「ぐーぐる」と訛っているのが気持ち悪い

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こんにちは。

この記事で言いたいこと

日本語の「グーグル」のアクセントが訛っている人ばかりなので、聞いていて気持ちが悪いです。

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ちょうど「B’z」のように、ちゃんとした人はちゃんと発音してほしいです。

日本語の「グーグル」が訛っている

日本語で「グーグル」と言っている人は、たいてい訛っています。

僕の記憶にある最初の例は、「アメトーーク」の家電芸人の誰かでした。

地方局ですが、このあいだはニュースを読むNHKのアナウンサーまで訛っていました。

音声で確認できる例

音声で確認できる例だと、イー・モバイルのCMがあります。こちらです。
→ イー・モバイルTVCM「イー・モバイル Nexus 5 ヤザワ」篇 15秒|YouTube(2013/11/21)

「グーグルの新しいスマホ」と言っていますが、「グーグル」が訛っています。

気持ち悪いです。

訛っている「グーグル」とは

「グーグル」と、どこにもアクセントを置かず、平板に発音する言い方です。

ちょうどバンドマンが、
ター」「ース」「ラム」ではなく
「ギター」「ベース」「ドラム」と平らに言う言い方と同じです。

訛っています。

訛っている「グーグル」の表記について

以降、本稿では「グーグル」が平板に訛ったアクセントを、「ぐーぐる」と表記します。

Google 翻訳は訛っていない

グーグルのサービスのひとつであるGoogle 翻訳では、単語や文を音声で聞くことができます。

Google 翻訳で日本語の「グーグル」を聞くと、「ーグル」と、先頭の「グ」を高く発音しています。

英語でも同じです。Google の「Goo」の部分にアクセントを置いて強く言います。

試しに他の国連の公用語(仏露西中亜)でも聞いてみましたが、微妙な発音の差異はあれ、アクセントはどの言語も「ーグル」でした。

「ぐーぐる」みたいに訛っていません。

井上史雄さんの分析

訛った「ぐーぐる」のように、アクセントの平板化が起こる現象について、日本語学者の井上史雄さんは次のように説明されています。

平板化された外来語は、その人(集団)にとって親しい、当り前の単語だという意味を持つため、平板化された外来語が頻繁に使われるようになるのです。
athome-academy.jp より)

ちなみに井上さんは、このような平板化されたアクセントのことを、著書で「専門家アクセント」と呼んでいます(『日本語ウォッチング』(1998)ほか)。この名称には若干の異議があるのですが、それはまた別の機会に。

あんたグーグルのなんなのさ

井上さんの分析が正しいなら、「ぐーぐる」と言う人は、「グーグル」を親しい、当たり前の単語だと認識していることになります。

は? あんたグーグルのなんなのさ と、言いたくなります。

初老の僕も検索をはじめ、グーグルのサービスをほとんど毎日使っています。だからといって、グーグルに親しいわけでもないし、ましてやグーグルが当たり前でもないです。いまだ「すごいことができるようになったもんだ」という驚きを、静かに抱き続けて利用しています。

僕には、多用する程度でグーグルに親しみを感じたり、ましてや当たり前に思えたりできる感覚も不思議ですし、かてて加えて、どういう動機にせよ「グーグル」のことを世界的にほとんど誰も言わないような言い方で「ぐーぐる」と称するようなまねは、とてもできません。破廉恥きわまりない行為に思えます。

B’z のどうでもいい話

グーグルから離れ、どうでもいい話をします。一般にどの程度知られているかも不明です。

「B’z」というグループがいます。ヴォーカルの稲葉浩志さんと、ギターの松本孝弘さんの2人組の名前です。

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B’z OFFICIAL WEBSITE

このグループ名を、だいたいの人は「びーず」と平板に言います。しかし、メンバーや関係者は頭を高く「ーズ」と言います。平らに「びーず」とは言ってません。

2008年10月25日放送のラジオ番組「放送室」で、「どうでもいい話」として高須光聖さんが松本人志さんにこのことを話していたそうです。(出所:B’z Wiki

証拠音声

YouTube にあるオフィシャルな動画から、確認できるものを探してみました

B’z / 「C’mon」TVCM C’mon篇(15sec)(2011/07/08)のナレーションも、

B’z / 「C’mon」CM San Francisco Member篇(2011/07/23)での松本孝弘さんも、

ーズ」と言っています。平板な「びーず」ではありません。

覚え方:B’z の正式な発音は、「ニュービーズ」-「ニュー」と同じ

ひとつの覚え方として示しておきますと、柔軟剤入りの「ニュービーズ」という洗剤がありますが、ちょうどそこからニューを取り去った「ビーズ」の言い方と同じです。

参考リンク:花王 フレグランスニュービーズ ボリュームアップ体験 CM 仲里依紗|YouTube(2013/03/21)

B’z の言い方でわかること

もちろん、平板に「びーず」と言うことが間違いではありません。

しかし放送の場合、「B’z」をどう言っているかで、その番組がどれくらいまともかの試金石になるとは言えます。バラエティならどうでもいいですが、「びーず」と言う音楽番組があったら、僕は軽蔑します。

「ぐーぐる」と言うには100年早い

グーグルの話に戻ります。

僕にはどうしようもなく耳障りで気持ち悪いことですが、同じように、「ぐーぐる」と言うこと自体は間違いではありません。

しかし少なくとも僕は、ナレーターとかアナウンサーとか、公式な日本語を使う人には、当分の間「ぐーぐる」とは言ってほしくないです。

オフィシャルな日本語では、「ギター」「ベース」「ドラム」などの外来語は、どれもまだ平板なアクセントでは言いません。

それと同じように、「ぐーぐる」を公式な日本語アクセントと認めるには、文字どおり100年早いです。

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コメント

  1. アクセント奉行 より:

    はじめまして。
    偶然こちらがヒットし、大変興味深く拝読しました。
    Googleの発音、私も気になります。背中がむず痒くなるし、けったいな発音をする当人がアホっぽく聞こえるのは勝手ですが、聞かされるこちらまで頭が悪い扱いをされているようで不快ですよね。
    実は今日、夕方のNHKニュ-スにて、たった2~30分の間に「ト-スト」「ピッチャー」の2発に被弾しました。
    前者は完全に「東スポ」に聞こえます。後者は投手と区別せんが為の平板化かもしれませんが、字幕と冒頭で「客に出す水に消毒薬混入」と明示している以上、誰一人野球の話だとは思わないので大きなお世話です。
    民放アナの間ではずっと前から平板化が跳梁跋扈しているので、NHKだけが安堵の場所だったのに…Et tu, NHK!外国人が日本語学習のお手本にしているのに。そのうち自分達の事を平板で「あなうんさ-」と呼び出すのでしょうかね?
    TwitterやLINEの普及開始時、何故平板でない発音で広めてくれなかったのか。まあ例えそうだったとしても遅かれ早かれ誰かが平板化し出し、あっという間に駆逐されてしまったのでしょうが。世も末です。

  2. 変竹林 より:

    はじめまして。私も発声で色々検索していて偶然こちらの記事を見つけました。
    私は無アクセント(方言学上、アクセントのきまりを持たない地域)の出身です。
    方言の影響か、発声はほぼ平板です。いまだにアクセントの付け方が良くわかりません。
    アクセントの分布は、ウィキペディアの「日本語の方言のアクセント」の項が詳しいです。
    記事中の「破廉恥きわまりない、軽蔑します、耳障りで気持ち悪い」等の言葉に、
    すっかり打ちのめされてしまいました。何とかしようとは思っているのですが……。

    私は昔から東京式アクセントや、京阪式アクセントに憧れがありまして、
    いまは日本語教育用アクセント辞典というサイトを参考に勉強しています。
    余裕があったらNHK日本語発音アクセント辞典も欲しいです。
    普段から気をつけて入るのですが、慣れ親しんだ発声というものはなかなか変わりません。
    上手に話せる方々が羨ましくて仕方がないです。私は駄目ですね。話すのが辛いです。
    発声が大事?な英語もあんまり好きじゃなくて……、まともになれるよう頑張ります。

    >アクセント奉行さん
    やっぱり無アクセントはアホっぽいんですかね?。不快にさせてすみません。
    私もアナウンサーの方々には見本となるような言葉を期待したいです。
    正しい日本語の発声を参考に、私もうまく話せるよう頑張りますね。

  3. ヤシロタケツグ より:

    変竹林さま
    「日本語の方言のアクセント」ご教示ありがとうございます。北関東~南東北か九州中部のご出身ということでしょうか。

    一度生まれ育った土地の言葉を覚えてしまうと「2つめ」以降の習得が苦手な方っていらっしゃいますよね。
    最初もそうやって覚えたはずの「聞こえたとおりに言ってみる」をまたやればいいだけなんですが、難しいのかもしれません。
    私もものまねが苦手で、ものまね芸人の嫁にときどき無茶ぶりされ呆れられています。

    有名人だと、英語に苦労したあげく『魔法の発音 カタカナ英語』(2004)という本を出しちゃった脳科学者の池谷裕二さんが「一回限り」のタイプかなと見ています。
    対極が、四か国語麻雀のタモリさんですね。

    どういう経緯で勉強されているかわからないところで軽率ですが、努力があまり報われていない感じがするなら、すっぱり諦めて生まれ育った土地式の無アクセントで通す方が、かえってうまくいくかもしれません。

  4. アクセント奉行 より:

    変竹林様
    ブログ主様ではない方から思わずレスを頂戴し、ビックリ&感謝です。
    どちらのご出身かは存じませませんし、「無アクセント」も心当りが無いのをお詫び申し上げます。私めが指摘したのはブログ主様同様「ビーズ」を真ん中で下げ、語尾を尻上げしり「珍アクセント」なのですが。
    既術の「トースト」はと・う(ここでガクンと下がる)す(下がったまま)・と(やや跳ね上がる)」で、新聞の「東スポ」と同じなのです。水差しのピッチャーも「ッ」と「チャ」が低く、最後の「ー」が尻上がり、無どころかしっかりアクセントがあるのです、しかも「けったい」に!
    特にカタカナの外来語は、日本人とて原語を冒涜しかねない発音やアクセントを普及してきたのですが、せっかく原語に近かった発音を「珍」アクセントで劣化させるのはどうかと思った次第です。
    50代の方々に英語を教えた際、adviceは元々、vの発音はともかく「ヴァ」が強いアクセントで普及していたのに、昨今は「ァアードヴァイス」(強いのはァアー)が跳梁跋扈していますね、昔の方がより正しかったのに、と申し上げたら「そうでしたっけ?昔からァアードヴァイスでなかったすか?」に愕然としました。今もテレビ等でこの単語の発音を聞く度虫唾が走ります。本来のアクセントまで駆逐する日本語もどき。
    先日Larkなる煙草を求めました。店員さんは「ら・ぁ(ぐっと下がる)・く(尻上げ)ですね」。問題無く購入しましたが、耳に残ったのは「奈落」。まぁ、煙草は不健康だから仕方無いかと(笑)。
    「無アクセント」は実感がございませんが、けったいな日本語もどきの「珍アクセント」は使用者ご本人がアホなのは仕方無いとして、対面した際に自身まで同類扱いなのが不快なのです。

  5. 考えるカラス より:

    うーん、個人的には、井上先生の
    >平板化された外来語は、その人(集団)にとって親しい、当り前の単語だという意味を持つ
    というのは、ちょっと誤解を生む解説に思えます。私も多少現代日本語学をかじっているのですが、手直しするとすれば
    >外来語がその言語圏の人にとって日常的に使用される語となる際、対象言語のアクセント構造に合わせて本来のアクセントが改変される場合がある
    ということだと思うんです。つまり日本語は高低アクセントですが、英語は強勢アクセントです。英語の↑「グー」↓「グル」は、本来的には高低をつけているわけではなく、前半部分に強アクセントを置いた結果です。これをもはや外来語でなく日本語の一部として取り入れる際に、↑「グー」↓「グル」という発音を高低アクセントのみで表現するのはやや困難で発音しづらいため、平板化されたということだと思うのです。
    一方で専門家アクセントにおける平板化は、「そもそもそのアクセントが本来とは異なっている」ことを認知しながらも、その語に詳しい集団の中である種「慣例的に」異なる発音で表す、というものです(内閣府告示では「コンピューター」や「バッテリー」ですが、理工学系の人が「コンピュータ」「バッテリ」表記・発音を使うようなものです)。
    井上先生の解説は、「楽に発音するための平板化」と「専門家アクセント」をごっちゃにされています。

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