天下り一掃とか取調べの可視化とか昭和22年の新聞に書いてあって

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こんにちは。用件はタイトルのとおりです。

別件で調べごとがあって敗戦前後3-4年分の新聞を読んでいたら、こんな記事に目が留まりました。

2014-03-24_a0006_001705

1)天下り一掃

天下り人事排斥を答申
金融制度調査会

大蔵省や日銀から銀行役員への〝天下り〟を一掃しようと金融制度調査会では、このほど幹事会をひらき、近く政府に提出する『金融機関民主化に関する答申』中に
 金融機関監督の立場にあつたものは、退職後、五年(または十年)を経なければ、民間金融機関の役員に就任できない
むねの規定を特に設けることに内定、成文化することとなつた

出所:朝日新聞 昭和22(1947)年6月18日付 ※旧字体は新字にしています

こんな頃から言ってるんですね。

以下、同じ記事からの抜粋です。

現在財閥四銀行以外の有力銀行役員にはほとんど例外なしに一、二名の大蔵、日銀出身者がおり、銀行民主化をさまたげている場合も多いという見解から、今回の規定となつたものである

これに対し日銀当局では
 追放令関係で人材は結局日銀にもつとも多くいることと、合併銀行などは日銀出身の役員でなければ行内勢力の均衡がとれない
などの実情をあげ、大蔵、日銀からの転出人事かならずしも『天下り』にはならないとしている

このあたりの言いぐさも既視感ありありです。

2)取調べの可視化

かと思えば、こんな記事もありました。同じく、文中の字体は新字にしています。奇しくも、上の「天下り一掃」と同じ日の記事です。

取調べも録音つき
音盤つけて検察庁送り

ウソ発見器や身体捜検器についで警視庁でいま取調べの模様を全部録音する計画をすゝめている
 これまでは容疑者を調べて尋問書を作り、証拠品といつしよに検察庁に送つていたが、尋問書だけでは公正な取調べをしたという情況がよくわからないところから録音となつたものだが、録音すれば強要された自白であるかどうかがわかるし、その場の空気もよく描き出されるうえ、腕きゝの取調官の調べ方を新進の警察官にきかせて部内の教育も出来るというわけ

ほんとかねぇと思ってつづきを読むと、

これから検察庁送りとなる場合には必ずこの音盤もいつしよに送られることになるが、それには警視庁をはじめ各警察にも備えつける必要があるので、さしあたり録音器百個を作ろうといま日本機器会社にたのんで設計、見積をいそいでいる

とあり、「やる」と言っているだけっぽいので、実際やったわけではなさそうです。

出所:朝日新聞 昭和22(1947)年6月18日付

感想:他の記事とアンバランスすぎた相変わらず感

この新聞の発行当時から70年近くが経ち、社会は大きく変わっているはずです。実際、敗戦直後の新聞を読んでいると、当世の感覚との違いを多々感じます。報じられていること自体が珍しい記事もいくつかあります。そんななか、両記事の相変わらずぶりは際立っていました。この2記事だけ年代を間違えているかのような感覚です。

読んでいて、怒りでもない、悲しみでもない、脱力感とか諦観とかに若干近いけれども、完全にそれではない、不思議な感じがしました。

昭和22年から報じられているこの2点に関しては、あまりに相変わらずなので、事の次第をとらえ直す必要があるのではなかろうかと、そう思いました。

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