「コト系」発想からの「オオカミ少年」寓話に対するツッコミ

こんにちは。

はじめに:「ひと系」「コト系」おさらい

世の人は大きく2種類に分けられます。人重視の「ひと系」と、物事重視の「コト系」です。

私はコト系です。

既存の「文系・理系」「文化系・体育会系」などよりよほど使える二分法なので、ことあるごとに推しています。

この記事もその一環です

この記事で言いたいこと

一般に「オオカミ少年」と呼ばれている寓話の登場人物に、「コト系」発想からひとつ突っ込ませていただきます。

  • 少年が「狼が出た!」と言った。
    これだけでは、真偽は何もわからないのでは?

一般化すると、

  • なんで、誰かが「○○」と言っただけでそれを{信用する|信用しない}の?

です。

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Illustration by Francis Barlow(1687) from commons.wikimedia.org

再読・「オオカミ少年」物語

Wikipedia「嘘をつく子供」からです。

嘘をつく子供」(うそをつくこども)とは、イソップ寓話のひとつ。「狼と羊飼い」または「オオカミ少年」というタイトルの場合もある。

「オオカミ少年」おさらい

同じく「嘘をつく子供」の「内容」からまるパクリします。

羊飼いの少年が、退屈しのぎに「狼が出た!」と嘘をついて騒ぎを起こす。大人たちは騙されて武器を持って出てくるが、徒労に終わる。少年が繰り返し同じ嘘をついたので、本当に狼が現れた時には大人たちは信用せず、誰も助けに来なかった。そして村の羊は全て狼に食べられてしまったという話。

この寓話を、「ひと系」「コト系」の切り口から読み直してみます。

「コト系」ツッコミ(その1)

コト系の発想からは、この物語の展開が非常に疑問です。

村の大人たちはなぜ、少年の言葉だけで「狼が出た」と思ってしまったんでしょうか?(疑問1)

事が「狼が出た」という緊急事態ですから、1回目はよしとしましょう。

2回目から用心しようよ。エビデンス求めようよ。

なのになんでくり返し、騙されるんでしょうか?(疑問2)

学習能力ないの?という話です。

そして、

当初から少年の「狼が出た!」は一貫しているのに、なんで態度を変えるの? 行動変容の閾値はどこなの?(疑問3)

コト系の視点からは、検証を怠っている自己の不作為を棚に上げ「これまで嘘だったのだから今度も嘘に違いない」と態度を一変させている登場人物たちの思考が、実に浅薄に見えてしまいます。

以上をふまえると、「オオカミ少年」の寓話に登場する村の大人たちは、コトの真偽を検討し判断する能力に欠けていると言わざるを得ません。

「ひと系」に終始する違和感

結局村の大人たちは、人(ここでは少年)を向いて、人が信用できるか?でしか判断していません。

そこに対し、コト系の私は強く違和感を覚えます。

「オオカミ少年」物語の教訓

同じくWikipedia「嘘をつく子供」の「解説」から抜粋です。

人は嘘をつき続けると、たまに本当のことを言っても信じてもらえなくなる。

日本においてはこの話を由来として、嘘を繰り返す人物を「オオカミ少年」と呼ぶことがある。

完全に「ひと系」の発想です。人が重視されています。

「コト系」ツッコミ(その2)

コト系の考え方は違います

その人がどれぐらい嘘をつく傾向があるかも確率要因として考慮はしますが、言明の妥当性はその都度他のエビデンスとも突き合わせて検討することです。

念のため:優劣ではなく、違い

双方の優劣を論じているつもりはありません。

違う発想、思考のあり方が存在することを、「ひと系」の皆さんにも知っておいてほしいだけです。

「ひと系」の限界―安冨歩さんを例に

別の側面からも、「コト系推し」の理由を語ります。

「東大話法」という言葉があります。安冨歩さんによる造語です。

2012年のこちらの著書が、「東大話法」が世に出た最初と理解しています。

刊行された頃に書店で見かけて手に取りましたが、買って読むには至りませんでした。

もう少し一般向けの語り口になっていたこちらを読みました。

ここで「東大話法」について詳しくは触れませんが、ともかく「あれ」に名前が付いたことは安冨さんの功績であり、ことの大きな進展だと思っております。

しかしながら、五輪エンブレムに関する安冨さんのツイート:

こういう見方には、まったく賛同できません。リンク先の記事は端的なデザイン面の話がスコープですから、(どこかを利する結果になっているとしても)周辺の意図やら背景やらを忖度してどうこう述べるのは馬鹿げています。

こんなとき、人を基準として人単位で判断する「ひと系」では、立ちゆかなくなります。安冨さんに対してどういうスタンスを取ればいいかわからなくなってしまうからです。

コト系ではそんな問題は起こりません。それはそれ、これはこれです。

私がコト系を推す理由のひとつでもあります。

コト系のこちらからは以上です。

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