続・デブが座席を占めるとき(2L)―列車の「1人2座席」に正当性はあるか

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こんにちは。ご乗車ありがとうございます。

はじめに:この記事について

こちらの記事で、「デブが新幹線に乗るときは、普通車指定席2つを確保する」ことを明らかにしました。

この記事は、その続編です。続編ではありますが、単独でも読めるように書くつもりです。

「電車の指定席を1人で2座席分取るときは、どういう切符の買い方をするんだろうか」と疑問に思い、調べ始めました。その経過と結果を書きます。

いろいろと新しく知ったこともありましたが、根源的部分にポイントを絞って書いていきます。

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結論は「よくわからん」

主なニーズ発生元をデブと想定し、1人で2座席分を取りたいときにはどういう切符の買い方をすればいいのか。

それを探るために検索すると、複数のQ&A掲示板にいくつも同種の質問と回答が出ていました。拾い読みしていると、「旅客営業規則」に根拠を求めることができるようです。

で、JRの旅客営業規則の関係しそうな条文を読んだのですが、先に結論を述べると「よくわからん」です。

話が飛んでしまっていて申し訳ないですが、ここでよくわからんのは「1人で2座席分取るときの切符の買い方」ではなくて、

  • 「1人2座席」に正当性が担保されているのか

です。ここがよくわからんのです。

「旅客営業規則」にあたる

元の記事で検証したのは東海道新幹線の車内のシーンでしたので、「東海旅客鉄道株式会社 旅客営業規則」を見ることにします。

指定券の効力に関する規定は、第147条第5項にあります。

もっとも、ここの条文に関して本州のJR3社とも文言は一字一句変わらず同じでした。たぶん、民営化の時点から全く変わっていないのでしょう。示し合わせて変えている可能性は低そうです。

参考リンク:本州JR各社の旅客営業規則 JR西日本JR東海JR東日本
※残りのJRを無視しているわけではありません。めんどくさいだけです。

「旅客営業規則」第147条 第5項を読む

さて、JR東海の旅客営業規則、第147条 第5項です。「1人2座席」は正当なのでしょうか。

当該の条項は、第4章 乗車券類の効力 > 第1節 通 則(第147条-第153条)(PDF)に位置づけられます。(太字・下線は引用者)

同一旅客は、同一区間に対して有効な2枚以上の同種の乗車券類を所持する場合は、当該乗車については、その1枚のみを使用することができる。同一旅客が、同一区間に対し有効な2枚以上の指定券を所持する場合についてまた同じ。

掲示板では、この規定を根拠に「2枚目以降は無効」とする回答が目立ちました。

ですが、なぜこの文面から「2枚目以降は無効」が導けるのでしょうか。僕はものわかりが悪いので、それがわからないのです。なんで?

僕よりも法令ないしは鉄道に詳しい方に、ぜひともご教示いただきたいところです。

わからん原因は、「ことができる」

なぜわからないかを説明していきます。

僕が思うに、わからない原因はここです。

  • 条文が「…1枚のみを使用することができる」となっていること

ここにつまずいています。なんでここに「ことができる」なのか、それがわからんのです。

これならわかる「ことができる」

自分にとって、これならわかると言える「ことができる」の例を示します。道路交通法からです。文言はlaw.e-gov.go.jp より取りました。(下線引用者)

(軽車両の路側帯通行)
第十七条の二  軽車両は、前条第一項の規定にかかわらず、著しく歩行者の通行を妨げることとなる場合を除き、路側帯(軽車両の通行を禁止することを表示する道路標示によつて区画されたものを除く。)を通行することができる

(普通自転車の歩道通行)
第六十三条の四  普通自転車は、次に掲げるときは、第十七条第一項の規定にかかわらず、歩道を通行することができる

  • 軽車両は、路側帯を通行することができる
  • 普通自転車は、歩道を通行することができる

わかります。というのも、同法の第17条にこう規定されているからです。

(通行区分)
第十七条  車両は、歩道又は路側帯(略)と車道の区別のある道路においては、車道を通行しなければならない。(後略)

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これら3者の論理構造を整理して示すとこうなります。

基本のルールは
車両は「車道を通行する」

それ以外に、
 (軽車両の場合)「路側帯を通行する」
  └(普通自転車の場合)「歩道を通行する」
 もOK。

わかります。明快です。

自転車生活者にも、よくわかる

内容の詳細は省きますが、前提として同法では

  • こういうものが「自転車」である
  • 自転車のなかで、こういうものが「普通自転車」である
  • 自転車は軽車両である
  • 軽車両も車両である

と定義されています。自転車生活者の僕にも、よくわかります。

わからん。「1枚のみを使用する」の上位ルールって、なに?

旅客営業規則の第147条第5項に戻ります。

前段の、道路交通法での例と同じ論理構造に当てはめてみると、わからなくなります。同じ書き方をすると、

基本のルールは
???

それ以外に、
 「1枚のみを使用する」
 もOK。

となるからです。わからないです。

じゃあここでの基本ルールってなに?

というか、持っている有効な券が1枚だろうが100枚1000枚だろうが、同一旅客は「1枚のみを使用する」。

これこそ「基本のルール」なんじゃないの?

僕は6歳になって以来、個人では「1枚のみを使用する」以外の方法で鉄道を利用したことがありません。ほかにやり方あるの?

わからないです。僕が基本のルールだと思うことを、基本以外のルールであるような書き方をしてあるから、わからないです。

旅客営業規則の全文を読んではいませんが、どこかを読めば「1枚のみを使用する」の上位にある「基本のルール」がわかるように書いてあるのでしょうか。

斯界の碩学にぜひともご教示賜りたいものです。

いったんふりだしに戻る

わからなくなってしまいました。ボタンの掛け違えが起きてしまったに違いありません。

きっと第147条第5項の「ことができる」は、道路交通法で見たような例と同じ意味ではない、ということなんでしょう。

そこでいったん出発点に戻り、検討対象にしている「ことができる」が、別の用法、別の論理構造である可能性を考えます。

する「ことができる」の別の意味

~する「ことができる」を別の言い方で言うなら、

  • 能力がある。権利が与えられている
  • 認められている。許可されている

といったところでしょうか。英語のcan が意味する領域の一部、としてしまってもいいでしょう。

「ことができる」こちらの用例

六法の最初に出てくる「ことができる」の用例が、このタイプです。

天皇は、法律の定めるところにより、その国事に関する行為を委任することができる。(日本国憲法 第4条第2項)

委任するかしないかは、ここでの主体である天皇次第です。言いかえて整理しておきます。

ここで天皇に用意されている選択肢は次の2つです。

  1. 法律の定めるところにより、委任する。
  2. (できるんだけど)委任しない。

このどちらでもいい。そういう意味の条文です。

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論理構造を意識して書くとこうなります。

国事に関する行為について
 天皇は
  委任してもいいし
  しなくてもいい。

これもわからん。「1枚のみ使用」以外を選ぶとどうなるか?

旅客営業規則の第147条第5項に戻ります。条文を再掲します。

同一旅客は、同一区間に対して有効な2枚以上の同種の乗車券類を所持する場合は、当該乗車については、その1枚のみを使用することができる。同一旅客が、同一区間に対し有効な2枚以上の指定券を所持する場合についてまた同じ。

これを、前段で例示したような権利付与・許可の「ことができる」として読み直してみると、同じくわからなくなります。

論理構造を意識して書き表すとこうなります。

有効な券を2枚以上持つ場合の乗車について
 同一旅客は
  1枚のみを使用してもいいし
  しなくてもいい。

最後の行の「しなくてもいい」の選択肢には、具体的に何があるのでしょう。これを記述しようとして、行き詰まりました。

「しなくてもいい」場合の選択肢

「1枚のみ使用」ではないなら、具体的に何枚でしょうか。他の選択肢の可能性を探ります。

  • 0枚 ダメです。不正乗車です。選べません。
  • 2枚~ 成立する可能性はあります。選べる…かもしれません。

「2枚以上」を選択したときに問題になってくるのは、この先で「だったらどうなるか」「どう扱えばいいか」が難解になると予想されることです。だいたいの規則が「1人1枚」を暗黙の前提に設計されているためです。

そこの前提を崩してしまうと、どこへ影響が出るかを子細に検討しなければいけません。

さらに、そこらをどう扱うにしろ、乗車の実態は何ら変化していないのが、事態を一層ややこしくしそうでもあります。

なんでこうなった

ここまでで、JRの旅客営業規則の第147条第5項にある「ことができる」を、どういう意味でとっても僕にはわからなくなってしまうことを示してきました。

なぜこんなことになってしまったのでしょうか。反発を覚悟で言ってしまいましょう。

それは、「旅客営業規則」を書いた人間が、二流だからです。

知ったふうに解説する連中も、二流です。

どいつもこいつも二流だらけです。

だから僕みたいなものわかりの悪い、二流以下の人間が理解できないのですよ。

なんか腹立ってきた。わかるか二流ども。わかんないか二流だから。

事態の打開をめざして

文句ばかり言っていても始まりません。どうすれば事態を打開できるかを考えていきましょう。

長くなりました。記事を分けます。

つづく。

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