名言への耐性を高める2冊―9月15日「あすなろラボ」林修さん授業感想(12)

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こんばんは。林修ナイトの時間です。

「あすなろラボ」授業の感想シリーズ、その12です。ブックガイド記事です。

名言への耐性を高めるための2冊を紹介します。

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名言は効果的なようだ

今回の授業では、恋愛にまつわる古今の名言が数多く使われていました。予備校での授業を応用したのだろうなと想像しています。

林さんが情熱大陸に出演された際(5/19放送)の映像をあらためて確認しますと、林さんの自宅の本棚には、名言集・名語録の類が何冊もありました。

きっと、これらに収載された言葉を随所に使うことで生徒の心に響かせ、ひいては授業の満足度を高める効果があるのでしょう。

情報弱者

「情報弱者」という言葉があります。縮めて「情弱」と言われることも多いです。

  • 情報リテラシーが足りない人

さらにかみ砕いて言うと、

  • 質量ともに情報の収集・取り扱いのレベルが足りない人

そんな人を指す言葉と理解しています。

用法としては、蔑称に近いのかなと思います。

名言には「情弱ホイホイ」の機能も

僕の観察では、名言は「情弱」の皆さんと親和性が高いようです。

そのため、こんなことを言う人もいます。

 私はツイッターで使える140文字という短い文章で、いかにユーザーの心に訴えられるかということだけを考えていた。
 そのためネットで格言、名言を検索し、自分の心に引っ掛かったものを拾い出し、自分の言葉に置き換えてツイートしていた。(略)
 それをつぶやくことで、相手からリツイートされる可能性が増すのである。それはフェイスブックのシェアと同じで、私もフォロワーが増えていった。この手法は無名の人でも可能なので、あなたも真似してほしい。
―与沢翼『秒速で1億円稼ぐ条件』(2013)pp.219-220

名言に反応する層を取り込むことで、ターゲットとする情弱を間接的に選び出しているのでしょう。

一定のルールはあるにせよ、他人の名言を発信すること自体は自由ですから、これはひとえに、受け取る側の問題です。

そこで、名言への耐性を高め、情弱世界から遠ざかるための本を2冊紹介します。

1.有吉弘行『毒舌訳 哲学者の言葉』(2012, 2013)

別の記事でも触れたことがありますが、あらためて。

ここで読むべきは、「哲学者の言葉」でも「毒舌訳」でもありません。有吉さんの言葉との向き合い方です。

「毒舌訳」すべてには同意できないものの、哲学者うんぬんお構いなしに是々非々で臨む姿勢は賛成します。

有吉さんのように是々非々を判定できる軸をまず自分の中に作ることが大事であって、その軸が正しいかは二次的な話だと感じます。むろん、しかる後の補正の努力も必要ですが。

2.新潮社編『人生の鍛錬 小林秀雄の言葉』(2007)

2冊目は、小林秀雄の「名言集」です。

新字新かなによる全集『小林秀雄全作品』の編集から生まれたスピンオフ企画です(たぶん)。年代順に、全部で416の思索(帯より)が並んでいます。

何よりうれしいのは、出典情報が完璧であることです。全集とリンクする形で、引用元の文章名とページがすべてに明記されており、出典マニアに親切な作りとなっています。

小林秀雄の文章は「きちんとものを考えると、これだけのことができる」というお手本です。初老の僕が請け合います。

若い人向けの話ならば、

現代の学生は不安に苦しんでいるとよく言われるが、僕は自分が極めて不安だったせいか、現代の学生諸君を別にどうという風にも考えない。不安なら不安で、不安から得をする算段をしたらいいではないか。学生時代から安心を得ようなどと虫がよすぎるのである。
―「僕の大学時代」(1937)

など。

そこに何が書いてあるかも大事ですが、それ以上にどんな思考過程を経てそれが書かれたかに関心を置くのがよいかと思います。

と言いながら、自分自身本書から先には進んでいません。惚れてしまうのがちょっと怖いです。

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