イタリア語の下手な本田選手のために「空耳カンペ」を作ってみた(進研ゼミ「夢応援」CM関連)

サッカー日本代表の、本田圭佑です(ウソ)。

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※画像はammypark.co.jpより

自分を信じつづけよう。
あきらめなければ、
負けはしない。

夢応援サイト|本田圭佑|ベネッセグループより

というメッセージを受け、頼まれもしないのに「個の力」で本田選手のひどいイタリア語の改善を図ります。あえてね。

ベネッセ「夢応援」CM・イタリア語改善プロジェクト

改善対象である「全然イタリア語に聞こえないメッセージ」は、こちらの動画で視聴できます。

ベネッセ「夢応援」 進研ゼミ篇|ベネッセ 公式チャンネル(2015/01/10付)

実現目標

本田選手は、こう言いたいのです。
※子供たちが唱和している言葉は省きました

Inizierò qualcosa di nuovo!
(新しいことをはじめよう。)

L’inizio e sempre più emozionante del raggiungimento di un obiettivo.
(ゴールよりスタートの方がワクワクする。)

Avrò sempre fiducia in me stesso!
Se non mollo, ce la posso fare.
(自分を信じつづけよう。
あきらめなければ、負けはしない。)

Guarderò al futuro, perché i sogni continueranno a brillare.
(未来を見よう。夢はずっと照らしてくれるから。)

現状

しかし彼の発するセリフは、全くと言っていいほどこう聞こえてきません。

対策:聞こえたとおりに「カンペ」を書く

そこで、Google翻訳に入れたテキスト読み上げの音声を「お手本」に、聞こえたまま書く「空耳スタイル」でカンペを作ってみました。

「空耳」訳・夢応援メッセージ

Inizierò qualcosa di nuovo!

胃にチェロ フクアリ交差点に応募!

L’inizio e sempre più emozionante del raggiungimento di un obiettivo.

離任長へ専プレピュー餅をなんて 出るら純次メンと do you know 美瑛ティー簿

Avrò sempre fiducia in me stesso!
Se non mollo, ce la posso fare.

パブロン専プレ非道茶 異迷す低層!
妹尾朦朧 ちぇら房総ファーレ

Guarderò al futuro, perché i sogni continueranno a brillare.

具ある泥路ある普通路 ペル系損に根治ぬいらんの 炙りラーレ

読み方のコツ

読むときには、イタリア人日本代表のジローラモ・パンツェッタさんをうっすらイメージしておけば完璧です。※当社比

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画像は、ja.wikipedia.orgより

雑記:「空耳スタイル」のすすめ

あとはもろもろ雑記です。

カンペ作りでは、「『オリジナル』の聞こえたとおりを日本語で書く」という、名づけて「空耳スタイル」を採用しました。

「空耳スタイル」で作ったカンペをそのまま読めば、CMの本田選手よりも、よほどイタリア語っぽく聞こえます。※当社比

先述の「空耳訳」を、ちょっとぽく読むだけで、ほとんどの人が本田選手に勝てるはずです。

なんなら、じゅんいちダビッドソンさんにも本田さん本人にも使ってもらってもいいです。あえてね。

解説:問題と対策

プラス、よくわかる解説です。 ※当社比

この記事を書いたきっかけ

CMで聞く本田圭佑選手のイタリア語がヘタクソすぎると感想を述べたこちらの記事

に、案外アクセスが集まっています。

なかでも

  • {ベネッセ or 進研ゼミ} 本田 何語
  • 本田 イタリア語 下手

といった検索キーワードでのアクセスが目立ちます。

「何語」を知りたかった方なら上の記事で応えられていると思いますが、「下手」と検索する人のニーズがなんなのかは、いまいちつかみづらいものがあります。

そこで、この検索ニーズに応えられているか自信はありませんけれど、続編を書いてみることにしました。

(2015/02/07 追記)

最も耳に残る一言の補足です。

付け加えておくと、まだ意味うんぬんの議論に入る前の段階です。

放送までの流れを推測する

CM放送までの流れを、見てきたように語ります。きっとこんなところでしょう。

  1. イタリア語のメッセージ用意
  2. 本田選手、読めない
  3. フリガナ付ける
  4. フリガナに沿って日本式に発音
  5. 「らちゅちゅめんと…」 ←いまココ

このうち、最も問題のある工程は、真ん中の「フリガナ」です。

なぜなら、イタリア語の「テキスト」に対してフリガナを付けてしまっているからです。

「テキスト」に対してフリガナを付けてしまうと、元来である「事象」との「記述」のずれが大きくなりすぎます。イタリア語のテキストはあくまでテキストであって、「音声としてのイタリア語」と等価ではないからです。

イタリア人ならば、テキストから音声としてのイタリア語を再現できましょうが、本田選手を含めイタリア語ネイティブでない者にとってそれは簡単なことではありません。

そのため、求める「事象」である(イタリア語として発せられる)音声からかけ離れた残念な結果となってしまいます。

この悲喜劇はひとえに、「テキスト」に対してフリガナを振ってしまったことに起因します。

シンプルな改善プラン:「空耳スタイル」

ですからこれを改善するには、「事象」そのものをベースにして、すなわち、発せられている「音声」に対して「フリガナ」を振らなければいけません。

「記述」であるテキストではなく、「事象」である音声にフリガナを付けるようにします。

要するに、耳コピよろしく、一連の音声を「聞こえたとおりに書く」ことに徹するのです。イタリア語の個々の単語やその意味などは一切無視です。とにかく、「れりごー(Let It Go)」の例と同じように、ありのままの「聞こえたまんま」を記述します。

これを「タモリ倶楽部」での名物コーナーにならい、「空耳スタイル」と呼ぶことにしました。

おわりに:語学学習のちょっとしたコツ

外国語を「聞こえたまんま、ものまねして話す」ことができない人がものすごく多くて、驚きます。

たとえばくだんの本田選手も、その1人です。

思うにそれは、音という「事象」ではなく、それを文字にした「記述」に頼っているからです。

学習者にありがちなステップは

  1. 事象(外国語の音)
  2. 記述(外国語テキスト)
  3. 記述(日本語のフリガナを付ける)
  4. 受容・事象(テキストを元に話す)

です。再現までの流通過程が多すぎ、再現した音は元の外国語から大きくかけ離れてしまいます。

そうではなく、当初から

  1. 事象(外国語の音)
  2. 受容・記述(聞こえたとおり書いてみる)
  3. 事象(元の音をイメージして話す)

とすればもっとシンプルだし、ずっと効果的にプレーできるのにと、私はいつも思っています。

レベルが上がれば、

  1. 事象(外国語の音)
  2. 受容・事象(まねして話す)

の2ステップにできます。いわゆる「シャドーイング」です。

「空耳スタイル」推薦の辞

外国語を学習するなら、特に初級のうちは「ことば」ではなく「音楽」としてとらえる「空耳スタイル」の方が、絶対にいいです。

たとえばタモリさんの「4か国語麻雀」とか、ヨルタモリの「世界音楽旅行」で見せていたフラメンコ(スペイン語風)・ラップ(中国語風)・ボサノバ(ポルトガル語風)とか、私に言わせれば全部「空耳スタイル」の芸です。

それだけやっていればいいという趣旨ではありませんけれど、「空耳スタイル」で外国語に接しているうちに、「ことば」も意味もあとから勝手についてきます。

というわけで私は、いろいろある「語学力」の側面のうち、「聞こえたとおりにまねして話せる」が最も大切な能力の1つと確信しています。

誰しも、母国語はそうやって身につけたはずなのですから。

Mamma Mia! Questo ora esatta di Milano!
(あっ、こっちはミラノの時間やった)

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