STAPは支持だが納得できなかった」もありうるので、そのケースを含んで実態よりも数が多く見えている可能性はあります。
最後に、botからですがこの秀雄小林をひとつ。
人間は、自身で経験した事件についてさえ、数日後には噂話に影響された話し方しかしないものだ。 (「ペスト」)
— 小林秀雄 botcast (@hideKoba_bot) 2015, 6月 2
こちらからは以上です。
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