【リスト】「書類送付」された有名人(2005-2014)

こんにちは。

路上トラブルにまつわる伝えられ方に関して幼稚な騒ぎ方をしている人がいるようなので、「書類送付」について情報をまとめました。

この記事で言いたいこと

山下智久さんが「書類送検」でなく「書類送付」をされた理由は、彼がジャニーズ事務所に所属するからではないと思います。

「書類送付」は「書類送検」に比べて使用頻度がはるかに低く、紙面で見慣れない語句であることは確かです。しかし、一般人のケースも含めて過去10年ばかりで使用実績が10数例はあり、山下さんをことさらに特別扱いしているとまでは言えないからです。

たとえジャニーズタレントがいけすかなくても、騒ぐ前にひと手間かけて確かめるのが作法でしょう。

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なお、「書類送検」「書類送付」は互いに交換可能です。ともに同種の事象を指す言葉であり、どちらを使っても指される事象の側に違いはありません。

検証すべきは、事象と記述との関係です。

「書類送付」された人一覧

有名人周辺の事案をメインに「書類送付」実績のある人物をまとめてみました。

リスト作成ソースは「47NEWS」

事案は、47NEWSで記事検索して集めました。

「書類送付」件数は72件

「書類送付」を検索すると、72件ヒットしました。

うち、芸能人・有名人まわりの事案を新しい順に一覧にします。

必ずしも「書類送付」の第一報ではない旨、予めおことわりしておきます。

参考:「書類送検」の数は、その113倍

ちなみに、同じく47NEWSで「書類送検」を記事検索してみると、8,136件でした。

単純な件数比で、「書類送付」の113倍です。

「書類送付」された有名人リスト

「47NEWS」での、2014年から2005年までさかのぼっての実績です。

    <凡例>

  • 氏名・容疑(記事の日付) ※敬称略

便宜上、新しい順に番号を振っていきます。

全10件、のべ13名です。

  1. 山下智久・器物損壊(2014/10/28)
  2. 氷川きよし・暴行 & 元マネージャー・恐喝未遂(2014/10/24)
  3. 片山祐輔・脅迫(2014/07/08)
  4. 森屋宏・公職選挙法違反(寄付行為の禁止)(2014/03/19)
  5. 日本遺族会会長・業務上過失致死傷(2013/11/08)
  6. 叶恭子の妹・横領(2011/11/09)
  7. 毎日新聞社長政治部長担当記者・名誉棄損(2010/02/08)
  8. サッポロビール社長 福永勝・傷害(2009/11/14)
  9. ボビー・オロゴン・暴行(2006/02/16)
  10. 日本相撲協会理事長 北の湖・傷害(2005/02/10)

記事詳細

以下、それぞれのヘッドラインならびに記事本文の抜粋です。※強調は引用者

#01 俳優の山下智久さん不起訴 器物損壊容疑(2014/10/28付)

東京地検は28日までに、口論相手の携帯電話を持ち去ったとして、器物損壊容疑で警視庁に捜査結果を書類送付された俳優の山下智久さん(29)を不起訴処分にした。

処分は27日付。既に示談が成立しているとみられ、警視庁が厳しい処分を求めないとの意見を付けていた。

送付容疑は6月25日、東京都港区の路上でトラブルになった女性の携帯電話(約5万円相当)を持ち去った疑い。

#02 歌手の氷川きよしさん不起訴 元マネジャー暴行容疑(2014/10/24付)

東京地検は24日、元マネジャーの男性(24)を殴ったとして暴行容疑で捜査結果を書類送付された歌手氷川きよしさん(37)を不起訴処分にした。男性も氷川さんの所属事務所への恐喝未遂容疑で書類送付されたが、同日、不起訴とした。

地検は処分理由を明らかにしていない。

氷川さんの送付容疑は今年4月、都内や岡山市内で男性の頭を平手で殴るなどした疑い。男性は同月、氷川さんの所属事務所に暴行の口止め料として現金を要求した疑い。

※当事者双方ともに「送付」です。

#03 パソコン遠隔事件、捜査終結 真犯人メールで書類送付(2014/07/08付)

パソコン遠隔操作事件で公判中の元IT関連会社社員片山祐輔被告(32)が、「真犯人」を名乗って送った自作自演のメールの中で特定の団体を脅したとする脅迫容疑について、警視庁が捜査結果を検察庁に書類送付していたことが8日、捜査関係者への取材で分かった。起訴は見送られる見通し。

威力業務妨害罪などで起訴された片山被告は保釈中の5月16日、真犯人を装って報道機関などに送信したメールに、特定の団体に対して「さっさと殺してやるよ」などと記述していた。

#04 牛肉贈答問題 森屋参院議員の立件見送り 県警、地検に書類送付(2014/03/19付)

自民党の森屋宏参院議員(山梨選挙区)名で昨年12月、県議21人に贈答用牛肉が宅配された問題で、県警は18日までに、公選法違反(寄付行為の禁止)の疑いで告発されていた森屋氏の捜査結果を甲府地検に書類送付した。本人の関与を立証するのは困難と判断したとみられる。

#05 九段会館の震災事故、立件見送り 予見困難と警視庁(2013/11/08付)

東日本大震災でホールの天井が崩落し、女性2人が死亡した九段会館(東京都千代田区)の事故で、警視庁捜査1課は8日、業務上過失致死傷容疑での捜査結果を東京地検に書類送付した。捜査1課は「地震の規模が大きく、事故の予見は困難だった」として、施設関係者の立件は見送った。

女性の遺族らが、適切な耐震措置を怠ったとして、運営する日本遺族会の当時の会長らを警視庁に告訴していた。

#06 叶恭子さんの妹、地検に書類送付 横領容疑で告訴(2011/11/09)

タレント「叶姉妹」が所有する宝石類などを持ち出したとして、警視庁赤坂署は9日までに、横領容疑で告訴された叶姉妹の一人、恭子さんの実妹(46)の捜査結果を東京地検に書類送付した。

捜査関係者によると、厳しい処分は求めていないとみられる。

赤坂署によると、同署は実妹が2007年1月、叶姉妹が保管していた洋服やダイヤの指輪など二百数十点(約2億4600万円相当)を東京都国分寺市の倉庫などに移したとして捜査。宝石類などは転売されずにそのまま残されていた。

実妹は「預かっていただけ。もらったものもある」と話している。叶姉妹が07年2月、横領容疑で告訴していた。

#07 毎日新聞社長ら書類送付 飯島元秘書官めぐる誤報(2010/02/08付)

発言内容の誤報で小泉純一郎元首相の秘書官だった飯島勲氏の名誉を傷つけたとして、名誉棄損容疑などで告訴された毎日新聞社の朝比奈豊社長と当時の政治部長、担当記者の3人について、警視庁麹町署は8日、書類を東京地検に送付した。

同庁は「捜査した事件はすべて検察庁に送る刑事訴訟法の全件送致主義に基づき処理した」とし、処分に関する意見内容を明らかにしていない。

告訴状は、小泉元首相の引退表明を聞いた飯島氏が「次期衆院選で小泉氏が応援しても小泉チルドレンは負けるだろう」と語ったとする誤った記事を2008年9月26日付朝刊に掲載、飯島氏の名誉を傷つけたとしていた。

毎日新聞は翌27日付朝刊で「数日前の話を誤った形で引用した」と訂正した。

#08 傷害容疑告訴で書類送付 福島県警、サッポロ社長を(2009/11/14付)

福島県警郡山署は13日、傷害の疑いで告訴されたサッポロビールの福永勝社長(62)について捜査書類を福島地検郡山支部に送付した。今後、地検支部が起訴するかどうかを最終判断する。

郡山署によると、告訴内容は福永社長が今年5月、同県郡山市の飲食店で店の女性の顔を両手で強く挟み、一定期間、耳鳴りが残るけがを負わせたとしている。

同社広報室は「告訴した人との円満な解決を目指したい」としている。

#09 ボビーさん、書類送付 大暴れの責任追及は困難(2006/02/16付)

タレントのボビー・オロゴンさん(39)が1月、所属する芸能事務所で大暴れした事件で、暴行容疑で捜査していた警視庁原宿署は16日、オロゴンさんの刑事責任を問うのは困難と判断、捜査結果を東京地検に書類送付した。 起訴猶予処分になる可能性が高い。

  オロゴンさんは事務所との間で和解が成立しており、原宿署の調べに対しても反省した様子だったという。

  調べでは、オロゴンさんは1月25日午後1時ごろ、東京都渋谷区にある芸能事務所の男性社長(55)に面会を要求。社長が拒否すると、怒ったオロゴンさんが社長を押し倒し、机やいすを投げるなどしたという。

#10 北の湖理事長の書類送付 傷害告訴「裏付け取れず」(2005/02/10付)

飲食店の女性従業員(29)の首を絞めたとして女性から傷害容疑などで告訴された日本相撲協会の北の湖理事長(51)について、警視庁本所署は10日、捜査結果を東京地検に書類送付した。 告訴事件はすべて検察庁に送ると規定した刑事訴訟法に基づいたもので、東京地検が起訴するかどうか判断するが、警視庁は「告訴内容の裏付けは取れない」とする意見書をつけたとみられる。

北の湖理事長はこれまで「(騒ぎになり)驚いている。警察の捜査には協力する」などと話し、一貫して事実関係を否定していた。

あとがきにかえて

以上、ちょっとした、有名人さかのぼり「書類送付」10年史でした。

おぼろげにでも、「書類送付」事案に共通する要素も見えてきた気がします。

確認:記述される事象の側は同じ

しかしながら、今一度くり返しておきましょう。

ある一連の事象を「書類送付」と言っても「書類送検」と言っても、事象の側に差異が出るわけではありません。表されている事象は同一です。

よって以上のいずれのケースを「書類送検」と呼んでも、何も間違っていません。

反対に、他の「書類送検」となっている事案も、「書類送付」としても一向に構わないはずです。

これも「ずれ」の問題

これもまた、私が「世界の三色パンモデル」と呼んでいる「事象・記述・受容」、これら3者間でのずれの問題です。

あるひとつの同じ事象を記述するのにも、「書類送検」と「書類送付」の2つの言葉が存在する現状があります。両者を分かつものとは、一体なんなんでしょうか?

続編を書く機会があれば、そこを検証していきます。

ご静聴ありがとうございました。

つづく、かも

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