林修さんと岩瀬大輔さんの「SWITCHインタビュー」(1)(2013年12月14日OA)

こんばんは。林修ナイトの時間です。

12月14日の「SWITCHインタビュー 達人達」(NHK・Eテレ)に、林修さんが出演されていました。

異なる分野で活躍する2人の“達人”が出会い、語り合う。ただし、単なる対談番組ではありません。
番組の前半と後半でゲストとインタビュアーを「スイッチ」しながら、それぞれの「仕事の極意」について語り合い、発見し合う、いわばクロス×インタビューです。
番組ホームページより)

という番組です。インタビュー相手はライフネット生命社長の岩瀬大輔さんでした。

番組内容をテキストにしておきます。

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基本情報

SWITCHインタビュー 達人達(たち)「林修×岩瀬大輔」(NHK・Eテレ 2013/12/14 22:00-23:00 OA)

(地デジ番組表より)

「いつやるか?今でしょ!」で流行語大賞を獲得したカリスマ講師・林修と、業界に“革命”を起こしたネット生保の若き社長・岩瀬大輔。

【出演】予備校講師…林修,ライフネット生命保険社長…岩瀬大輔,【語り】吉田羊,六角精児

出演者紹介

ナレーション)ともに東大法学部卒。ところがこの2人、歩んできた道のりはまことに対照的

    【岩瀬の経歴】

  • イギリスの名門私立小学校で5年間を過ごす
  • 開成高校から東大に現役合格
  • 在学中に司法試験に合格
  • ハーバードビジネススクールに留学し、MBAを取得。上位5%に与えられるベイカースカラー(Baker Scholar)を獲得
    【林修の略歴】

  • 小学校時代のあだ名はデブメガネ
  • 長期信用銀行に就職するも5か月で退社
  • ギャンブルと株への投機で借金1800万円
  • 多額の負債を返すためしぶしぶ始めた予備校講師。ところが今では受験生にダントツ人気の現代文のカリスマ

Vol.30 今やるカリスマ先生 はみだすスーパーエリート

前半

東京 御茶ノ水 林が教える予備校を訪ねる岩瀬

岩瀬「すごい楽しみですね」

岩瀬「どうやってあれだけ多くの生徒の、心をつかむような、授業をされるのかなあていう。わかりやすく大勢の人に伝えるっていうことってすごく難しいので、そういったことにヒントをもらえればいいなと思っています」

林「経歴を拝見するに、いわゆる正当な、まっとうな、東大生。東大側がこういうふうに社会でがんばってほしいっていうことをきちんとされてる方で。僕なんかは逆に異端で、なんでお前みたいな奴がいたんだっていう、別にシャレじゃないですけど、なんでお前みたいな奴がっていうので、たぶん対極的な感じだと思うんで」

予備校の教室で対面 (@東進リーダー塾御茶ノ水校 セミナールーム)

林「ようこそお待ちしてました」

岩瀬「はじめまして。お会いできて光栄です」

予備校講師 林修 × 生命保険会社社長 岩瀬大輔

ナレーション)実は岩瀬大輔、自分が誰と対談したら面白いか社内でアンケートを取ったという

岩瀬「林先生がぶっちぎりの1位で、社員のみんなもぜひ林先生と対談してきてほしいと言われたので、今日は大変楽しみにしてます」

林「それはほんと光栄ですけど、恐縮ですね。なんででしょうね」

岩瀬「僕もわりとよく話す方なんですけど、今日は林先生を前にして、プロの話し家である先生、落語家みたいですね、緊張してます」

林「テレビでよくしゃべってる僕は虚像ですから。無口ですよ」

岩瀬「でも授業は当然たくさんお話しされるんでしょ」

林「まあ授業も訥々とやってます。…ウソですね」

いきなり「今でしょ!」急上昇

岩瀬「先生テレビ、お茶の間の存在になったのって」

林「お茶の間の存在になってないですよ」

岩瀬「いつ頃ですか? 2年前ぐらいですか1年前ですか」

林「いえいえいえ、あの、今年の1月ぐらいはその辺をぷらぷら歩いてても別に何にも言われなかったですよ」

岩瀬「じゃあ、急速な変化なわけですね。今だと普通にほぼ声かけられますか? 歩いてたりご飯食べたりしたら」

林「まあ、そういうこと多いですね。ただ、これも自分勝手な話で、最初はやっぱりうれしかったんですね。ああこういうふうに自分のことを知ってくれてる人が(いて)。ところが、関数で言うとこう極値を超えた感じで、でもそれは勝手だなと。喜んでた時期もあるのに、ある一点を超えたら急にそれがつらいっていうのも、それもどうかなと」

岩瀬「外歩く時はサングラスしたりとかも」

林「最近それもしてますね」

岩瀬「なんかサングラスをしてたらロックスターみたいな感じに」

林「ならないですならないです」

岩瀬「B’zとかみたいに」

ナレーション)予備校のCMで発した一言が、林の人生を一変させた

「じゃいつやるか? 今でしょう」

決めゼリフはまたたく間に流行語となり、巷にあふれた

(画面に居酒屋 中古車販売 病院 教会の”用例”が)

林一樹先生(キャリアプラン)
サラリーマンNEO 2011年5月31日放送

岩瀬「もともと、あの例の台詞は普段からよく使われてたんですか」

林「いや、1回言っただけだという」

岩瀬「そうなんですね。まるでいつも言っているかのような」

林「みなさんそうおっしゃられて。いつもの決めゼリフをお願いしますとか」

岩瀬「決めゼリフじゃないして思いながら」

林「そう、おっしゃるとおりです。決めゼリフではないし、いつもでもないしと。2つ間違ってますよと、申し上げるんですけれども」

岩瀬「どんな言葉も、流行りになる言葉ってある種世相を表してるような気がするんですけど」

林「僕の分析が合ってるかどうかわからないんですけれども、今が自民党政権だということではないかなと」

岩瀬「アベノミクスでみんな、こう前向きになっていて、やろうとか行こうっていう気持ちの反映なんですかね」

林「ノーを突きつけた自民党政権に代わって誕生した民主党政権、期待が大きかったですよね。それがああいう形で2012年12月に瓦解しましたよね。そこでもう1回国民が選んだのが、かつてノーを突きつけた自民党政権ですよ。自民党も以前の自民党ではない、にしても、もうこれは自分たちでやらなきゃ、なんとかしなきゃ、もうなんともならないぞっていう思いが、国民の中にもあって、しかも、おっしゃられたようにアベノミクスという追い風が吹いて、ていう、皆さんのマインドがあったから、乗っかった部分は、多少あるんじゃないかな」

岩瀬「今ね、そこで(今でしょ!のジェスチャー)て言ってもらいたかったけどでも、今日は2回まで言われてるんで、あまり安易にそこに頼るのも」

林「そんなにもったいぶっているわけでもないんで」

林「まあこれ数学的に言うと微分係数ゼロになってっていう感じですよね。同んなじように今はこう(上り調子に)なってますけど、これが一方的に単調増加していくことはありえないんで、必ずどっかでまた向きが変わるはずですから、その時に、それに対応すればいいと」

岩瀬「周りの先生たちの反応とかってどうなんですか」

林「ものすごいバッシングらしいですよ」

岩瀬「やっぱりライバル意識あるんですね」

林「松下幸之助さんは出過ぎた杭は打たれないっておっしゃってるんで、出過ぎれば大丈夫かと思ってたら、なかなか」

岩瀬「やっぱり打たれるんですね」

「今でしょ!」超多忙な日々

林の宿泊するホテルの部屋へ

/* 窓の形からすると(ウソ)、大阪・茶屋町のホテル阪急インターナショナルだと思われます。 */

ナレーション)林は主に、東京・大阪・名古屋の3都市を渡り歩き、授業を行っている。1年の半分はホテル暮らしだ。今年はそこにタレントの仕事が加わり、ホテル生活は300日にのぼった。ホテルの部屋でも現代文の答案の添削に追われる。1枚にかける時間はわずか3分。すさまじいスピードで次々と赤を入れていく

Q.きれいな字の答案が得?

林「本当のトップは、ほんとに読めない字を書きますね。字をきれいに書くことに意味を見いださないんで、そうすると努力しないんですよ。読めりゃいいだろうってね」

ナレーション)ワイシャツやスーツのアイロンがけも自分でする

林「ピシッと入ると楽しいですよね。あと、どのホテルのアイロンがいいとかね。これね、すっごい使いやすい。蒸気がねちゃんと出るやつっての意外と少ないんだよなあ」

大阪 梅田

ナレーション)予備校講師歴20年。通い慣れた教室への道のりも人気者になって少しだけ変わった

スタッフ「先生後ろ」

信号待ちで振り返ると、スマホで写真を撮る10人ほどの人だかりが

林「あーびっくりした。こんにちは。えらいことになってますね」

/* この場所です。

2013-12-21_1431

http://goo.gl/maps/VHG1E より
*/

ナレーション)授業は1コマ90分。多い時は1日4コマを担当する

東大合格者のコメント

「受験生活も楽しくできた。林先生に出会えたことは宝物だと思ってます」

「苦手だと思っていた現代文が得意科目であると自分で言えるほど自信がついた」

ナレーション)授業が終わったのは夜の8時前。このまま新幹線に飛び乗り東京へ向かう

林「明日の朝の情報番組の打ち合わせです。11時半かあ。ということは12時超えるなあ打ち合わせ終わるの。しかも明日の朝3時起きで、4時半にはスタジオに入るんで、新幹線の中でよく寝てきます」

ナレーション)これから受験シーズン本番。授業数もさらに増える

現代文なんて簡単だ

再び御茶ノ水校のセミナールーム

岩瀬「現代文て教えるの難しいのかなあって思ったりもして、それは試験の作り方と採点のしかたをわからないで言ってるんですけど、ある意味文章って自然に読んで、別に正解があるわけじゃなくていろんな感じ取り方をするわけじゃないですか。自分だったらこう解くだろうとかこう考えるだろうっていうのを教えてるっていうことなんですか」

林「うーん… 現代文っていう科目の本質が恐らく世間ではわかってないなっていう自信はあったと」

林「それこそ世の中の参考書とか、たくさん読んでいろいろ調べたときに、これはほんとに、本質がわかっている人が」

岩瀬「少ないと」

林「まあ少ないというより、ほぼいないなと、ぐらいのことを思ったんで」

岩瀬「実は僕、現代文すごい苦手だったんですよ。いつも偏差値50ぐらいだったんですよ。僕は帰国子女なんで、小学校だけですけど海外いて、古文とか漢文の方が、外国語みたいな感じで勉強するんでまだちょっとはできたと思うんですけど、現代文はからきしダメでした」

岩瀬「帰国だから英語はできたんで、あと数学だけ一生懸命勉強してて」

林「正解です」

岩瀬「それでなんか受かった感じなんですけど、正しいですか」

林「正しいです。できないところに投資をするとリターンはやっぱり小さいんですよ。不得意科目は不得意なぐらいだからなかなか得意にならないよってよく言うんですよ。それができるためには、強みが絶対的に強くなきゃいけないんですよ。岩瀬さんの場合には今おっしゃったように英語が絶対的にいけると。だからあとが多少崩れてても全体のバスケットが、たとえで言うと、ちょっとみかんがたくさん入る。バナナが少ないかもしれないけど、まあお見舞いのセットはできる」

林「そういう計算がちゃんとできていらっしゃったんで。そんなめったに手に入らないキウイをそんなに無理やりに探しにいかなくていいと」

林修のミラクル現代文特別講座

2009年 東京大学文科入試問題を解く

』(原研哉, 2008)

ナレーション)問題文のタイトルは「白」。白い紙にひとたび文字を書いたり印刷したりすると消すことはできない。その緊張感が古来、日本人の美意識を育み、それが書道や絵画をはじめとする芸術表現の根底にあった。しかし、ネット時代を迎えてその美意識が失われていると指摘する内容だ。

/* 参考リンク:ちくまの教科書>当世大学入試現代文事情(敷地博)>原研哉の「推敲」をめぐって */

問題と岩瀬大輔の答案

(一)「「定着」あるいは「完成」という状態を前にした人間の心理」(傍線部ア)とはどういうことか、説明せよ。

訂正不能・不可避であり (挿入)未成熟なものが許されないと分かった上で 、言葉を印刷する行為を前にして、人間が逡巡する気持ち。

(二)「達成を意識した完成度や洗練を求める気持ちの背景に、白という感受性が潜んでいる。」(傍線部イ)とはどういうことか、説明せよ。

白い紙に (挿入)自分の つたない、未成熟な文字を残し続けたくないという美意識が、人間に (挿入)逡巡を伴う 推敲という営みを (挿入)行わせてきたこと。

ナレーション)東大もハーバードも司法試験も難なくクリアしてきた岩瀬だが、果たして結果は? 運命の採点タイム

「今でしょ!」現代文講座SP

岩瀬「こうやって挿入とかしたら絶対バツですか」

林「はい、実はこれバツです。解答欄ははみ出してはいけない」

林「もっと簡単に書いていいんですよ。ただ、まとめ方としては第一段落をまとめましたと、ていうことをアピールしていれば、あ、この子はわかっている」

ナレーション)岩瀬は、第一段落だけまとめればいいところを、第二段落を含め、中途半端に要約してしまった

林「6点中3点ぐらいと。でも久しぶりにやられた割にはよく書けてると思いますよ」

つづく

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