林修さんと岩瀬大輔さんの「SWITCHインタビュー」(4)(2013年12月14日OA)

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こんばんは。林修ナイトの時間です。

林さんの出演された12月14日の「SWITCHインタビュー 達人達」(NHK・Eテレ)をテキストにしています。(3)のつづきです。

「今でしょ!」先生に入社試験で倍返し!?

岩瀬「それではここで先生に問題があります。さっき現代文の問題解かせていただいたので、お返しに当社の入社問題を解いてもらおうと思います」

林「こういうのをほんとに江戸の敵を長崎で討つっていうんですけど、僕こういう問題を解きたくないからこういう仕事をしてんですよ」

岩瀬「これですね、普通の入社問題とは全然違って、いろいろ考える、頭の柔(や)らかさを問う問題です」

課題

大学の音楽サークル仲間と海外での演奏旅行を計画
5つの条件を考慮し優先的に考えられるリスク3つとその理由を述べよ

    <条件>
  1. 東京の大学
  2. ジャズ
  3. 男4人・女2人
  4. 12日間
  5. 目的地はドイツ オーストリア ハンガリー

ナレーション)さて、現代文のカリスマ講師林修は、どう答える

林「条件が5つで、リスクを3つ挙げろってことはまあ複合的にとらえるか、あるいはその条件が直接そのリスクにからむと。これは現代文の講師的な、読み方になるんですけどね」

岩瀬「はははは。やっぱり自分の土俵にまず持ってくのが大事ですね」

林「まあ他人の土俵で勝負しても勝てっこないんで。負けるんなら自分の方に引きずってきて負けるんなら悔いなしと」

林「東京と…まずひとつ大きなのは目的地でしょうね。しかもジャズだと。あのね、センター試験の何年だったかな、2001年か2年かの文章のなかでこんなのがあるんですよ。「クラシックは、筆記性を重視する音楽」。どうみてもそういう国ですねドイツ。となると、そもそもジャズをこの人たちに持っていくことがいいかどうかっていう根本問題がなんかありそうな気がするんですよ」

/*
確認してみたら、2000年の問題文でした。正確にはこうです。

…近代西洋音楽に広く行き渡っている作品概念は、音楽の筆記的本性によって促進されたものだ、とも言えるわけである。

出典は、近藤譲「『書くこと』の衰退」(『音を投げる―作曲思想の射程』所収)です。
*/

岩瀬「なるほど。ジャズが受け入れられないかもしれないというリスクですね。なるほど」

林「もうひとつは人数の、6名と。まあだいたい2を超えると集団はどこかで亀裂が入る。こうなると(男)4(女)2ですと特に、3-3は危ないんですけど、2-2-2みたいな3つで分裂、やっぱり何かのことがうまくいかなくなるって仲間割れである、人間関係で壊れることが非常に多いんではないかなあと」

林「もうひとつはですねぇ、東京ドイツオーストリア… ジャズってけっこうでっかい楽器使うんで、これ直行便があるとしたらドイツ?」

岩瀬「最近オーストリア航空もウィーンを出してますね」

林「トラブルが起きるとするとトランジット」

岩瀬「コントラバスを運べないんじゃないかとか」

林「とか、向こうでそういう物がちゃんとリース、借りられるのかどうかとかっていった。でもそれはまあ、リスクとしてゼロではないけど最も大きいリスクではないだろうなあと。となるとやはり、日本の無名の若者が来たときにそれを聞くような、カルチャーがあるかどうか。何か変なことやってるよで終わってしまう可能性があるんではないか。つまり自己満足的なもので終わるリスクがいちばん大きいんではないか。そういうなかで人間関係が、もしかしたら壊れてくるんではないか。さらに楽器が届かなかったりしたらもう破綻するなと。そういうような感じで考えたんですけど、いかがでしょうか」

岩瀬「完璧ですね。ありがとうございます。えっとですね、僕らの問題はさっきの現代文と違って正解ないんですよね。正解なくて、考えうるリスクっていくらでも有りうるんで。でもすごく印象的だったのは、これ出すとですね、みんな発散していくんですよ。要するにこれ最低限の条件で勝手に音楽旅行をイメージして、どんどん自分の都合で考えてくんですけど、先生この条件の中でもうぎゅーっと詰めてってロジカルにこうして、さらに外から、ドイツオーストリアのクラシック音楽が好まれる文化だとか、直行便飛んでるのかとか、必要な情報だけ詰めてって論理的になんか数学の問題を解くように解いていかれてたので、素晴らしい回答でした。ぜひよかったら」

林「採用されたんですか。ありがとうございます」

林「予備校の方で大ゲンカした際にはぜひ」

求む!“ヘン”な人材

「それでは、自己PRをお願いします。」(ライフネット生命保険)(2011/02/24)

ナレーション)これは会社の採用PRビデオ。岩瀬の発案で制作された

ナレーション)ベンチャー企業にとって優秀な人材を集めるのは最重要課題。岩瀬はどのようなポリシーで採用に臨んでいるのだろうか

林「ユニークな経歴の方とか、そんな方もいらっしゃるんですね」

岩瀬「そうですね。お客様の目線になるには、あまり業界に詳しすぎてもダメじゃないかと。顧客視点になるっていう意味で、いろんなバックグラウンドの人間が入ってました。たとえばマーケティングのトップをやっている人間はですね、コーヒーチェーンの広報の責任者だったんですね。広報の役員だったんですよ。コーヒーと保険全然関係ないじゃないかと、言う人もいるんですが、でも僕からすると、おいしいコーヒーを届けて快適な空間を作ることと、ほんとに安心できる生命保険を届けるっていうのは同じはずで、なので逆に本当に消費者に、いいサービスを届けてきた経験を、そのブランディングないしマーケティングのプロとして入ってもらったんですね」

岩瀬「あとはですね、プロボクサーだった人間もいますね」

林「そのプロボクサーであったことが今にどんなふうにつながってるんですかね」

岩瀬「やっぱりですね、保険会社なんで、会社に怖い人が来たときは彼に、ていうのは冗談なんですけど、それは冗談で、すごくストイックで自分を鍛錬してるので、その規律というか、朝一番にシャキッとして来ますし、そういう人間も仲間に加わることで、まあ本当に、いい組織が、生まれるんじゃないかと思います。やっぱり多様なバックグラウンドの人間が集まって、それは年齢もそうですし、ほんとに20代から60代まで会社にいますので、でいろんなバックグラウンドの人間が同じ目線でチームになることで、新しいサービスが生まれるんじゃないかと思ってます」

まとめ

林「そろそろ、まとめになるようなんですが、岩瀬さんにとって、仕事とは何でしょうか」

岩瀬「僕よく言うんですけど、つまらない仕事はないって言うんですね。つまり、つまらないとか面白い仕事じゃないだろと。仕事は仕事だと」

林「そうですね。僕もそう思いますね」

岩瀬「ただ、面白くするかどうかは自分次第だと。つまり一見単調な仕事でも、楽しんで上手にやってる人はいるんですよね。なので、そうじゃなくて、どんな仕事でも、心持ち次第で面白くもなるしつまんなくもなるから、めいっぱい楽しくやろうぜと」

林「僕は高杉晋作の、辞世の句をよく、辞世の言葉をよく使うんですけど、面白く なきことも世を、なきこと ん? なき、面白くなき…」

ナレーション)先生、正しくは「面白き こともなき世を 面白く」です

林「まあそんな面白いこと、特に仕事がそんな楽しいとかって言える人が、いたらラッキーで、僕もそういう人間ではない。おっしゃるように、どういう心持ちで面白くしていけるか」

岩瀬「僕30歳のときに、60前の人間と2人で起業したんですね。それでずっと一緒にそばで見ていて、これはいい、60歳の時間の使い方だなって思ったんです。つまり、同世代はみんなもう引退して、余生を過ごしてるなか、若い人たちに囲まれて、絶対無理だと言われながら挑戦してるんですね。で、会った時からどんどんどんどん若返ってくんですよ。それを見ていて、自分も、60になった時に、30歳の生意気な若者をつかまえて、絶対無理だって言われてるベンチャー挑戦したいなって思うようになったんですよ。なので、まあまだ37なんでしばらく時間ありますけど、60になった時に」

林「いいお手本をもう既に見つけてるわけですね」

岩瀬「そうですね。若者と一緒に、何か、そんなのバカじゃないのって言われるような挑戦したいな、そういうふうに思っています」

ナレーション)2人は仕事を楽しむ達人だった。岩瀬は今月念願の世界進出を果たした。韓国の大手生命保険会社と提携。韓国初のネット生保の誕生だ。

林はいよいよ本格的な受験シーズンに突入する。次なる野望は恋愛小説の執筆だという。いつやるか?今でしょ! おあとがよろしいようで

感想

お二方とも、個々の話は面白かったです。ただ難を言うと、番組が狙いとしていたであろう、両人がぶつかることによる作用や、「スイッチ」による面白みは十分に出ていなかったように感じました。

といって、自分ならもっといい話を引き出せるわけでもありませんが、半面、そう自信を持って言えるようになりたいなとも、少し思います。

それから、番組のことで誰も言わないだろうところをひとつほめます。

文字にしてわかりましたが、民放の番組よりもナレーションの原稿が2段階ほどレベルが高かったです。無駄がないうえに、言葉が丁寧に選び抜かれていて、美すら感じられます。

これまで林さんが出演された民放番組のナレーション原稿では、文章を直したく思うこともままありましたが、この番組の原稿は、反対にああこう書くんだなと勉強になりました。

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