中田宏さんの著書『政治家の殺し方』の残念な白袴ぶり

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こんにちは。

日本維新の会の衆議院議員である中田宏さんの発言がタイムラインでちょこっと話題になっていたので、中田さんの著書『政治家の殺し方』(2011)を思い出してちょこっと読み返していました。

発言の何がどう話題になっていたかは、ここでの本題にしません。別の記事にします。

『政治家の殺し方』について

『政治家の殺し方』は、中田さんが2002年から2期7年務められた横浜市長の経験が語られている本です。

書名のオチを書いてしまいますが、「政治家を殺すのに刃物はいらない。スキャンダルをでっち上げればいい」(p.16)という1冊です。

中田さんは「はじめに」で、出版の動機をこう述べられています。

 今回、本を書こうと思ったのは、自分の名誉挽回のためではない。メディアで派手に見出しが躍る裏側に横たわる真実、政治には歪んだ闇の世界があるということを知ってほしかったからだ。(p.5)

政治の「歪んだ闇の世界」とは、具体的にはこのあたりです。

業界団体や公務員の既得権益、違法風俗店や闇の勢力の存在、まとわりつく陳情やゆすり、たかり。(p.5)

よく「政治の世界は汚い」と言われるが、実際、その通りだ。利権といわれる薄暗い〝地下室〟の分厚い扉を開け、その中の掃除を始めるとどうなるか。そのことを読者に知ってもらいたいと思っている。(p.5)

1冊使って、〝地下室〟の「掃除」によって利権を奪われた側の行為が具体的かつ詳細に述べられています。あわせて、メディアの腐りっぷりもよくわかります。

全体に面白かったです。と同時に、地方自治体は大なり小なり、旧来の横浜市と似たように各方面の利権団体とずぶずぶの関係なのでしょうから、こりゃあ深刻だなとも思わされました。

ただ1つ、残念な「白袴」

全体には面白く、後に続く首長の貴重な参考書にもなりそうな『政治家の殺し方』なんですが、1か所だけ残念な記述がありました。講演会で「家を買う時代ではない」という持論を展開した、とのエピソードを語ったくだりです。

「もし家を買って迷惑な隣人に当たったら、大変ですよ。(略)先日、10年間もすごい形相でお隣さんに向けて大音量の音楽を鳴らし、罵声を浴びせてきたおばさんが傷害罪で逮捕されましたよね。そんな人が隣人だったら、どうしますか?」
 ジョーク交じりに、こんな事例も話した。奈良県生駒郡の「騒音おばさん」が傷害罪で逮捕(その後、有罪確定)され、ニュースで話題になっていた頃の講演だ。(p.150)

ここだけは、あらら、と違うため息が出てしまいました。

中田さんも、一度でも「騒音おばさん 真実」みたいに検索して出てきたサイトに目を通してみれば、本件の心証もずいぶんと違ったでしょうに。

でっち上げの捏造スキャンダルにさんざん苦労し、「メディアで派手に見出しが躍る裏側に横たわる真実」を知ってほしくて本書を著したはずの中田さんなのに、この「騒音おばさん」の件に対しては「裏側に横たわる真実」に思いが至らず、派手な見出しを躍らせた諸メディアに一緒に踊らされている格好です。

一種の「紺屋の白袴」です。

「織り込み済みのポジショントーク」の可能性は低そう

ただ、うがってとらえれば、「それも織り込み済み」とする見方もありえます。すなわち「そういう裏の事情も承知で、あえてポジショントークを取っている」とする見方です。

何の根拠もないですが、その可能性は低いと思っています。

次回予告に代えて

中田さんの発言の何が話題になっていたかですが、当事者発のこのあたりだけ参考にリンクしておきます。

思うところ、調べて知った面白いこと、いろいろありますのでこちらは別途書いていきます。

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