語る会(2)「シン・ゴジラ」冒頭20秒の伊福部昭を聴け!

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こんにちは。このたび頼まれてもいないのに「シン・ゴジラ」を微細に語る会(略称:微細会)を発足いたしました。代表のヤシロです。

ごあいさつがわりに冒頭の約30秒間限定で語るシリーズをお届けしております。第1回「見どころ」篇に続く第2弾は「聞きどころ」です。

シリーズ要旨

シン・ゴジラのテーマは、「継承」と「反転」です。

第1のテーマ「継承」は、冒頭の30秒間をよく見てよく聞けばわかります。

要約:Executive Summary

「シン・ゴジラ」本編冒頭に響く巨大不明生物の「足音」と「咆哮」らしき効果音。

あれも、伊福部昭(1914-2006)の作曲です。

って、もっとみんな知ってほしい。

伊福部昭作曲「ゴジラの歌」の話

シン・ゴジラ本編の冒頭で使用されている「楽曲」に関する情報です。微細な話です。

楽譜(自筆)がある

効果音的な「足音」と「鳴き声」と思われがちなアレにも、ちゃんと楽譜があります。伊福部の自筆です。

20160919_godzilla_sound_effects_notated

※画像は、Part VII – Godzilla|AKIRAIFUKUBE.ORG BIOGRAPHYより

「演奏」テンポは、ざっくりBPM60=1拍1秒ぐらいでしょうか。おおよそ4秒ごとにドーンときます。

でもって、「シン・ゴジラ」の冒頭では5小節目まで演奏されていました。時間にしておよそ20秒間です。

《春の祭典》オマージュ?のキリル文字

自筆譜からわかる情報として面白いのが、「ゴジラ」のタイトルが

гoзирa

とロシア語(キリル文字)で書かれていること。伊福部はん、めっちゃストラヴィンスキー意識してますやん。

(以下、参考)

20160920_Sacre_Klavier S_035_450_w700

《春の祭典》4手ピアノ版スコア(ストラヴィンスキー編曲)ファクシミリ版|schottjapan.com(2013/04/10付) より

(楽譜とは別の曲です)

Le Sacre du Printemps (The Rite of Spring): Danses des adolescentes (1947 version)
ピエール・ブーレーズ & クリーヴランド管弦楽団
¥200

パート名は「ゴジラの歌」

前掲のPart VII – Godzilla|AKIRAIFUKUBE.ORG BIOGRAPHYにはこうありました。

Another interesting feature on the "effects page" is how Ifukube, in English, describes Godzilla’s roar as Song of Gozila. This is not a reference to anything purely musical; rather, he refers to Godzilla’s call as a song, just as we may describe the song of a bird or, perhaps more aptly, the song of a whale.

【拙訳】

もうひとつこの「効果ページ」の特徴で興味深いのは、ゴジラの咆哮を伊福部が英語で「Song of Gozila(ゴジラの歌)」と記していることである。これは伊福部がゴジラの鳴き声を単なる何かしらの「音」ではなく、むしろ「歌」ととらえていたことを示すものだ。ちょうどわれわれが「鳥の歌」とか、あるいはより適切であろう例なら「クジラの歌」とか称することがあるのと同じである。

といったような話を、私はBSプレミアムの番組「音で怪獣を描いた男 ~ゴジラVS伊福部昭~」(2014/07/06 OA)から知りました。

参考記事:BSプレミアム6日(日)放送!『音で怪獣を描いた男 ~ゴジラVS伊福部昭~』|NHK-FM BLOG(2014/07/02付)

庵野秀明「編曲」の「シン・ゴジラの歌」

実は「シン・ゴジラ」の冒頭では、この「伊福部音楽」をそのまんま使っていません。4小節目の「歌」が入るタイミングを少し遅らせているのだそうです。

音楽から読み解く「シン・ゴジラ」の凄み|小室敬幸|note.mu(2016/08/15付)  で波形を比較して指摘されていました。

赤い方が「シン・ゴジラ」のサントラ盤から取った波形とのこと。

20160920_picture_pc_f18c7fc5052c1aa0b314d85dd9654d7f

「時間にして、わずか0.15秒ほどのずれ」といいますから、フレーム数で言えば4, 5コマ程度でしょうか。

庵野監督は過去作を単に引用するだけでなく、こうした微に入り細に入りといったところにまでこだわって作っていることが、この点からも窺い知れるだろう。

としています。

最初に「シン・ゴジラ」を鑑賞したとき、「お、歌からきたか」と拍のカウント取っていたら途中つんのめってしまったのは、気のせいかと思っていました。

「音楽集」のトラックを聞き込んでみても細かすぎてなかなか体感しづらい事実ですが、単なる初代「継承」の映画でないことは伝わりました。

以上もろもろ、次に鑑賞するときはぜひ聞き流さずに楽しんでみてください。

次回予告

冒頭約30秒間だけを語るシリーズ、次回は「4D上映対決」の予定です。MX4Dと4DXと、2つの方式それぞれでシン・ゴジラを全編「体験」してきました。

両方を比較しての結論だけ述べます。4DXがMX4Dを「秒殺」しました。冒頭「足音」部分のモーションがぜんぜん違った。

つづく予定

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