林修さんの母親向け授業をテキストにしました(1)「あすなろラボ」2013年7月14日OAより

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こんばんは。林修ナイトの時間です。

「あすなろラボ」で林修さんの授業の第2弾がありました。番組内容をテキストにしました。

林さんの発言を採録することを中心にし、適宜、発言内容に関する注釈・参考情報を付け加えるスタイルで書きます。感想は別記事にします。

基本情報

テレビシャカイ実験あすなろラボ(フジテレビ系 2013/07/14 21:00-21:54 OA)

番組内容(地デジ番組表より)

【林修流“子育て論”とは?】

【大反響企画!第2弾!林先生VS子供の勉強で悩んでいる母親】

「林先生は子供の勉強で困っている母親の悩みを解決できるのか?」目からウロコの林流“子育て理論”“躾(しつけ)論”を一挙放送!

実験テーマは「林先生は子供の勉強で困っているお母さん達の悩みを解決できるのか?」です。

総勢19名の「子供の勉強に悩むお母さんたち」を相手に、教室を模したセットで林修さんが授業を行いました。

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蛇足ながら、放送を見て気づいた人はいるでしょうか。教室後ろの壁の掲示スペースには、「なう」と筆書きした紙が貼ってありました。こういう細かい仕込みは、けっこう好きです。

林修さんの母親向け授業

授業の進行に沿って、林さんの言葉、ならびに「生徒」であるお母さんたちとのやりとりを記していきます。

教室に入ってくる林さんに歓声が上がる

「よろしくお願いします」

生徒は小学生の子供を持つ母親

「今日はほんとに、真面目な話をしに来ましたんで」

「皆さんからですね、えー色々なお悩みは聞いております。でまあ、皆さんがですね、こういうことに対して、すぐ効くような回答を求めてらっしゃるのはよくわかるんですけれども、実は、ここで出ているような悩みは、相当根の深いところに原因があるんですよ」

子育てに大切なモノ

「まず、最初にお聞きしたいんですけれども、今、おじいさんおばあさんと同居されてて、いわゆる三世代家族だという方はどのくらいいらっしゃいますか? いない?! いわゆる核家族、ですか。まあ皆さんそれが当たり前だと思ってますよね。これは人類の歴史上、とてもおかしなことなんです」

「つまり子供っていうのは、「一族」の中に位置づけられていた。大きなバスケットの中にいてみんながこう支えていた。それをですね、2人、まぁお父さんとお母さん2人の場合には4本の手ですよね。4本の手で支えるっていうのはもうその腕にとてつもない重さがかかるんですよ」

夫婦2人だけの子育ては大変

「お父さんお母さんの2人だけで、子供の親になることには、とんでもない覚悟がいる。そういう覚悟がなければ、親になってはいけないとまでは言いませんけれども、そのぐらい大変なものを背負いこむと。そういう自覚を持っていただかないと、子供なんてなかなかまっすぐ育つものではないんですよ。そもそも、人間っていうのは」

(板書)生理的早産

(スーパーインポーズによる説明)
生理的早産
 人間は他の哺乳類の動物よりも約1年早く未熟な状態で生まれてくる

「生理学的早産。普通の動物だったらもうちょっとお母さんのお腹の中にいるんですよ。だからたとえば馬なんかは、生まれたらその日のうちに立って自分で歩くんですよ。人間の子供は歩くのに1年も2年もかかる。ですから、じゃあそういうふうに生理的、生物としてはとんでもなく早く生まれてしまう子供が、世の中に出てきたときに、どうやってその子を育てていくかというと、社会全体で」

(板書)社会的子宮

「子宮になって、この中で育てていくっていうのが、人間なんですよ。それで、今まではですねこう一族である、まあお爺ちゃんお婆ちゃんがいて、お父さんお母さんがいて、子供がいるってこう、少なくとも3世代ぐらいがいるなかで、まあなんとか、3世代いればですね、(指折り数えながら)お父さんお母さん、お爺ちゃんお婆ちゃん、で8本の手が子供を支えることになる。これでもまあ、きついぐらいですよ」

「ここで、2つの家庭をいま皆さんにご紹介したいと思うんですけれども。フジテレビの日曜夕方、まず6時から始まるちびまる子ちゃん、典型的な3世代家族ですね。6時半から始まるサザエさん、あそこも3世代家族ですね。ああいう人間関係の中でしか、実はなかなか子供って育っていかないんですよ」

「じゃ、何年ぐらい面倒を見なきゃいけないか。生物として見るとまず10年。これは、後から大きな意味を持つ数字なんですけれども、脳が、いわゆるヒトと言える段階に育つのにだいたい10年かかるんだそうです」

脳が成長する10才までの育て方

黒板にちびまる子ちゃん一家の家族構成を図で示す林さん

「ひろしと、で、えー、すみれというお母さんがいてですね、さきこというお姉ちゃんがいてですね、でここにまる子がいるわけですね。でここでやっぱりいちばんのポイントになってくるのは、僕はここ(祖父)の友蔵だと。ここが文化人類学的にいう冗談関係と、いってですね、緊張を緩和する関係になってるんですね」

「ここ(母→まる子)けっこう緊張関係あります。優しいお母さんですよ。優しいお母さんですけれども、まあよくおバカって怒られるし、でここ(姉→まる子)けっこう攻撃力ありますからね。いわゆる長女のいやらしさを持ってますよね。まあこっち(まる子)は次女のずる賢さを持ってる。でまあこういう中でここ(祖父との冗談関係)がほんとに救いになって、この子はこの全体のさくら家というバスケットの中ですくすくと育っている」

「でも、まるちゃんを支えてる手はそれだけじゃないですよ。近所のじいさんや、佐々木のジジイでしたっけ? いろんな人たちがいて、この子を育ててるからこの子がまっすぐ育ってくんですよ」

/*注:
補足。正確には「佐々木のじいさん」。《がいろじゅを植えて30年。本職はごふくやさん。》(ちびまる子ちゃん オフィシャルサイト > キャラクター紹介 より)
*/

「で、いまこういうふうに書きましたけれども、親と子の、関係を全部書いてみます。パターンは4パターンしかないです。

  • 男-男
  • 男-女
  • 女-男
  • 女-女

こちら(左)側が親です。こっち(右)が子供です。と、組み合わせはこの4通りしかないわけです。(指さしながら)お父さんと息子、お父さんと娘、お母さんと息子、お母さんと娘。そですね、こういうふうにご理解いただければと思うんですが」

性別による親子関係の作り方

「ここ(父-息子)は、僕もいろいろな本を読んだり、まあいろんな研究もちょっとしてみたんでまあ研究までいかないですね、いろいろ調べてみたんですが、どう考えても、ここは最終的に闘いになるんですよ。父親と息子は闘いになるんですよ」

「で昔は、父親が強くて、息子を、千尋の谷に蹴落とせばよかったんです。這い上がってこいと。ところが今はこっち(息子)が弱いんで、お父さんがこういうふうに追い込むとつぶれるんですよ。知り合いの大学教授の方に聞いたんですけれども、大学教授のお子さんで特に男のお子さんにうつ病の子が非常に多いんだそうです。つまり、父親が論理的に追い込むもんだから子供がへし折れちゃう。まここにだからこういう人(「ちびまる子ちゃん」の友蔵)がいるとよかったわけですね。友蔵がいれば全然違う」

「じゃここ(父-娘)どうか。この理想の関係は日本ではなかなか難しくて、外国のドラマで、よく素敵なパパ、と娘が出てくる、あれが理想の関係です。パパ大好き。パパ最高。ああいう関係に持ち込めるかどうか、これは父、こっちの責任です。絶対かっこよくなきゃいけない。娘の前でですねやっぱりそこは、ひとりの女性だと思って、まあ口説くとまではいかないですけれども、この関係を作れたら勝ちです」

「それができなかったらですね、あーちょっともうお父さんのパンツと一緒に洗わないでってもう。もうパパ臭い。もうパパ最悪。パパ生理的に受け付けない」

/*
娘が父親を「生理的に受け付けない」のは、生物的な習性からくるものだという説を聞いたことがあります。近親交配による劣性遺伝の発現リスクを避けるため、遺伝的に近い異性である父親を避けるようにできている。だから娘は父親を嫌い、またその時期も、だいたい生物的に出産が可能である期間と重なっている。そんな説です。気が向いたら研究論文を探します。
*/

「さあここ(母と子の関係)いきます。皆さん興味ありますね。でも(父と母の)どっちが楽か。僕はこっち(母)の方が楽だと思います」

「いいですか。まずね、お母さんの嫌いな男の子って根本的に誰もいないんです。全員お母さん大好きなんです。にもかかわらず途中から嫌いにしてしまうのはどっちが悪いかって100%こっち(母)が悪いんです」

「この子(息子)はお母さん大好き。だって生まれた時からいつも一緒にいておっぱい飲ませてくれて。だから、お母さんは男の子をよいマザコンにしていかなきゃいけない。これね、マザコンには2種類あるんです。よきマザコンっていうのは、お母さんがしっかり面倒見てくれたことがちゃんと自覚できている息子と、こういうことですから」

「で、じゃあどうしたらそうなるか、実は1つしか手がないんですよ。これは、後で」

一同「えー」

「これはね、実は僕が言っていることではなくて、吉本隆明という、よしもとばななのお父さん、有名な哲学者、の言葉を、言葉じゃないですね彼の文章をそのまま朗読します。皆さんにすごい衝撃を与えるかもしれない言葉ですよ」

(スーパーインポーズによる説明)
吉本隆明(1924~2012) 思想家・詩人・評論家
政治・社会・宗教からサブカルチャーまで幅広いジャンルで著作活動を展開「戦後思想界の巨人」

「でここ(母-娘)。これたぶん4つのなかで僕はいちばんここ楽だと思う。ここがいちばん楽だと思いますね」

大澤さん「だって最後戻ってくるもんね」

「ああもう答え言っちゃいましたね」

大澤さん「あごめんなさい!」

「いやいや。普通にそうなんです。おそらく、反抗期ってのがいちばん激しいのはここですよ。だけど、女性っていうのは恐ろしいと思うんです、恐ろしいってか素晴らしいと言いましょうか。女性は、母に対してさえ母になれるんですよ。お母さんを上から見て、そして、最終的に外から見たら、友達になれるような関係でいけるのはここなんです。ね。ここはわりあい楽なんですよね」

「しかしでも本当に、世の中には、不幸にも、お母さんのことが嫌い、な息子だったり、お母さんのことが嫌いな娘が生まれてきてしまう。じゃあいったいどこなのか、そのポイントは。じゃあいよいよ恐ろしい文章読みましょうね」

愛される母親になる唯一の方法

「では読みます。

(吉本隆明の文章を朗読)
《女性が、じぶんの創造した料理の味に、家族のメンバーを馴致(じゅんち)》

また「じゅんち」って恐ろしい言葉を使うんですよ、吉本リュウメイが。吉本隆明が。

(漢字で「馴致」と板書)

飼いならす。そういう意味です。たとえば競走馬を馴致するっていうと、鞍を載せて人がちゃんと走れるように訓練することです。ですからまあ飼いならすってぐらいの意味でいいんですが、もう1回いきます。

《女性が、じぶんの創造した料理の味に、家族のメンバーを馴致させることができたら、その女性は、[たぶん、]家族を支配できるにちがいない。支配という言葉が穏当でなければ家族のメンバーから慕われ、死んだあとでも、懐かしがられるにちがいないといいかえてもよい。》

さあここから効きますよ。
《それ以外の方法では、どんな才色兼備でも、高給取りでも、社会的地位が高くても、優しい性格の持主でも、女性が家族から慕われることは、まず、絶対にないと思ってよい》」

/*
吉本隆明の文章について。出典は、「わたしが料理を作るとき」(『背景の記憶』(1994, 1999)所収)です。ただし同書は現在、新刊書店では入手できないようです。ちなみに初出は、同書巻末の一覧によれば「マイ・クック」誌上(1974.12)です。

なお、林さんは番組中で「支配」をそのまま「しはい」と読んでいましたが、本文中の「支配」には、「リード」と振りがなが付いています。
*/

生徒「胃袋をつかむ以外に」「ご飯ってこと?」

「僕はこれは非常に正しいと思う」

生徒「ご飯やっぱ大事なんだ」

「ご飯しかないって言ってるの」

生徒「えーっ」「やばいんですけど」

「だから、ちょっと面倒だからっていってスーパーの総菜、買ってくるコンビニで買ってくる。お金を渡してちょっと食べといてって、それを何年も何年も何年も積み重ねていくうちに、絶対に嫌いになるはずのない息子に、娘に、母親が嫌われるってことが起きる」

「家で手作りのものをちゃんと食べさせる。そらお忙しいのはわかりますよ、でもそこは絶対に譲っちゃダメなんですよ。そこが折れたら、まあこの吉本さんの言うことが正しければ、そして僕はこれが正しいと思いますけれども、お母さんが子供の心をつかむこと、子供の尊敬を受けることはない」

大澤さん「でもなんか理解します。わかります」

生徒は小学生の子供を持つ母親

「さて、お子さんの年齢をうかがっていると小学校2年生であるとか3年生であるとかけっこう大きなお子さんをお持ちの方もいるんですけれども、まあ、このテレビをご覧の方の中には、まだ親になってない方もいらっしゃると思いますが、最も重要なのはやっぱり3才から5才」

つづく。

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