岩瀬大輔さんのブログ記事が物議を醸したのは、文章が下手だから。

こんにちは。用件はタイトルのとおりです。

(ライフ)ネットの話題に乗っかった、戦後最大級(※当社比)の大きなお世話です。

要約:Executive Summary

岩瀬大輔さんのブログ記事「入社2日目の明日から試して欲しいこと」(2014/04/01付)は、文章が下手です。主張に沿った文章構成になっていません。

岩瀬さんの本意と違った受け取り方をする読者も多くいたという、その最大の原因は文章のまずさです。読者側の読解力の不足だけではありません。

そこで、ご多忙であろう岩瀬さんに代わり、読み取れる主張に沿って元のブログ記事を再構成し、書き直してみました。

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画像は、http://blog.livedoor.jp/daisuke_iwase/ より

なおリライトした「改善例」については、次の記事で示します。

はじめに:動機の説明

大きなお世話にもかかわらず、なぜ書き直してあげようと思うに至ったか、その経緯を順を追って書きます。

1)Gunosyに出てきた

僕は朝夕刊代わりに、Gunosyで出てくる記事を朝晩拾い読みしています。本日(4/5)付の「朝刊」記事一覧のトップはこちらでした。

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リンクテキストを書いておきます:入社3日目の今日から試して欲しかったこと|ライフネット生命 社長兼COO 岩瀬大輔のブログ

2)削除されていた

これまでGunosyを利用していて、岩瀬さんのブログが出てきた記憶はありません。珍しいので、何だろうかとクリックしてみると、

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「404 Not Found/この記事は存在しないか、すでに削除されています。」でした。

存在しない記事をGunosyが薦めはしないでしょうから、削除されたのだなと思いました。

ですが、何があったのでしょう。

3)最新記事が「お詫び」だった

ブログのトップページに移って最新記事を見ると「ブログ内容に関するお詫び」(2014/04/04付)となっていました。そちらを見ます。

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4)「ブログ内容に関するお詫び」を読んだ

こう述べられていました。

新入社員へのメッセージとして書いた4月3日のブログの書き方に配慮が足りておらず、さまざまな反響を呼び、一部の方に不快な思いをさせてしまったことをお詫びいたします。

考えた上で3日のブログについては削除させていただきました。謹んでお詫びを申し上げます。

やはり、岩瀬さんが記事を削除されたようです。

また、

推して知るべしと思われても仕方ないのですが、1日のブログに対して大変多くの方からコメントを頂いた結果、真意と違った受け止め方をされていることにフラストレーションを感じてしまいました。

との釈明もあります。

5)「入社2日目の明日から試して欲しいこと」を読んだ

それで、入社2日目の明日から試して欲しいこと(2014/04/01付)も読みました。

ふーん。なるほどね。

6)削除された記事の概略も確認してみた

タイムラインでリツイートされていたので、本件に関するこちらのWebニュースも読みました。

概略レベルながら、「皮肉めいた内容」と岩瀬さんが述べていたところの具体内容も知りました。

7)一連の経緯を把握し「文章が下手だから」だと思った

4月1日付の「入社2日目の明日から試して欲しいこと」を読んで、僕はこう思いました。

「岩瀬さん、それは文章が下手だからですよ」

補足説明

再掲しますと、岩瀬さんは4日付のブログ

真意と違った受け止め方をされていることにフラストレーションを感じてしまいました。

と述べられています。

ではなぜ、1日付のブログ記事が、岩瀬さんの真意と違った受け止め方をされてしまったのでしょうか。

読んで簡単にわかりました。

文章が下手なんです。そのため真意が伝わりにくいのです。

こと本件においては、伝わっていないことを100%読み手に責任を負わせるわけにはいきません。

8)真の問題が見過ごされている

岩瀬さんがフラストレーションを感じ、追って書いた記事は削除されました。

しかし発端となった記事はそのままです。すなわち「文章がまずいために、真意が伝わらない」という問題は、手つかずのままです。

それはいかんです。

そこで、書き直してあげることにしました。僕が書き直しても抜本的解決にはつながりませんが、トータルで良い方向には向かえます。

補足説明1

岩瀬さんが、元の記事の真意が伝わらない不快感を発端に書いたらしい「入社3日目の今日から試して欲しかったこと」を削除されたことは、妥当な判断でしょう。

かの孔子も、過ちを改めないのが過ちだと言いました(『論語』衛霊公篇)。※参考:Web漢文大系

ここでの何が過ちかというと、伝え方です。伝え方が間違っています。

「それならば」と思い、自分の主張と逆の状況が発生していたらいかにおかしいかということを伝えようと、皮肉めいた内容をブログにした

ブログ内容に関するお詫び(2014/04/04付)より

というアクションは、方向性が間違っています。

補足説明2

しかし「皮肉めいた内容」の記事を削除することで改められたのは、言ってみれば過ちの「上塗り」部分だけです。そもそもの根源的な過ち、すなわち

この問題が手つかずでそのままです。それはいかんです。

問題の分析

岩瀬さんの文章のどこがダメかを、端的に述べていきます。

最もダメ:主張と文章構成のミスマッチ

入社2日目の明日から試して欲しいこと」(2014/04/01付)を読んで僕が感じたのは、岩瀬さんの文章が、主張に沿った構成になっていないことです。主張と文章構成がミスマッチを起こしています。

最もダメな1点だけを述べます。

それは

  • 本質でないものを、いちばん目立つ場所に置いていること

です。

入社2日目の明日からできる、簡単なこと。

毎朝、定時より30分前にきっちりした身なりで出社し、新聞を読んでなさい

がいちばん目立っていましたが、この記事でいちばん言いたいことって、そこじゃないでしょう?

なのに記事のなかで最も目立つから、「サービス残業の指示か?」「社畜のすすめキタコレ」みたいな受け取り方をする読者が出てくるのです。

返す刀で?

また「ブログ内容に関するお詫び」(2014/04/04付)の文章にも潜在的な問題が見られます。細かいことですが、ついでに指摘しておきます。

1)指す対象が不明

1つめ。同じ箇所の引用となりますが、 ※下線は引用者

推して知るべしと思われても仕方ないのですが、1日のブログに対して大変多くの方からコメントを頂いた結果、真意と違った受け止め方をされていることにフラストレーションを感じてしまいました。

下線を引いた部分が文章構成のなかで果たす役割を、ここから僕は読み取れませんでした。

「推して知るべし」と思う、その主体は読者と解釈できます。さて、読者は具体的に何を「推して知るべし」と思うのでしょうか? 何を指しているか、そう思う対象が何なのか。

僕も一緒に「推して知るべし」と、そう思ってみたかったのですが、できなかったです。

なんですか? 何を「推して知るべし」なんでしょうか?

2)表現が不遜

2つめ。言葉じりをとらえます。

これからは誤解のない丁寧な表現を心がけながら、このブログを継続していきたいと考えています。

いらぬ形容

まず、「丁寧」は不要です。表現を丁寧にしても、誤解は消えません。無関係です。

そもそも関連の記事を読む限り、岩瀬さんの表現は、現状でも十分に丁寧です。「丁寧」の反対語は、「粗雑」とか「粗野」とかになるんでしょうか。そういう印象は受けませんでした。

「丁寧でなかった」というなら、この表現自体がそれ

もし、岩瀬さんが省みて「丁寧でなかった」と思われているのなら、もうひとつ指摘します。

だったら「誤解のない」自体が丁寧な表現ではありません。書き手が責任を取れる範疇を超えているからです。

書き手が責任を負いきれない

思うに、文章における書き手の責任とは「いらぬ誤解を招かないための努力を最大限行うこと」です。

たとえ、その責を十分に果たしたと言える文章であっても、誤解は生まれます。したがって、文章の書き手が「誤解のない」という結果までを保証することは不可能です。責任は持てません。

「誤解のない表現を心がける」など、思い上がった不遜きわまりない態度と言うほかないです。

言い回しの改善案

2点目のようなことを僕が書くなら「誤解を招かない表現」にします。あるいはそこまで責任取りたくなければ「誤解を生みにくい表現」ぐらいでしょうか。

言葉じりレベルの些細な点であることも、これらを単体で問題視することがゆき過ぎであることも承知しています。ただ、木村祐一さん風に言ってみれば「そういうとこ」なんです。

ではどうすればいいか

ダメ出しばかりで対案を示さないのはフェアではありません。会社でも「社内評論家」と嫌われ疎んじられます。

そこで、次の手順によって「ではどうすればいいか」を示していきます。

  1. まず、岩瀬さんの元のブログ記事「入社2日目の明日から試して欲しいこと」を、僕が読み取ったとおりに要約します。
  2. その後、「改善例」として、読み取った主張の論理構造に沿って組み立て、誤解を生みにくい表現を心がけて書いた文章を示します。

1.「入社2日目の明日から試して欲しいこと」要約

僕が「入社2日目の明日から試して欲しいこと」を読み、「要するに岩瀬さんの本意(=言いたいこと)は、こうじゃなかろうか」と受け取ったとおりにまとめると、こうなります。

  • まず一年目に目指すべきは、社内で信頼される人間になること
  • 「社内で信頼される人間」とは、「きっちり仕事をする人」のこと
  • 「きっちりしている」を判断する条件は、次の各点
    • 時間を守れること
    • 身なりが清潔であること
    • 簡単なことでも、何か月も何年も、着実にこなし続けられること

「本意」を読み取った結果、メッセージはこうなります。

  • まずは信頼される人間を目指してほしい。それが皆さんの成長、ひいては会社の成長にもつながる。

というわけで、「入社2日目の明日から試して欲しいこと」を書き直してみました。

ここまで長くなりました。記事を分けることにします。

次の記事へつづく

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